Especia - Wizard

Title: Wizard
Label: Bermuda Entertainment Japan
Catalog#: BMEJ-0041
Format: CD
Released: 2017/03/22
2017年3月をもって解散した女性ボーカルグループEspeciaのラストアルバム。
いわゆる第一章の楽曲を第二章のメンバーで再録音したものが6曲(#01~06)、第二章の既発曲が3曲(#07~09)、新曲が4曲(#10~13)、第二章のリミックスが2曲(#14~15)という構成で、一応ベストアルバムとは銘打っているものの、ベスト的要素半分に第二章唯一のオリジナルアルバム的要素半分という、なんとも中途半端な印象を免れない作品となっている。この一点からだけでも、解散が第二章のスタート時には予定されていたものではなく急遽決まったものであったことがうかがい知れる。
4曲の新曲「John's Rod」「Call me back」「Just Go」「Ternary」は、それぞれスタイルは違えどいずれもアメリカンポップスを踏襲したスタイルを貫いており、これまでのEspecia(第一章)の楽曲群とは少し毛色の違ったものとなっている。系統として一番近いと思われるのは前作アルバム『Carta』の1曲目に配されて賛否の渦巻いた(つまり否定的意見が圧倒的に多かった)、作詞山根康広・作曲藤井尚之のアメリカンロックチューン「Clover」だろう。つまり本アルバムの新曲群のようなテイストの作風にも、Especiaは今後進む可能性と余地を残していたことが明らかになったとともに、その芽はすでに『Carta』の時代に埋め込まれていたということだ。
また、そもそもEspecia第二章のような英詩によるボーカル&コーラスグループという活動形態とその音楽性に関しては、同じく『Carta』に収録の「Rittenhouse Square」あたりからその芽を感じ取ることが出来るし、本アルバムに収録の「Nothing」のリミックスのようなジャズステップ(ジャズやフュージョン要素の強いドラムンベース)の楽曲についても、すでに『Carta』収録の「Interstellar」において試されていた。
要するに、Especia第二章において道半ばとなったいくつかの音楽的な試みは、アルバム『Carta』がスタート地点となっていたのだ。
『Carta』はグループの上京とメンバー3名の脱退という嵐のような状況の中でリリース日を迎えたがために、あまりきちんと語られることがなかった不幸なアルバムではあったが、Especiaの行く末と幾重もの可能性を内在した、Especiaの活動史において実はエポックメイキングとなるべき作品だった。その『Carta』の正当な評価については、いつか稿を改めたいとは思っているけれども。
少なくとも僕はEspeciaというグループが持っていた未来の可能性に魅力を感じ、そんなグループの楽曲を愛していたので、椰子の木を見たらEspeciaを思い出す魔法はこれからも解けないだろうし、この先も楽曲を聴き続けることに疑いはないが、2017年4月以降もしかすると5年、10年と想定された彼女たちのグループとしての大きな可能性が閉ざされてしまったことは、やはりただ残念としか言いようがない。
Tracklist
1. ナイトライダー
2. 海辺のサティ
3. アバンチュールは銀色に
4. FOOLISH
5. No1 Sweeper
6. Boogie Aroma
7. Savior
8. Nothing
9. Danger
10. John's Rod
11. Call me back
12. Just Go
13. Ternary
14. Savior (Remix)
15. Nothing (Remix)
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- [2017/04/13 22:56]
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Especia - Aviator / Boogie Aroma (Espacio盤)

