Riot Ten & Sirenz - Scream! 

Artist: Riot Ten & Sirenz
Title: Scream!
Label: Dim Mak
Catalog#: NN052
Format: File
Released: 2017/02/28
Steve Aoki主宰のDim Makから、Riot TenとSirenzのコラボトラック。
Dim MakはAutoerotiqueなどを擁していることから、個人的にも現行ベースハウスのリリースのチェックには今や欠かせないレーベルのひとつとなっています。

本作「Scream!」は、UKファンキーっぽさのある硬めのリズムとボイスサンプルが特徴的なベースハウス。ブンブンと、あるいはフォンフォンと鳴るたたみかけるようなベースサウンドには荒々しさと疾走感があって、否が応でも体を動かしたくなります。
トラップやグライムを得意とするRiot Tenとエレクトロハウスを得意とするSirenzの良いとこ取りのようなナイストラックです。



Tracklist
01. Scream!

Ryuken - Jiggle 

Artist: Ryuken
Title: Jiggle
Label: Cheap Thrills
Catalog#: CHEAP223
Format: File
Released: 2016/12/09
前回のレビューで取り上げたHervéのリミックスも良かった(過去記事)Cheap Thrillsの新鋭、Ryukenの(たぶん)最新シングル。

「Jiggle」というトラックがバージョン違いで2曲収録されており、まずオリジナルではオーセンティックなハウスビートにチャレンジしている。ドラムンベース由来のボヨボヨしたベースはやや控えめだが、全面にわたるラガっぽいボイス・サンプルとともに、ここでもUKベースハウスを引き継いでいることが見て取れる。

カップリングの "Back To 99 Mix" というバージョンについては推論の余地があるのだけれど、Ryukenが過去にCheap Thrillsからリリースしたシングルにはいずれもこの "Back To 99 Mix" というタイトルの別バージョンが収録されている。
この99という数字(または1999年という年代)が何を指し示しているのかはよくわからないが、当時のダッチハウスを彷彿させる跳ねた手数の多いビートに、まるでThomas Schumacherの名曲「When I Rock」を思わせる重戦車級のベース。このバージョンは往年のテクノファンにも聴いてほしい。



Tracklist
01. Jiggle
02. Jiggle (Back To 99 Mix)

Rockwell - Obsolete Medium 

Artist: Rockwell
Title: Obsolete Medium
Label: Shogun Audio
Catalog#: id1047230761
Format: File
Released: 2015
ロンドンのドラムンベースのレーベルであるShogun Audioを中心にリリースを重ねているロンドンのドラムンベースのプロデューサー、Rockwellの1stアルバム。

ドラムンベースのレーベルから出たドラムンベースのプロデューサーのアルバムなので、一般的には当然のようにドラムンベースにジャンル分けされている作品なのだが、果たしてこれを簡単にドラムンベースのアルバムと言ってしまって良いものなのかどうか(さて問題です、ドラムンベースと何回言ったでしょう・笑)。

ときおり見せるオーケストラヒットやタイトなスネアの音色、あるいはレイヴィーなヴォイス・サンプルなどにかつてのドラムンベースの面影を感じることはできるが、楽曲を構成する音、ビート、グルーヴ、いずれも僕がなれ親しんだドラムンベースからは大きく離れており、性急なリズムや三連符、デジタルな電子音、不穏でリキッドなベースなどからは、むしろトラップやフットワークと言ったテン年代のベース・ミュージックとの親和性を強く感じさせる。

シカゴ発のジューク/フットワークがヨーロッパのクラブ、とりわけドラムンベースのシーンで受け入れられたあたりから、ジャングルやドラムンベースを取り入れるシカゴのフットワークのアーティストが多く生まれたが、ヨーロッパではどうやらその逆コースの現象も起きていたみたいで、昨年あたりからジュークなどの(ドラムンベースの歴史と比較すると)新型のベース・ミュージックを取り入れた越境するドラムンベースを耳にすることが増えてきたような気がする。

Rockwellは2013年のシングル『Detroit / Back Again』でそういった流れの先陣を切ったアーティストでもある。
本アルバムは、彼の越境型ドラムンベースの実験の集大成であり、ドラムンベースという音楽ジャンルの可能性を大きく拡張したアルバムと言えるだろう。

なので、はじめに、この作品をドラムンベースと呼んでいいのか、と疑問を呈したが、僕はあえてこう決め打ちしたい。

このアルバムは正真正銘、最新型のドラムンベースだ、と。



Tracklist
01. Obsolete Medium
02. Faces
03. INeedU
04. Lines Of Ground Glass
05. 14Me
06. Itsok2behapp-e
07. Guts / Blood / Sex / Drugs
08. Negative Approach
09. Please Please Please (Play This On The Radio)
10. Dizzle
11. Macbook Jungle Crew (Your Time)
12. Bait
13. Technoir
14. Rave Cult
15. Music 2000

Ron & Chez D ‎- Untitled 

Artist: Ron & Chez D
Title: Untitled
Label: KMS
Catalog#: KMS 054
Format: File
Released: 1994 / 2014
もう1枚、Ron Trentのリイシュー作品を。
Ron TrentとChez DamierのPrescriptionコンビによる、Kevin SaundersonのKMSからの1994年の無題EP。便宜上 "KMS 054" と呼ばれることがある。

ディープ・ハウス、と言うよりは、むしろデトロイト・テクノと言ってしまった方が近いかもしれない、生への喜びとダンスの快楽が心の琴線を震わせる極上のディスコ・フュージョン。名作。

Tracklist
A1. Untitled
A2. Untitled
B1. Untitled
B2. Untitled

Ron Trent ‎- Dance Floor Boogie Delites 

Artist: Ron Trent
Title: Dance Floor Boogie Delites
Label: Only1 Music
Catalog#: ONLY3
Format: File
Released: 1995 / 2014
シカゴとアフロを繋ぐ男、80年代からDJとして活動するベテラン、Ron Trentによる1995年の作品が、この度リイシューされた。

「Pop, Dip and Spin」は、1990年のデビュー作にして代表作のひとつでもある名曲「Altered States」も思わせる、狂気のミニマル・ディープ・ファンク。ダークサイドのブラックネスが全身麻酔のようにじわりじわりと体内に、そして世界に浸透していく。
Basic Channnelのミニマル・ダブとも親和性を感じるグルーヴは、もしかしたら同時代的な影響があったのだろうか。

「Morning Fever」は、黒人音楽の持つファンクネスは同様に、タナトスよりもエロスの快楽性に根ざしたブギー・フュージョン。
スロウなテンポは昨今のニューディスコや、それらを通過したロウハウスとも親和的であるが、Ron Trentの音楽性はよりメロウだ。



Tracklist
A. Pop, Dip and Spin
B. Morning Fever