Ulysses - Acid Reflux (Throne Of Blood/2011) 

Ulysses - Acid Reflux
Label: Throne Of Blood (TOB011)
Format: MP3
Released: 2011
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The Raptureのレーベルから、NYのElliot Taubという知らないひとのUlysses名義のニューシングル。タイトル曲は80'sシカゴアシッドのミニマル風トレース。Spankyみたいなダミ声のヴォイスサンプルとTB-303っぽいアシッドシンセが不穏な空気を醸し出していて、これは僕の好物。で、このタイトル曲をPrins Thomasがリミックスしているのだが、これが原曲のヴォイスサンプルやアシッドベースを残したまま、アコースティックギターをフィーチュアした陽あたりの良い北欧コズミックディスコに変貌している。どうしてこんな事態になってしまったんだろう、と理解に苦しみ首を傾げるくらいの衝撃。いやこれはなかなか面白い。まぁ他の2曲を聴くと緩やかなディスコだったりチルアウトだったりするので、このElliot Taubというひとは元々テクノやアシッドではなくディスコ/ロック方面のひとだということなのだろうな。
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Underworld - Barking (Traffic/2010) 

Underworld - Barking
Label: Traffic (PCDT-23)
Format: CD/MP3
Released: 2010
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いつの間にかDiscogsの仕様が変わってた。一覧ページでジャケ写がわかるのは便利かも。

大御所クラブ系アーティストの中では比較的リリースのペースが安定しているUnderworldの新作。ま、最近はニホン向けに商売している感もなきにしもあらずですが。
ジャケットのアートワークは、これまでの白黒のくしゃくしゃっとしたものではなく、カラフルなくしゃくしゃっとしたもの。音の方も、これまでのアルバムと違って楽曲毎に外部プロデューサーが加わっているためなのか、今までのアルバムよりも格段に風通しの良い、そしてダンスミュージック寄りの楽曲が並んでいる。特に目を(耳を?)見張るのが、Dubfire、Mark Knight & D.Ramirez、そしてPvDといったトランス/プログレッシヴハウス畑のプロデューサーの関わった楽曲群の快楽指数の高さだ。ここにはUnderworldの持つニューウェーヴあがりの陰鬱な湿り気はもはや存在しない。しかし、どんな作風のトラックであっても、そこにKarl Hydeのヴォーカルが乗った時点で、その曲はUnderworldの曲にしか聴こえなくなるのだから、つまりは僕らが知るUnderworldとは実はKarl Hydeそのものだったのかも知れない。
先日の来日ライヴも行くことが出来なかったが(て言うかライヴがあったことすら知らなかった)、聞くところによると「King Of Snake」のバックトラックにJoris Voornの「The Secret」を使ってたそうじゃないですか。聴きたかったなー。またライヴCD出したりするのか知ら。
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ユニコーン - URMX (SME/2009) 

ユニコーン - URMX
Label: SME Records (SECL-797)
Format: CD/MP3
Released: 2009
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今度の衆議院選挙は、何となく何かが "変わりそう" な雰囲気が漂っているので、投票率も伸びるんでしょうね。でも、と僕は思う。4年後、結局何も変わらなかった、自分の1票は無駄票だったなぁと思うことのないよう、きちんと自分のアタマで吟味して貴重な1票を投じましょうね、と。二大政党制のメリットなんてみんな嘘っぱちなんだからさ。

今年復活したユニコーンのキャリア初のリミックス盤。発売の情報を知った時から、小西康陽とか田中知之といったそのリミキサー陣の並びを見て "またかよ" 的な思いを禁じ得なかったというのが正直なところなんですが、実際に聴いてみると、「服部」のヴォーカルをほとんど使わなかったOddityのニューエレクトロとか、何故か「Mabe Blue」をスピードコアにしてしまったN8LOC(誰だか存じ上げませんが)なんかは面白い。反面、オリジナルではTB-303を使っている「キミトデカケタ」はやはり完全アシッドハウスに仕立て直して欲しかった。「PTA~光のネットワーク~」はヴォーカルに中途半端なヴォコーダー(て言うかエフェクト)をかけるくらいなら中田ヤスタカとかをリミキサーに選ぶくらい思い切って欲しかったし、それかいっそのこと小室哲哉をリミキサーに(さすがに無理か)、いや小西康陽でも良かったかも(原曲のTM風のアレンジは実は小西康陽の手によるものであることは意外と知られていなかったり)・・・。やはりいろいろオリジナルに思い入れがあるが故の不満は残る訳です。当然ながらオリジナル超えは1曲もナシ。
ユニコーンはもうすぐ復活第2弾シングルが出ますね。てっきり『シャンブル』(過去レビュー >>)からのカットかと思いきや、川西君生誕50周年記念の新曲だそうで。ちなみにタイトルは『半世紀少年』。いや素晴らしい(笑)
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ユニコーン - シャンブル (Ki/oon/2009) 

ユニコーン - シャンブル
Label: Ki/oon Records (KSCL-1370)
Format: CD/MP3
Released: 2009
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さりげない。ほんと、さりげないわ~。
いや、ユニコーン16年振りのニューアルバム『シャンブル』なんですけど、何なんでしょうか、まるで16年前の解散がなかったかのような、『SPRINGMAN』(1993) の翌年にでもリリースされたかのようなこのさりげない風体は。
確かにメンバーの容姿は確実に老けてるんだけれども(西川君なんてちょっと痛々しいくらいに)、"あの伝説のバンドがまさかの再結成!!" みたいな気負いみたいなものがまったく感じられなくって、いたって普通。彼ららしい。
それにしてもこの2009年にユニコーンが活動再開するなんて、一体誰が予想し得ただろうか。初期のビートパンク時代からこのバンドを知ってるひとはシングル「大迷惑」(1989) とアルバム『服部』(1989) が出たときに度肝を抜かれた経験を持っていることだろうけど、今回の再結成はそれ以上の衝撃ですよ。
(あ、いま書いてて唐突に気づいたんだけど、"ユニコーン" に "服部" って『20世紀少年』つながりだ。)
そして全曲新曲の新作も普通に良いのですわこれが。名曲の予感を感じさせる曲がこれでもかと。そしてメンバーそれぞれのヴォーカル曲のクォリティがバラけていない。これがユニコーンなんです。
何かね、"ブランクを感じさせない傑作!" とかって大仰に言ってしまってもいいんだけれども、それはあくまでさりげない彼らの雰囲気に合わないから、僕はこう言いますよ。
これは良いアルバム。普通に良い。
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U96 - Das Boot (Polydor/1992) 

U96 - Das Boot
Label: Polydor (513 185-2)
Format: CD/MP3
Released: 1992
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X-102つながりで・・・ってことでもないけど、最近、X-102と同時代(90年代初頭?)のハードコアとかをいくつか手に入れてるので、ついでに紹介しときます。

先ずは、ドイツの商業レイヴ・ユニットU96による、Uボートのテーマのレイヴ・ヴァージョンのアルバム。
ヴォコーダーヴォイス、デジタルシンセのオーケストラヒット、4/4ビートの後ろで刻まれる高速ブレイクビーツ、アシッドベース、そしてソウルフルなヴォーカルとMC。これはいかにも古くさい、この時代ならではのレイヴミュージックです。今聴くときちんとポップスとして成立し得る音作りがされてるんですね。懐かしいし、これはこれでカッコイイけど、それでもX-102と同年の作品と思って聴くと、X-102のエヴァーグリーンさを再認識出来てしまうのでは。
ちなみにU96は現在も活動しているらしく、最近はユーロハウス/トランス系の音を出してるみたいです。うーん、残念ながら特に興味なし。
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