Title: Aviator / Boogie Aroma (Espacio盤)
Label: Versionmusic
Catalog#: VICL-37068
Format: CD
Released: 2015/07/22
90年代のサブカルで育った世代のおっさんたちが、みんな揃いもそろって今現在アイドルに夢中になっている現象についてはいつかきちんとまとめたいと思っていて、それには "楽曲派" というタームがひとつ重要な位置を占めてくると仮設を立てているのだけれど、それにしてもこの楽曲派という便利な言葉を最初に考えだした、あるいはアイドルの業界に持ち込んだヤツは、よっぽどの(以下、そのうちどこかに続く)
『Aviator / Boogie Aroma』は、昨年の7月に出たEspeciaの両A面シングル。
Cielo盤、Tierra盤、Mar盤、Espacio盤の4種類のCDが出ていて、ペシストさんたちは特典会目当てに当たり前のように全種類コンプあるいは複数枚購入されていた模様です。僕が買ったのは一昨年のツアー時のライヴ音源がほぼフルで収録されているEspacio盤。
ちなみに、4種類のCDに収録された全7トラックが収録された配信版も後日出ています。CDで買うことに特にこだわりがないのであれば、こちらのほうがお得なのかも。
80年代の空気感の記憶があり、同時に懐かしさ以外のシンパシーを感じている人間にしてみれば、80年代なんて知ってるはずもない90年代生まれの女の子たちによってこんな音楽をやられてしまった日には、もうたまったもんじゃないわけです。もちろん、実際にやらせてるのは周りの大人たちなんだけど。
今年の2月に出るというアルバムにも、なんだかんだ言いながらも期待しかなく。
Tracklist
01. Aviator
02. Boogie Aroma
03. Mucho GUSTO Especia 2014 Tour -Viva Final Espacio Edit-
01. Intro
02. BayBlues
03. FOOLISH
04. アバンチュールは銀色に (GUSTO Ver)
05. BEHIND YOU
06. 嘘つきなアネラ
07. No 1 Sweeper
08. くるかな
09. アビス
10. YA・ME・TE!
11. Outro
- [2016/01/03 19:17]
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Especia - Primera

Title: Primera
Label: Versionmusic
Catalog#: VIZL-790
Format: CD×2
Released: 2015/02/18
昨年1stアルバム『Gusto』によってアイドルマニアのみならず多くの音楽ファンの心をわしづかみにした大阪堀江系ガールズグループEspeciaが、Victor Entertainment傘下のVersionmusicよりメジャーデビュー・ミニアルバム『Primera』をリリースしました。
若旦那プロデュース曲「We are Especia ~泣きながらダンシング~」がリリース前から賛否両論話題となったことも記憶に新しいところです。
さて、いきなりですが、私びびんばより、私の考えるこのアルバムの "正しい" 聴き方を提案します。
CDで聴くひとは、Track 2からCDプレイヤーの再生ボタンを押してください。その際、オールリピート・モードにしておくことをお忘れなく(カーステのひとはそのままでおk)。
データにリッピングしてるひとは、再生アプリのプレイリスト内でTrack 2、3、4、5、6、7、8、9、1の順に並び替えておきましょう。
準備はそれだけです。それでは『Primera』の世界を楽しみましょう。
(蛇足。もちろんアルバムは曲順も含めてひとつの作品であり、このような聴き方はどのような理由であれ製作者の意図に反することは間違いない。しかし、一旦作品として世に出てしまった以上、どのような評価を受け、どのような聴かれ方をするかは、100パーセント受け手であるリスナーの自由に委ねられていることもまたあらがいようのない事実なのであるニヤリ。)
イントロ(曲名は「Interlude」だけど)に続いて、ムーディーでメロウ、そしてソウルフルな「West Philly」への流れは、前作『Gusto』の「Intro」から「BayBlues」への流れを間違いなく意識していると思う。
同じくAOR路線のファンキーな「Sweet Tactics」から、前作の「くるかな」を思わせる「シークレット・ジャイヴ」、いいすね。
インタールード(「Skit」)をはさんで、トークボックスを使ったP-Funkみたいな「さよならクルージン」、そして後期ハイエナジー/初期ユーロビートな80sダンスポップの雰囲気も感じる「Security Lucy」、とてもいいすね。
「Outro」で(いったん)締め(閉め)るんだけど…。
このアルバムはここで終わりではない。先に書いたようにプレイリスト上で曲順を入れ替えているはずなので(またはCDプレイヤーがリピートしてTrack 1に戻って)、ほどなく「We are Especia ~泣きながらダンシング~」の導入部、リーダーの冨永悠香による語りが聴こえてくるはずだ。
そう、この曲は本来ボーナストラックとしてこの位置にある方がしっくりと来る。それは若旦那プロデュースのこの曲がアルバムの他の楽曲と違ってまっとうにアイドルらしいテイストだからなのだが、だからと言ってこの曲が蛇足なのかと言われればまったくそんなことない。むしろこの多幸感にはあらがいがたいものがあるし、安定とも言えるバンド・アレンジのドラムとベースの黒くてファンキーなサウンドはカッコ良いのひとこと。確かに導入部の語りからバラード部までのおよそ3分30秒には正直かったるさもあるが、しかしそれがなければ3分30秒以降の展開の盛り上がりも存在しないわけで。個人的にはこのアルバムの中でいちばん好きな曲だったりします(照)。
なお、初回限定盤には、アルバム収録曲のエディットとインスト・ヴァージョンが収録されたボーナスディスクが付属している。「We are Especia ~泣きながらダンシング~」のインスト・ヴァージョンが未収録なのが残念ではあるが、ファンには手にとってもらいたい。
また、配信版は「Interlude」「Skit」「Outro」を除いたヴォーカル作品6曲をよりぬいたコンパクト版となっているが、アルバムの世界を楽しむためには、できればCDの方を手にとってほしいところだ。
実際、CDの帯やディスクのレーベル面やライナーノーツも含めたアートワークが実に秀逸で、80年代に、まだまだフォーマットとして出はじめた頃のCDを買っていた世代には、なつかしくてたまらないつくりになっている。
それからTwitterの方にも書いたけど、AORやシティポップに詳しい音楽ライターの金澤寿和さんの手によるライナーノーツ。真に受けた否定的な意見も多いみたいだけど、100パーセントけれんみしかなくて最高だと思う。俺もあんな文章を書きたいと思うよマジで。
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Tracklist
1-01. We are Especia ~泣きながらダンシング~
1-02. Interlude
1-03. West Philly
1-04. Sweet Tactics
1-05. シークレット・ジャイヴ
1-06. Skit
1-07. さよならクルージン
1-08. Security Lucy
1-09. Outro
2-01. シークレット・ジャイヴ (PellyColo M1 Fantasy Remix)
2-02. さよならクルージン (PellyColo Rainbow Steam Remix)
2-03. Security Lucy (Insecure Booty Mix)
2-04. Security Lucy (VINYL7 DUB)
2-05. West Philly (Instrumental)
2-06. Sweet Tactics (Instrumental)
2-07. シークレット・ジャイヴ (Instrumental)
2-08. さよならクルージン (Instrumental)
2-09. Security Lucy (Instrumental)
- [2015/03/02 00:12]
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Especia - Gusto (7" Vinyl Sampler)

