James Ruskin - Point 2 

Artist: James Ruskin
Title: Point 2
Label: Tresor
Catalog#: Tresor 145
Format: CD
Released: 2000
3年以上放置していたけど、当blogでは "CDで聴くハードミニマル" という連作レビュー企画をやっておりましてな。
企画を始めた2009年当時、テクノはまだまだミニマル全盛で、90年代末に隆盛を誇ったハードミニマルなんてすっかり忘れ去られて蚊帳の外状態でした。そんな中、アナログ中心のシーンであったにもかかわらず、あえて手に入りやすいCDというメディアに限定してレビューを続けることによって、ハードミニマルの復権を願うという、壮大な目的を内に秘めてこの企画を始めました。

そして2014年。
CDも決して手に入りやすいメディアとは言えなくなり、Berghainに代表されるベルリン地下テクノの影響で、ハードミニマルはいつの間にか、すんなりと、あっけなく、拍子抜けするくらいに、テクノの中心に返り咲いている。
本来ならそういった現在進行形の新型ハードミニマルをもっともっと当blogで紹介していくべきところなんですが、歴史を振り返ることも有益なことだろう、と半ば自分に言い聞かせ、停止していたシリーズの更新を再会したいと思います。
と言っても、紹介したいCD作品の枚数も残りわずかなので、もう少しだけおつきあいを。

ということで。

CDで聴くハードミニマル 第15回

舞台はUKに戻ります。

Surgeonとの共作シングル『Sound Pressure』(1998年) で一気に名前の売れた印象の強いJames Ruskin。スタイルとしてはJeff Millsフォロワーと言えると思います。
このアルバムはTresorからとなる2nd。
自身のレーベルBlueprintからの1st『Further Design』も、2nd同様Tresorからとなる3rd『Into Submission』も、それぞれ素晴らしいミニマル・テクノなんだけど、この2ndの特徴は、土着的なパーカッションやヴォイス・サンプルが前面に押し出されているトライバル・ミニマルだという点ですね。

トライバルというタームは、ハードミニマル後期においてきわめて重要なキーワードとして機能することになります。その話はまたおいおい。

Point 2Point 2
(2000/06/06)
James Ruskin

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Point 2 - Germany [12 inch Analog]Point 2 - Germany [12 inch Analog]
(2000/06/06)
James Ruskin

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Tracklist
01. Before The Calling
02. If
03. Subject
04. Detatched
05. Version
06. Eight 3
07. Connected
08. From Over The Edge
09. Coda
10. If (Loft Mix)

Jackmaster YOSHIKI - Jackmaster YOSHIKI is Dead 

Artist: Jackmaster YOSHIKI
Title: Jackmaster YOSHIKI is Dead
Label:
Catalog#:
Format: MP3
Released: 2013/05/05
[試聴/ダウンロード]
[Amazon.co.jp] [iTunes Store]
アシッド・コンピTB or not TBシリーズ(過去記事1過去記事2過去記事3)なんかの首謀者であるtecraがJackmaster YOSHIKIの名前で発表した作品のコンピレーション(のダウンロード版)。一応このリリースを持ってアシッド的な作風のものは一区切りとのことだ。
アルバム全体をおおまかに分けると、ブリーピーなミニマル、レイヴィーなハード・アシッド、グルーヴィーなアシッドハウス、の順に収められている。収録曲は微妙に既発曲のヴァージョン違いだったりもするが、やはり僕は後半のアシッドハウス集に勢いと魅力を感じてしまう。

僕は、彼に限らず、ネットや同人イベントで作品を発表している何人かのひとたちの音楽を、昔からテクノを聴いているようなひとたちにも届いて欲しいとずっと思ってるけど、なかなかその断絶を埋める力にはなれなくてもどかしさを感じることがある。
逆説的ではあるけど、テクノに関しては、ネットでフリーで音楽を公開するよりも、ヨーロッパなどのレーベルからリリースされないと、より広い層には聴かれないという状況がある。tecraさんには以前、確か『braille ep2』のデモを聴かせてもらった時だったと思うが、ネット・リリースじゃなくて海外のレーベルに送ってみたら、と言ってみたことがある。あの侘寂が滲出したようなミニマル・ダブはちょっとほかで聴いたことがないものだったからだ。それに対しては、まだそこまでのスキルがないので…、みたいに返された。僕は、そういうの同人根性って言うんですよ悪い意味で、と思ったけど、めんどくさくなってそこで会話(Twitterのメッセージ)は終わった。
まぁ僕なんかに言われるまでもなく、みんな海外の(に限らず、だけど)レーベルにデモを送ったりしてるのかも知れないけど、て言うか、そういう旧来の手法を嫌ってネット・リリースを選んでいるひともいるんだろうけど。
余計なお世話か。

