水曜日のカンパネラ - 嬴政 

Artist: 水曜日のカンパネラ
Title: 嬴政
Label: Warner Music Japan
Catalog#: WPDH-10440
Format: File/Subscription
Released: 2017/06/30
2017年3月からスタートしたリアル脱出ゲーム×キングダム "ある大戦場からの脱出" の主題歌として制作された水曜日のカンパネラの楽曲「嬴政(えいせい)」が、2017年6月30日に配信限定で再リリースされた。
もともとは "ある大戦場からの脱出" のグッズをヴィレッジヴァンガードで買うと「嬴政」のダウンロードコードが付いてくる、みたいなキャンペーンでのみ手に入る楽曲だったと認識していたのですが、ちゃっかり楽曲だけでリリースされちゃいましたね。カンパネラーのみなさん、お布施はもうお済みでしたでしょうか(笑)

で、その「嬴政」。
「ツイッギー」みたいなイントロに、BPMを上げた「ユタ」のようなバックトラック、全般的な雰囲気は「坂本龍馬」っぽさがあり…といった第一印象。
ただ、この曲のキモは歌メロなのかな、という気もする。
ゆるやかで浮遊感のある、多幸的なコムアイのボーカルが奏でる音階の気持ち良さを聴いてほしい。

今月中には現在開催中のツアーIN THE BOXで披露されている新曲「ピカソ」の配信も始まると言うし、そちらにも期待したく。



Tracklist
01. 嬴政

水曜日のカンパネラ - メロス 

Artist: 水曜日のカンパネラ
Title: メロス
Label: Warner Music Japan
Catalog#: WPDH-10433
Format: File
Released: 2017/05/26
「メロス」は、水曜日のカンパネラが2017年5月26日にリリースした配信限定シングル。
JRAとのコラボ企画 "東京遊駿" の、おそらくコアとなる楽曲として制作されたトラックである。
東京遊駿としては「メロス」のリリースやMVの公開だけでなく、5月10日に東京競馬場において客入れナシ・配信オンリーのライブを行ったほか、5月28日の日本ダービーの際に「メロス」が収録されたミュージックプレーヤーが無償配布されている。
水カンと企業とのコラボ企画って今までもいくつかあったけど、トヨタのときと同様、はたしてどれほどのシナジーがあるのか・あったのか、正直言って僕にははなはだ疑問なわけですが、好きなバンドがそうやって世間に認知と評価をされつつ商売に使われていくこと自体はとても喜ばしいことなのでまぁいいや。

それよりも楽曲としての「メロス」のほうが重要ですよ。これまた問題作来た。
ひとことで言えば、ジャジーなボッサ・ブレイク風味のフューチャーベース。
テン年代のベースミュージックがトラックの基調にあることは、『ジパング』以降のケンモチサウンドの大きな特徴となっているのですが、そこにケンモチさんがもともと得意としていた90年代のダンスミュージックのテイスト(今回の場合だとジャズ・ブレイクス)を織り交ぜて、オリジナリティを確立させている。
この手法、当初『ジパング』の頃はどちらかと言えば "がんばってテン年代のベースミュージックをやっているけど、どうしても90年代っぽい手クセがにじみ出ているよなぁ、まぁそこも魅力なのでいいけど。" という印象だったのが、さいきんの『SUPERMAN』あたりからはむしろ "テン年代のベースミュージックにあえて90年代っぽいテイストをスパイス的に付与することによって、数多のベースミュージックとは違う独自性を生み出しているよなぁ。" という印象に変わってきている。
90年代のダンスミュージックのテイストを、きちんとケンモチさんの個性として、アンダー・コントロールの状態で最新モードのダンスミュージックに取り入れている。これってすごいことですよ。簡単にはできないですよ。
というわけで「メロス」はまたまたキラーチューン。6月7日からはじまる全国ツアー "IN THE BOX TOUR" ではやく体感したい。



Tracklist
01. メロス



水曜日のカンパネラ - SUPERMAN 

Artist: 水曜日のカンパネラ
Title: SUPERMAN
Label: Warner Music Japan
Catalog#: WPCL-12464
Format: CD
Released: 2017/02/08
既発の「アラジン」「カメハメハ大王」(from『SUPERKID』/過去記事)「一休さん」(過去記事)を含む、水曜日のカンパネラ、メジャー初のフルアルバム。

前作EP『UMA』(過去記事)は外部プロデューサーを複数迎えた結果、メンバーでありサウンド・プロデューサーのケンモチヒデフミの手による楽曲が半数以下に抑えられたという経緯もあり、全曲ケンモチヒデフミ謹製のフルアルバムの発表は、僕も含め多くのカンパネラーたちが心待ちにしていたところであろう。特に『UMA』収録の「チュパカブラ」と「ツチノコ」が本当に素晴らしかったので、このクオリティの高いトラックで埋めつくされたアルバムを聴いてみたかったと、個人的にも『UMA』リリース時には実に残念な思いをしたものだった。

本作『SUPERMAN』のトラックに関しては、大きな跳躍を魅せた前作アルバム『ジパング』(過去記事)と同様にフューチャーベースを中心に、煌めきディスコテック、R&B/ガラージ、トロピカルハウス、そしてベースハウスといったバリエーションが彩りを添えている。このことはケンモチさん自身からも今作は前作の延長線上の音になるといった発言があった通りで、これは停滞ではなくむしろ円熟と発展であると捉えておきたい。期待通り最新&最高のエレクトロニック・ダンス・ミュージックであり、安定感すら感じる。
既発曲以外では、レイヴピアノ連打のエピックなベースハウス「オードリー」と、UKガラージにハードコアテクノのテイストを混ぜたような「オニャンコポン」が出色の出来。
そして全体を覆うのはダークサイドとは無縁に思われるポップでポジティブな空気感。これもメンバーの発言にあったとおり、バッドトリップ感のあった『UMA』からの反動なのだろう。本作『SUPERMAN』においては、これが虚構であることを声高に主張するかのように、どこまでもどこまでもキラキラとしている。