Title: Gusto (7" Vinyl Sampler)
Label: Tsubasa Records
Catalog#: JS7S085
Format: 7"
Released: 2014/10/10
今年の春にリリースされてからというもの、僕も愛聴している "大阪堀江系ガールズグループ" Especiaの1stアルバム『Gusto』。現在タテノリのものがほとんどの日本のアイドル界のなかにあって、Especiaの楽曲はヨコノリでグルーヴィーなのが良いんですよね。
そんなアルバム『Gusto』から、2曲が7インチシングルでアナログカット。こんなにアナログリリース(しかも7インチというフォーマット)が似合うアイドルもまたそうそういないのではないだろうか。
「No1 Sweeper」は、シンセとホーンのからみが最高に気持ちいいファンキーなディスコ・ブレイク。「くるかな」はかわいらしいアーバン・ポップ。2曲ともアルバムの中でも特に光ってた楽曲で、アルバムとは違うエディットが施されている。僕はこっちのヴァージョンの方が好きだよ。
このレコードはコレクターやアイドルマニアのものだけにしておくにはあまりにも惜しいので、DJの皆さん、かけてください。
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Tracklist
A. No1 Sweeper (nueva cocina)
B. くるかな (aero wao edit)
- [2014/11/03 13:06]
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Envoy - Dark Manoeuvres (Slam Remix)

Title: Dark Manoeuvres (Slam Remix)
Label: Soma Quality Recordings
Catalog#: SOMA360D
Format: MP3
Released: 2013
[試聴]
[Amazon.co.jp] [iTunes Store]
Soma所属アーティストEnvoyが1996年に放ったハードミニマルのヒット「Dark Manoeuvres」(『Coallition EP』収録)を、レーベルのボスSlamがリミックス。
不穏極まりない暗黒のストリングスがひたすら繰り返されるダーク・テクノのオリジナルも今聴いてもカッコイイが、不穏で圧迫感のある空気をそのままに、疾走感のあるシンセフレーズで見事にまとめあげている。
見ろよ、この新旧ハードミニマル対決を! Slamはここんとこ完全にテクノ化していて本当に素晴らしい。
Tracklist:
01. Dark Manoeuvres (Slam Remix)
02. Dark Manoeuvres
- [2013/03/19 23:00]
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