あと、このコンピと同時に、コンピには未収録の同タイトルのトラックも公開されている。これがどぎついレイヴィーなアシッド・チューンなのであわせて聴きたい。
ところで「ヤサイマシマシッド」を改めて聴いて気づいたけど、これってきっと「ムジナ2」だよね?(笑)


Tracklist:
01. Glay Stork
02. Orange
03. ヤサイマシマシッド
04. Otoha Clash
05. Buff Clan
06. Pyper Luw
07. ときめきTonight
08. Kick It!!

Jackmaster YOSHIKI is Dead by tecra/Jackmaster YOSHIKI

Tracklist:
01. Jackmaster YOSHIKI is Dead

Johannes Heil ‎- Lifesigns EP 

Artist: Johannes Heil
Title: Lifesigns EP
Label: Figure
Catalog#: FIGURE44
Format: MP3
Released: 2013
[試聴]
[Amazon.co.jp] [iTunes Store]
Johannes Heilが2013年2月にLen FakiのレーベルFigureから出したシングル。
Johannes Heilは、2000年前後にハードミニマルを好んで聴いていたひとたちなら名前を憶えていることだろう。Heiko LauxのレーベルKanzleramtからハードテクノやエレクトロを量産していたドイツのプロデューサーで、近年はCocoonあたりでぬったりとしたミニマルをやっていたが、イマイチぱっとしなかった。
で、今回はFigureからのリリースということもあり、かつてのハードテクノの手法に再び立ち返った作風となっている。ベルリン地下テクノ主流の "ハードなミニマル" ではなく "ハードミニマル" になってしまってるのはご愛嬌といったところか。しかしこれ、昔の自身の作品よりもよっぽどミニマリスティックになっていて、特に#4「Lifesigns Pt. 2」なんて往年の雰囲気バリバリ。勝手にJohannes Heil復活で賞をあげます。

Tracklist:
01. Lifesigns Pt. 3
02. Lifesigns Pt. 4
03. Lifesigns Pt. 1
04. Lifesigns Pt. 2

Joris Voorn vs Moby - After The After 

Artist: Joris Voorn vs Moby
Title: After The After
Label: Rejected
Catalog#: REJLTD002
Format: MP3
Released: 2011
[試聴]
[Amazon.co.jp] [iTunes Store]
Mobyの昨年のアルバム『Destroye』収録曲「After」を何故かJoris Voornがリミックス(リメイク?)してクリア・ヴィニールの片面12インチでリリース(ファイル版もあるよ)。ここ最近のJoris Voornらしい、カッチリとしたグルーヴィーなテックハウスとなっています。原曲のカケラも残っていませんが(ヴォコーダーっぽいヴォイスを味付け程度にサンプリングしてるだけ、かな?)、それでいーんです。Joris Voornには早く現在のディスコ・サンプリング・テックハウス路線でアルバム作って欲しいものです。
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John Tejada - Parabolas 

Artist: John Tejada
Title: Parabolas
Label: Kompakt
Catalog#: KOMPAKT CD 93
Format: MP3
Released: 2011
[試聴]
[Amazon.co.jp] [iTunes Store]
近年のKompaktのシューゲイザー路線には正直言って食傷気味だったのだが、John Tejadaの新作はテクノテクノしていて良かった。先行シングル『Unstable Condition』を聴いたときは、アルバムはもっとシカゴっぽいミニマル/テックハウスになるのかと思ったが、ふたを開けてみると、むしろ牧歌的で叙情感のあるデトロイト寄りのエレクトロやディープハウスに満ちている。いくつかのアンビエント楽曲もアルバムの中で存在感を主張している。全体的に柔らかさのある、聴いていて疲れない良いアルバムだと思います。
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