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 2006年01月 

Takkyu Ishino - A Pack To The Future (Loopa/Ki/oon/2005) 

今日は今さらながら、ちょっと恐い話から。
ホリエモンって自民党にとっては先の衆院選の歴史的大勝の最大の功労者だったわけだから、そうやすやすと地検に売り渡されるとは考えてなかったんじゃないかな。
ホリエモン側は衆院選出馬の条件としてNHK民営化の際の取り分について持ち出したという話も伝わって来てるけど、それに対し自民党の公認の条件がホリエモンがライブドア社長を辞めることだったそうだから、自民党幹部はその時点で地検が動いてることを知ってたのかも。結局ホリエモンは社長を辞めず、選挙には無所属として出たわけやけど、これはNHK民営化の際はライブドア(と言うかホリエモン)も一枚噛むということで合意したとも見て取れる。
にもかかわらず、今回ホリエモンが自民党に裏切られ見捨てられた背景には、それ以上に大きな圧力が自民党にかかったということかも知れない。
そもそも郵政とNHKの2つの民営化を以前から自民党にせまっていたのはアメリカ財界(に動かされたアメリカ政府)な訳で、アメリカ財界としてはホリエモンみたいな馬の骨は将来手に入れるつもりでいるNHKという巨財を前にした目の前のたんこぶ状態だったはず。だとするとホリエモン排除のため自民党に圧力をかけたのは…。
もしもこのエントリを最後にこのblogの更新がストップしたときは、“消された”と思って下さい(笑)。

さて、今日の本題。
ミックスCD出るって話聞いたときは、今風のクリック、アシッド、ディスコって感じにするんだろなあ、と勝手に想像してた卓球先生の新ミックスCDをやっとこさ買って聴きましたよ。
私の予想は半分ハズレで、全体的にはエレクトロ、ディスコ、ロックにアシッド極少々って感じでクリック成分はゼロでした。
前半戦の地味ながらもファンキーなエレクトロから、trk08~10の、mats3003さんの言葉を借りれば“Rocker以降”なトラックが3つ続くあたりがひとつめの盛り上がり場かと。
あとはラスト近くのMeloboy「Hot Love (DJ Koze Mix)」のアシッドが、自分的にグッとクるところ。
このひとって基本的にぐねんぐねんうねったグルーヴが好みのようで、それはこのDJミックスからもにじみ出ております。直線的な突っ走るグルーヴって、なかなか卓球からは出て来ないんですな。まあ便利なひとことで言えばファンキー。
変態なのかひねくれてるのかその両方なのか、よくわかりませんが(いや、わかるけどな)。

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Underground Resistance - Interstellar Fugitives 2: Destruction Of Order (UR/Underground Gallery/2005) 

先ずはこのインタヴューを読んでほしい。
saround > INTERVIEW > UR >>

今回のUR7年振りの2ndアルバムは、昨年の6月から1ヵ月、何と神戸に滞在して制作されたという!
ナンダ、Mad Mike、近くに来てたんだったら教えてくれたら良かったのに、飯ぐらい奢ったで(←ウソです。例えたまたま乗った電車でとなりにMad Mikeが座ってたとしても、とても話しかける勇気はありません)。

で、音楽的には、個人的には好きな曲やグッとクる曲もあれば何だコレ?的なハズレ好みじゃない曲もありで、悪いけど正直玉石混淆な全34曲。
そんな中、ヴェテランSuburban KnightとUR新世代DJ S2が、種類は違うけどそれぞれ非常に良い仕事をしていて、さすが。Suburban Knightはもう外しようのない、クォリティの高い魂を突き動かすダーク・ファンク。一方DJ S2は、怖いもの知らずな若い勢いをすごく感じる直球ダンス・トラック。
それと1曲だけだけど、Aux 88Direct Beatから新たにURに加入したDJ Dijitalのトラックが、ベタだけどハードなエレクトロでカッチョイイね。
でもいちばん良かったのは御大Mad Mikeの「Attack of the Sonic Samurai (The Battle Within)」でした。

まあ、今回のこのアルバムの意義や価値は、いずれ歴史が評価してくれることでしょう。で、今を生きる吾々としては、まず新たなURの門出と、このデトロイト=ニホン・コネクションに興奮と喜びを感じようではありませんか。
変質だ転向だと言われている昨今のURですが、より多くのニホンのリスナーにURの音楽が届くことになったことは、例え転向であったとしても意味があるのではないかなあ、というのが私の考えです。

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Underground Resistance - Interstellar Fugitives (UR/1998) 

ハードコア時代の初期作品集リリースから6年、ようやくリリースされたURのオリジナル1stアルバムは、Mad Mikeを中心に、Jeff MillsRobert Hood脱退後に勢力拡大した新たな構成員たちの作品を集めたもの。これをURレーベルのコンピレーションではなくURのオリジナル・アルバムであると表明することで、URとは特定のメンバーによるプロジェクトではなく、URという旗の下に集った星間逃亡者達の集合体であることが明らかにされたのである。

