Hervé feat. Phizzals - My Love 

Artist: Hervé feat. Phizzals
Title: My Love
Label: Skint Records
Catalog#: 4050538259445
Format: File
Released: 2016/12/09
もう1枚、ボーカルもののベースハウスで良かったやつを。
Hervéが2016年に出した3rdアルバム『Hallucinated Surf』から、Phizzalsなるボーカリストをフィーチュアしたトラックのシングルカット。

オリジナルはボーカルにエモさの、ブレイクビーツにレイヴ感の残るベースハウスだったが、Maximonoはベースマナーに忠実に、KC Lightsはアッパーなエレクトロハウスに、それぞれ独自性を持たせて料理している。
そしてそれら二者のリミックスもそれぞれ良かったのだが、さらに注目したいのがHervé主宰のCheap Thrillsからリリースする気鋭のRyukenによるリミックス。
スピードガラージを思わせる縦に刻まれるハイハットが疾駆するグルーヴと、ボヨボヨと弾むベースが最高にアガるベースハウスで、これは僕の好みの斜め上であると同時に、オールドスクールの掘り起こしはついに90年代後半のUKガラージまでたどり着いたのかという興奮をも隠せません。



Tracklist
01. My Love (Original Mix)
02. My Love (Maximono Remix)
03. My Love (KC Lights Remix)
04. My Love (Ryuken Remix)

Have a Nice Day! - The Manual (How to Sell My Shit) 

Artist: Have a Nice Day!
Title: The Manual (How to Sell My Shit)
Label: Virgin Babylon Records
Catalog#: VBR-036
Format: CD + CD-R
Released: 2016/11/09
今年もecrn awardさんに年間ベストを投稿しました。よろしくどうぞ。
ecrn award 2016 >>

で、今回紹介するのはその中の1枚。
ハバナイことHave a Nice Day!は、僕にとって昨年のバンド・オブ・ザ・イヤーだった。
もしも僕が今ティーンだったならば、きっと浅見北斗に心酔しきっていたことだろう。

『The Manual (How to Sell My Shit)』は、world's end girlfriendのVirgin Babylonに移籍してリリースされたハバナイの4枚目のアルバム。

過去作では比較的抽象的な言い回しの歌詞が多かった印象のあるハバナイだったが、本作では、たとえば "インターネットは君に愛を伝えるために生まれた" とか "3月11日の衝撃を超えるような" といった、より直截的な表現の歌詞を取り入れているように感じる。それは、2015年11月のリキッドワンマン以降も積み重ねられてきたライブの経験によって、起こすべきモッシュピットの実像が、よりリアルに、浅見北斗の脳内にイメージ出来ているからなのかも知れない。
一方、音の方にも、レイヴィーなインダストリアル・ハードミニマルな「BLUE MIRROR BALL」といった、今までのハバナイにはなかった新機軸が見られたりして(この曲、Lorenzo Senniあたりの影響を強く感じるなぁ)。

ハバナイの音楽はジャンク・ディスコとかって呼ばれるけど、その実は2000年辺りのエレクトロクラッシュやそれ以降のディスコパンクから多大な影響を感じる、本質的にはロック(ニューウェーブ)バンドなのだ。それは、テクノ界隈(て言うかシンセ界隈か)からすれば雑とも言えるシンセの使い方を見ても明らかで、しかし私は逆にそのラフ過ぎるシンセの音色にとてつもない多幸感と高揚感があふれるロマンティックな魅力を感じているのです。



Tracklist
01. Haywood/Marcellus
02. dance with my climax (void void)
03. 666
04. LOVE SUPREME
05. ミッドナイトタイムライン
06. CRUSH CANDY
07. skit
08. NEW ROMANCE feat. world's end girlfriend
09. WASTED
10. 24hours feat. 入江陽
11. BLUE MIRROR BALL
12. パーティーが終わる
13. Rogers

Tracklist (タワーレコード特典CD-R)
01. blood on the mosh-pit (永原真夏ver.)
02. ファウスト (おやすみホログラムver.)

Homemade Weapons ‎- Negative Space 

Artist: Homemade Weapons
Title: Negative Space
Label: Samurai Music
Catalog#: SMDELP01
Format: File
Released: 2016/12/02
『Negative Space』は、シアトルのドラムンベース・プロデューサーHomemade Weaponsが、ニュージーランドのSamurai Musicから2016年に出したアルバム。
抜身の真剣を身にまとったかのような不穏な空気と極度の緊張感からは、ダークステップ、テックステップといったドラムンベースのサブジャンルにダブステップをも内包してやらんとする強い意志が伝わってくる。
そしてその徹底的にモノトーンでミニマルな音像から、レイヴ由来の本来のドラムンベースが持つ快楽原則が損なわれているかといえばまったくそんなことはなく、表層を流れるサディスティックな破壊衝動にも似た赤く煮えたぎる熱量が、内面に深く沈むドライアイスのような素面の冷静さと火花を散らしてぶつかり合う様に、私は圧倒的な興奮を覚えます。



Tracklist
A1. Hawkeye
A2. Spasmolytic
B1. Retina (feat. Red Army)
B2. Ironhead
C1. Echoes
C2. Tidal Track
D1. Malice
D2. Jawbox (feat. Gremlinz)
E1. Conduit (VIP)
E2. Red Herring
F1. Third Rail
F2. Killing Moon

原田知世 - 恋愛小説2 若葉のころ e.p. 

