PANDA 1/2 - ひかり射す 

Artist: PANDA 1/2
Title: ひかり射す
Label: P and A Entertainment
Catalog#: PANDA-2
Format: CD
Released: 2014/03/14
初代ヴォーカリスト藤岡みなみの脱退から1年余り、PANDA 1/2の新作がようやく届けられた。

2代目ヴォーカリスト小出きすが歌う「ひかり射す」は、これまでの(第1期)PANDA 1/2のような渋谷系パロディではない、真っ向勝負のポジティヴなアコースティック・バラード。サビの高揚が壮大で泣けてくる。
とても哀しく辛いことがあったけど、それでも前を向いて歩いていこう、と訴えてるみたい。
James Panda Jr.いい曲書いたなぁ。
小出きすの声質は藤岡みなみと似ている部分もあるようにも感じたけど、少しかすれた感じで、だけどとても透明感があって。歌い方はまだ少しおぼつかないところもあるけど、そんなところも含めてとても良い個性のあるヴォーカリストだと思う。

カップリングの「つながる心、愛の魔法」のメイン・ヴォーカルは、小出きすではなくJames Panda Jr.が取ってる。もしかしてJamesが歌うのってテトラ以来じゃない?
一聴して牧歌的な印象を与える曲ではあるけど、実は心に秘めた哀しみがにじみ出ているような。いや、それは2曲ともそうかも。

正直なところ、以前はこのバンドの渋谷系パロディの部分をおもしろがって聴いていたというところが大きかったけど、このシングルを聴いて僕は真面目にこのバンドのファンになってしまったような気がするなぁ。

ちなみに今回のシングル、公式で買ったらJames Panda Jr.による長文ライナーノーツが封入されていた。あと、封筒の消印が上野のパンダで、82円切手の笹に重ねて押してあったり(これはたまたまか)、何げにゲイが細かい。

ひかり射すひかり射す
(2014)
PANDA 1/2

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Tracklist
01. ひかり射す
02. つながる心、愛の魔法
03. ひかり射す (Instrumental)
04. つながる心、愛の魔法 (Instrumental)

Player - Infamous Player Rarities 

Artist: Player
Title: Infamous Player Rarities
Label: player.bandcamp.com
Catalog#:
Format: MP3
Released: 2013
[試聴/ダウンロード]
[Amazon.co.jp] [iTunes Store]
90年代後半のテクノシーンにおけるメインストリームは、ハードミニマルと呼ばれるシカゴハウスとデトロイトテクノの双方から影響を受けたフロア・ミュージックだったわけで(って言うか、このblogでは "CDで聴くハードミニマル" というレビュー企画が途中で棚上げされておりますね。ええ書きますよ、そのうちちゃんと)、特に2000年前後にはサンプリング主体で匿名性を重視した作風のアーティストが次々と12インチ・シングルを投下する戦国乱世のような事態を迎えた。代表的なアーティストやレーベルを挙げると、Killa Bite、User、Ignition Technician、Recycled Loops、そしてPlayer。
僕もTwitterで流れて来て知ったのだが、そんなハードミニマル期に隆盛を誇ったPlayerの過去作品のデータが今やBandcampで買える世の中だ。しかもカタログを見ていくと、0円からダウンロードできるコンピレーション・アルバムまで存在する。いいのか本当に(笑)
ざっくりとした荒々しいリズムやブリブリとした粗雑なベースラインに連打されるヴォイスサンプルが生み出す疾走感は、デジタル臭のするツルッとした最近のテクノにはない魅力があり、またいくつかのレイヴ・クラシックを引用したトラックは、テクノがレイヴ・カルチャーからやって来たことを思い出させるのに充分な勢いがある。
前述した通りこのアルバム自体は0円からダウンロード出来るので、聴いてみて気に入ったら後からお金を払うとか、他の有料のシングルも買ってみるなどしてはいかがでしょうか。

Tracklisting:
01. Player 013 A1
02. Player 008 A1
03. Player 029 B1
04. Player 025 B2
05. Player 005 A1
06. Player 001 B1
07. Player 001 A1
08. Player 033 A1
09. Player 012 A1 (Remix)
10. Player 018 A1
11. Player 017 A1
12. Player 017 B2
13. Player 012 (Marco Bailey Remix 2)
14. Player 001 B1 (Remix)
15. Player 008 B1
16. Player 005 B2
17. Glitch
18. Revamp
19. Lynch The Landlord
20. Kaos Rave
21. Quadrophobia

PANDA 1/2 - 上海へ行くつもりじゃなかった 

Artist: PANDA 1/2
Title: 上海へ行くつもりじゃなかった
Label: P and A Entertainment
Catalog#: PANDA-1
Format: CD
Released: 2012/12/12
[試聴]
[Amazon.co.jp] [iTunes Store]
2000年代前半に "ネオ渋谷系" という、90年代の渋谷系に影響を受けたアーティストたちによるムーブメントが興ったのだが、その中心にいたのがテトラプルトラップというユニットだった。テトラプルトラップの音楽性はフリッパーズギターからの影響をまったく隠そうともしないもので、バンドとしてはいくつかの名曲を残したのちに短期間で空中分解を起こしてしまったが、テトラプルトラップの中心人物であった川島蹴太氏はその後中国に渡ったようで、テトラプルトラップやテトラプルトラップFの名前で活動し、新熊猫音盤なる自主レーベルからも作品をリリースしていた。