音楽的には、デトロイト市内でのパーティーシーンで圧倒的な盛り上がりを見せていたゲットーベースの影響を色濃く感じさせる高速エレクトロが中心。ただしアタマの悪そうなアッパーかつチーズィーな感じは全くなくて、あくまでシリアスで暗黒、攻撃的なんだけど粘着質なファンクネス。
そんな中、個人的にはURの039番、Andre Hollandの諸楽曲がピュア・エレクトロで出色の出来なのではと。

なお、このアルバムは昨年末、URの2ndアルバムである『Interstellar Fugitives 2: Destruction Of Order』リリースと同時に再発されたが、そこでは2002年3月に他界したDrexciyaによる2曲が、UR「Talking To Z」とChaos「Contact Killer」にそれぞれ差し替えられている。Mad Mikeによると「死してなお、逃亡者のラインナップに加えておくことはしたくない。」とのことだが、穿った見方をすると、近々Drexciyaの作品集がニホン盤でリリースされる計画があることを示唆しているのでは。て言うか、そうだったらいいなあ(笑)。
何回も書いてるけど、頼むから『The Quest』再発するかニホン独自企画盤でもいいからDrexciyaのベスト出してくれよぉMikeさ~ん。

試聴(2005年再発盤) >>
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Underground Resistance - Revolution For Change (UR/Network/1992) 

Hard Music From A Hard City!
1990年から1991年あたりの12インチからコンパイルされたURの初期作品集。
当時のURの構成員はMad Mike、Jeff Mills、Robert Noise (aka Robert Hood) の3人だったのですが、実質音作りをしてるのはMikeとJeffの2人。ジャケにもRob Hoodは写ってませんね。というのも、当時彼はMCでしたから。

最初期の「Sometimes I Feel Like」や「The Theory」といった後のG2G路線につながりそうなハウシーな作品も良いんだけど、やはり「Riot」「Punisher」そして「Sonic Destroyer」といったハードコア路線こそ初期UR! でも今から思うと、この当時のURのハードコア路線ってJeff Millsが担っていた部分が大きかったんじゃないかなあ。
特にtrk12のユトレヒトでのライヴ音源が、オーディエンスを煽動するRob HoodのMCがやたらとカッコ良い。田中フミヤもこのMCの部分をDJで使ったり、もっと有名なのは初期URのハードコアサウンドに衝撃を受けて音楽活動を始めたというAlec Empireがサンプリングしたりもしてますな。

この頃はMikeも海外ライセンスに積極的で、このアルバムにしてもそうだけど、前年に出たX-101もドイツTresorからで(Tresorの1番!)、ニホンのAlfaにもライセンスされている。
なお、私が所有しているこのCDはUK Network盤ですが、NO CATEGORIZEのレヴューページに、当時のニホンAlfa担当者による興味深いエピソードが記載されていて一見の価値アリ。
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DJ Godfather - Da Bomb Volume 6 (Databass/2003) 

トリノオリンピックの開会式の音楽をRichie Hawtinが担当するそうな。
bounce.com > トリノ冬季五輪、開会式にてRICHIE HAWTINが音楽を担当 >>
アテネオリンピックのBjorkTiestoにも度肝を抜かれたけど、まさかRichie Hawtinとはねえ。もうすっかりオーヴァーグラウンドなひとなんだなあ…。
いや、でもこれで、トリノオリンピックにフィギュア以外の(笑)楽しみが出来ましたわ。

Technasiaのニューアルバム『Popsoda』にも参加しているDJ GodfatherのDJミックスCD『Da Bomb』シリーズがHMVのサイトに置いてあったので、とりあえずいちばん新しいVol.6を注文…したのが11月初め。んで、吾家に届けられたのが今年に入ってから。もう忘れてた…って言うか諦めてた(笑)。あ、コレ、やっぱりCD-Rだったのね。
んまあ、内容はいつものゲットーテックなわけですが、バトルDJ並みのスクラッチの嵐の中、例によってオーヴァー180BPMの高速4つ打ちエレクトロが最初から最後までぶっ通しで打ち鳴らされるぅ!
聴いてるとだんだんうんざりしてくるくらいに一本調子なんだけど、時たま、何もかも忘れてブッ飛びたくなるくらいに、もんのすごくカッコイイ瞬間があるんだよなあ。って、ゲットーテックの魅力はそんなとこ。
値段も安いし、好きモノには是非是非。
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Abe Duque - American Gigolo II: The Best Of International Deejay Gigolo Records (Gigolo/2006) 

mats3003さんのsouthern fried records(ほぼ)オールカタログレビューに触発されて、私も近々某レーベルのオールカタログ・レヴューを始めようと計画中。
て言うか、以前からやりたいなとは思ってたんだけど、先の永さを想像するだけでうんざりしてしまって…。なので、飛び飛びでちょっとずつ書いて行こうかなと。
ちなみに、どこのレーベルを取り上げるかはまだヒミツ(はあと)。