といった感じで、本作『SUPERMAN』の仕上がりは期待通り・想像通りで、大きな跳躍は見られないものの安定したクオリティを維持している。……というわけでは実はまったくなくて、個人的には想像もしていなかった大きな跳躍を再び魅せてくれた。それは何を隠そう、コムアイのボーカルである。
以前からコムアイのキャラクターの面白さやパフォーマーとしての才能に関しては揺るぎのない信頼を持ってはいたが、本作におけるコムアイのボーカルは、その唯一無比の声質と個性だけではなく、見事なまでの伸びやかさと表現力の豊かさを自らのものとしている。これには本当におどろいた。まさかコムアイがボーカリストとしてこれほどまでのポテンシャルを発揮して大化けするだなんて。

ケンモチさんの最強トラックに、コムアイさんの最強ボーカルが加わることにより、もはや現在の水曜日のカンパネラには全能感しか感じない。
他にも、練りに練られた歌詞の重箱の隅をつついたり「アマノウズメ」泣けるとかっていろいろ語りたいことはありすぎるくらいにあるのだが、本稿の論点がぼやけそうなのでまたの機会にするとしても、最後にこのことだけは言っておきたいてか言わせてくださいたのむ。

『SUPERMAN』は、間違いなく水カン史上最高傑作であると。



Tracklist
01. アラジン
02. 坂本龍馬
03. 一休さん
04. オニャンコポン
05. チンギス・ハン
06. チャップリン
07. オードリー
08. カメハメハ大王
09. 世阿弥
10. アマノウズメ



水曜日のカンパネラ - 一休さん 

Artist: 水曜日のカンパネラ
Title: 一休さん
Label: Warner Music Japan
Catalog#:
Format: File
Released: 2017/01/09
1月9日、水曜日のカンパネラのメジャーデビューアルバム『SUPERMAN』より、「一休さん」の先行配信が始まった。一休(1月9日)の日…またしてもダジャレである。
リリックについてはカンパネラー(注:水カンファン)の皆さんがTwitter上で書きおこしやら謎解きやら今回も大いに盛り上がっているので、私はサウンド面について少しだけ。
トラックの基調は、ゆったりめのBPMの4つ打ちで、前作となるEP『UMA』(過去記事)収録の「ユニコ」同様、トロピカルハウスを軸としていることがわかる。特徴的なのは弾けるベースギターの音がフックとなっていることで、通常トロピカルハウスではアコースティックギターが使われることが多いが、この辺りにケンモチさんのオリジナリティとアイデンティティを感じずにいられない。
このベースギターの音って、ケンモチ楽曲の中でも重要な役割を果たしていることが多く、水カンの楽曲に限って言っても、「二階堂マリ」、「デーメーテール」、そして「メデューサ」と、枚挙に暇がない。
この楽曲がアルバムの中で一体どのような位置を占め、どのように聴こえるのか、今からもう楽しみで楽しみで。
水曜日のカンパネラのメジャーデビューアルバム『SUPERMAN』は、2月8日発売。



Tracklist
01. 一休さん

Shift K3Y ‎- NIT3 TALES 

Artist: Shift K3Y
Title: NIT3 TALES
Label: Sony Music Entertainment UK Limited
Catalog#:
Format: File
Released: 2016/11/25
2016年下半期ベスト(過去記事)に選んだ中から1枚。気鋭のUKガラージ・プロデューサーShift K3Y (Shift Key) ことLewis Shay Jankelによる1stフルレングス。
「I Know」や「Touch」といったヒット作から、ビーチ感のあるポップなガラージのイメージが強かった彼だが、本作ではベースハウスに大きく舵を切っている。
かつてフィジットハウスのブームの後、自ら "クラックハウス" を標榜し、ドラムンベース・サイドからハウスミュージックに大胆に接近したDJ Zincとの共作「Jumpstart」がまずは素晴らしく。ゴロゴロと転がり、あるいは跳ねまくるベースラインのアドレナリン出まくり感は、ベースハウスの快感原則のド真ん中。
多くのメジャー感あるゲストのおかげもあり、聴いた目の華やかなポップさに耳を奪われがちだが、根底に流れる凶悪なベースハウスやガラージの刺々しさにこそ僕は心を奪われてしまう。
表面上よそ行きにおしゃれに整えたとしても、根元のガラの悪さを隠し切れないような音楽、僕は基本的に大大大好きさ。

Tracklist
01. DJ Zinc x Shift K3Y - Jumpstart
02. MJ Cole x Shift K3Y - Rampage
03. Shift K3Y feat. KStewart - Natural
04. Shift K3Y - Me & You
05. Ray Sargent x Shift K3Y - Boom Riddim
06. Shift K3Y - Cut You Off
07. Shift K3Y x Chris Lorenzo - Let Go
08. Shift K3Y - Brandy & Coke
09. Shift K3Y feat. MNEK & Ryan Ashley - No Question
10. Shift K3Y - Forever
11. Shift K3Y - Hotel
12. Shift K3Y - NIT3 TALES MIX