おっと、今回紹介するCDとは関係のない話を書いてしまったな。PANDA 1/2(ぱんだにぶんのいち)は、公式プロフィールによると、プロデューサーのJames Panda Jr.(上海出身・30億32歳・パンダ)と、ヴォーカリストのM!nam!(藤岡みなみ・人間)によるユニット。・・・だったのだが、昨年の12月31日をもって藤岡みなみは脱退し、現在は活動休止中、なのかな?
このアルバムは、昨年12月12日にリリースされたPANDA 1/2初のフィジカル・リリース。内容はそれまで配信で発表されたシングル曲をまとめたものではあるが、未発表曲(リミックス)も1曲シークレット・トラックとして収録されているほか、ユニット名にちなんだ "12" という数字にこだわった数々のギミックが楽しめる。こういう手法ってやはり90年代的なんだよな。
各楽曲やタイトルなんかも含めて、相変わらず(ん?)渋谷系のパロディが徹底されており、元ネタのわかるひとにはクスリとしてもらいたい。このひと(今はパンダだけど)本当に渋谷系が好きだったんだなぁ。あ、何故かテトラプルトラップの名曲「Vector」のカヴァー曲(ですよね?)「PANDA! PANDA! PANDA!」も入ってますよ。
惜しむらくはもう少し活動を続けて欲しかったという気持ちもあるけど、もう少しユニットの性質にあったヴォーカリストが見つかれば良いなとも思う。藤岡さんの声はクラムボンの郁子さんに似た感じで、魅力的ではあるけど、これまでのPANDA 1/2のクラブ・ミュージックを基調としたサウンドには少し負けているような感じがしたもので。

Tracklisting:
01. Overture
02. 上海は夜の6時
03. 中華街ウキウキ通り
04. PANDA! PANDA! PANDA!
05. 夏をぶっとばせ -Wild Summer 2012-
06. ぼくらがスリジャヤワルダナプラコッテへ旅に出る理由
07. (Secret Track) 中華街ウキウキ通り (remixed by Plus-Tech Squeeze Box)
08. -
09. -
10. -
11. -
12. -
  (Secret Track) PANDA! PANDA! PANDA! (remixed by PandaBoY)

Posthuman ‎- The Benz EP 

Artist: Posthuman
Title: The Benz EP
Label: Balkan Vinyl
Catalog#: BV10
Format: MP3
Released: 2012
[試聴]
[Amazon.co.jp] [iTunes Store]
ここ数年のUKでは珍しく "テクノであること" に主眼を置いたレーベルBalkan Vinylを主宰する2人組Posthumanによる自身のレーベルからのシングル。Balkan Vinylは毎回配信と同時にヴァイナルも切っていてえらいなぁと思います。
タイトル曲「The Benz」は、90年代のアシッド・リヴァイヴァル期を思い起こさせるアシッド・テクノ。昨年レーベルのBandcampで公開されたコンピ『Acid Relief』(0円から買えますが、もしよければいくらかでも払いましょう)にも収録された曲ですね。それを、ハードテクノで名を馳せたBen Simsと、Two Lone Swordsmenでは長年Andrew Weatherallの相棒を務めたRadioactive ManことKeith Tenniswoodの2人がそれぞれリミックス。
Ben Simsは、ざらついた質感と低空飛行のグルーヴで緊張感を持続させるアシッド・ハウスに。これは悪い音だ。明らかに不良大人の音楽。
いっぽうRadioactive Manは、お得意のエレクトロ(オールドスクール・エレクトロね)に料理。
最後の「Company Man」はレイヴ・シンセとヴォイス・サンプルを繰り返すハウシーなトラック。今年はレイヴ・シンセがトレンドのひとつでしたね。
というわけでこのシングルはBen Simsのリミックスが良いです。
ところでこのBalkan Vinylってレーベル、新興レーベルの割には、今回のリミキサー陣のみならず、Altern 8の片割れMark Archerとか(過去記事)LFOとかLuke Vibertとか、はたまたB12とかPlaidといったUKテクノの大御所を次々と起用しているけど、一体どんなコネクションを持っているのだろう。主宰しているパーティーから派生しているのかな。



Tracklisting:
01. The Benz (Original Mix)
02. The Benz (Ben Sims Acid Remix)
03. The Benz (Radioactive Man Remix)
04. Company Man

パスピエ - ONOMIMONO 

Artist: パスピエ
Title: ONOMIMONO
Label: Warner Music Japan
Catalog#: WPCL-11100
Format: AAC
Released: 2011/6/27
[試聴]
[Amazon.co.jp] [iTunes Store]
キーボードの成田ハネダとヴォーカルの大胡田なつきを中心とするバンド、パスピエの2nd。タイトルは1st『わたし開花したわ』(過去記事)に続き、たぶんあまり意味のない回文。メジャーデビュー作ということが関係しているのかしないのか、前作以上にキャッチーなメロディーが魅力的な疾走感のある楽曲が多い。反面、前作の魅力のひとつだと感じた初期YMO的な中国趣味的な雰囲気は今回はほとんど見当たらない。とは言え、「トロイメライ」「デモクラシークレット」「脳内戦争」「トリップ」「最終電車」といったたたみかけるパンキッシュなポップチューンは最高に気持ち良いし、「プラスティックガール」「ただいま」のようなやさしいアレンジのメロディーが映える曲も良い。特に「最終電車」のエレピのイントロなんて鳥肌ものだ。成田ハネダは間違いなくメロディーメーカーだと思う。
あと、iTunes Storeだとボーナストラックとして1st収録曲「電波ジャック」のアコースティック・ヴァージョンが入ってるので、どうしてもCDのほうが、という偏屈なひと以外はそちらをオススメ。

ONOMIMONOONOMIMONO
(2012/06/27)
パスピエ

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わたし開花したわわたし開花したわ
(2011/11/23)
パスピエ

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Tracklisting:
01. トロイメライ
02. デモクラシークレット
03. プラスティックガール
04. 脳内戦争
05. 気象予報士の憂鬱
06. トリップ
07. 最終電車
08. ただいま
09. 電波ジャック (歌とピアノver.)