Artist: 原田知世
Title: 恋愛小説2 若葉のころ e.p.
Label: Universal Jazz
Catalog#: UCKJ-9001
Format: 7"
Released: 2016/09/07
原田知世が今年5月に出したラブソング・カバーアルバム『恋愛小説2 若葉のころ』がアナログ化。同時に、エクスクルーシブ・トラック2曲を収録した7インチ・シングル『恋愛小説2 若葉のころ e.p.』も発売されました。
ところでこのタイトル、EP警察的にはどうなんでしょうか(笑)

この7インチに収録されたのは、アルバムのリードトラックでもあった竹内まりやのカバー「September」のシングル・エディット、そしてアルバムの初回盤にのみ収録されていた小沢健二のカバー「いちょう並木のセレナーデ」。

原田知世による「September」はアレンジが良いです。オリジナルよりも抑えめなんだけど、シティポップ再評価以降とも言えるアーベインな雰囲気と、後半盛り上がるジャズバンドのとげのない音像は、ベースのサウンドひとつ取っても心地がよくって。

いっぽうの「いちょう並木のセレナーデ」はシンプルなアコースティックギター1本の弾き語り。原曲はスタジオ・ヴァージョンが存在せず、オザケン自身のエレキギターのピッキングによるメロディが特徴的でしたが、このカバーは淡くやわらかい原田知世のボーカルの魅力が引き立っています。

あとは同内容のCDかダウンロードコードもつけてくれていたら完璧だったのになぁ、とも思うのですが。
ともあれ、最近は7インチを買うのが楽しいです。





Tracklist
A. September (single edit)
B. いちょう並木のセレナーデ

ヒカシュー - レトロアクティヴ Remix 

Artist: ヒカシュー
Title: レトロアクティヴ Remix
Label: Eastworld
Catalog#: TOCT-9558
Format: CD
Released: 1996/08/28
レビューするのにちょっと時流から外れてしまった感はあるけど、ヒカシューです。
一連の騒動(書きませんが)を見ていて、ヒカシューの1stか2ndあたりを紹介する必要性を感じたのですが、僕たちのような90年代にテクノを聴いていた世代にとっては、ヒカシューといえばやっぱりこの盤なんですよ。
というわけで、96年にリリースされた、当時のジャパニーズ・テクノのなかでもSony Techno(ソニテク)とFrogman Records周辺のプロデューサーたちを集めて作られたリミックス・アルバムのほうを取り上げることにします。
それにしても、これ20年前か…。しかも参加リミキサー9名のうち、すでに2名が鬼籍に入っているという…。90年代のテクノ・バブルはまこと遠くになりにけり。

今回あらためて聴きなおしてみたのですが、さすがに時代を感じる音だなぁと言うのが正直な第一印象。しかし陳腐化していないトラックもいくつかあり、それは例えばモノフォニック・ミニマルな田中フミヤのリミックスだったり、オリジナルへの敬意をにじませながらも当時の最新ダンストラックに作り変えた石野卓球リミックスだったり。
中でも山本アキヲによるリミックスは、今Echospaceあたりからリリースされていてもおかしくない、超ドープなミニマルダブ。これは天才の所業じゃないかとすら思う。今回聴きなおしてとにかく驚いた。

しかしこのような世代を超えたリミックス作品を聴くと、時代や地域の異なったとしても、すべての音楽はどこかで必ずつながっていて関係しており、単独では絶対に存在し得ないという思いをあらためて強くする。
だからこそ、今自分が好きな音楽を大事することは、同時に先達への敬意も忘れてはならないことだと思うのだ。なぜなら、その先達が存在しなければ、今自分が好きな音楽もまた生まれ得なかったのだから。



Tracklist
01. レトリックス&ロジックス (remixed by Susumu Yokota)
02. モデル (remixed by Ken Ishii)
03. プヨプヨ (remixed by Yoshinori Sunahara)
04. 瞳の歌 (remixed by Quadra)
05. 幼虫の危機 (remixed by Fumiya Tanaka)
06. 謎の呪文 (remixed by Yoshihiro Sawasaki)
07. パイク (remixed by Takkyu Ishino)
08. 出来事 (remixed by Kagami)
09. ト・アイスクロン (remixed by Akio Yamamoto)