DJ Hellが今最も信頼を置くパートナーであるAbe Duqueによる、Gigolo音源を使用した、エレクトロ・ディスコな感覚を通過したワイルドでダーティーなネオアシッド・シーン(そんなシーンがあるのかどうかは知らないけど)の直球ド真ん中ミックス。ざらついたヘヴィなアシッド・サウンドと初期シカゴハウスの持っていたジャック感覚が満載(Jeff Millsの珍しいディスコ・ハウス「Move Your Body」も収録)。
ぼちぼちニホンのレコード屋さんにも並び出すのではないかなあ。オススメ。

DJ HellもGigoloも昨年あたりからアシッドづいてますが、Abe Duque(以前のレヴュー: Abe Duque『So Underground It Hurts』>>)は間違いなくそのキーパーソンと思われます。

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Underworld - Live In Tokyo 25th November 2005 (underworldlive.com/2005) 

Electraglide 2005会場でのみ予約販売された、UnderworldのElectraglide 2005東京会場でのライヴを丸々収録した3枚組CD。話によると東京・大阪の2会場で7000枚を売ったらしいですわ。
私はElectraglide 2005には行かなかったんだけど、nowhereのlunemusique様が会ったこともない私の分まで予約して来てくれました。lunemusiqueさん、本っ当にありがとうございました! 感謝! Liebe!!
もうlunemusiqueさんには足向けて寝れないです。

Electraglide 2005に行ったひとのレポートなんか読んでると、Underworldのライヴについてはイマイチだったって意見が多いように感じたのですが…いいじゃんか、このアルバム!
私は今まで、Underworldのアルバムの中で一番好きなのは、かつて無料ネット・リリースされていた『Bootleg Babies』(以前のレヴュー >>)だったんだけど、今回このアルバムがそれを超えたかもね。
ほぼベスト盤的な最強の選曲(そりゃ3時間もライヴやったらそうなるわな)なんだけど、「Rez」とか「Born Slippy (Nuxx)」みたいな超有名曲を前半~中盤までに持って来るという潔い構成にも好感が持てるし、後半戦のミニマルなクラブノリのバキバキな部分も良し!
何でコレ現場で聴いてイマイチなんかなあ、と疑問ですが、思い当たる原因の1つとして、ツカミを外してしまってる部分が挙げられるかもしれません。1曲目はネット・リリースされた「JAL To Tokyo」なんですが、この曲、新曲とはいえまだまだリスナーには浸透していないだろうし、第一ロービートで地味だ。でもその後はじわじわぐいぐい盛り上げていく、ベテランの味すら感じたけどなあ。ピコピコ、コロコロしたブリープ系の音色が最近の好みなのか、ライヴ中に多用してたのも印象的でした。
CD3枚を一気に聴くのは中々しんどいけど、個人的には『Underworld 1992-2002』よりも『Everything, Everything』よりも、そして『Bootleg Babies』よりも、これ。

それにしても、「Rez」は何回聴いても鳥肌が立つ…。
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人生 (ZIN-SÄY!) - Substance III + Substance V (ナゴムカンパニー/1992) 

人生のベスト盤が出るそうな。
bounce.com > 人生のベスト・アルバムが3月23日にリリース >>
何で今さら、と一瞬思ったが、これはアレか? 最近のグループ魂の露出に触発された潜在的な80年代世代の中から人生待望論でも湧き出して来たと解釈していいのか?
えっと、あのー、クドカンも阿部サダヲも好きなんだけどグループ魂には個人的にあんまり魅力を感じないのって、やはり人生を知ってる所為だと思うんすよね。

一応人生について軽く説明しとくと、1984年に当時高校生だった石野卓球とおばば(EX分度器)を中心に結成されたバンドで、1989年までの5年間活動。そのメンバーは流動性を保ちつつ、一瞬でもメンバーだった者を含めると20人を超える名前が連なる。ピエール瀧(当時の芸名は“畳三郎”)もすみっこの方に在籍していたことから、電気グルーヴの前身バンドという認識が一般的でしょうな。

音楽的にはお笑いテクノポップ・バンドと思われがちな人生ですが、実際にはもっとパンキッシュ、と言うかほぼハードコア・パンク。特に私の大好きな「エビなげハイジャンプ」なんて聴くと、ジャパニーズ・メロコア・バンドの先駆け、と言えないこともない(言い過ぎです)。他にも「嫌、やめてよ」とか「We're The 明大前」とか、後の電気グルーヴ「N.O.」なんかにつながりそうな、泣きの入ったポップなメロディはさすが。
まあ、New Order「Blue Monday」に影響を受けたとおぼしき「オールナイトロング」なんかは、ニュウウェイヴィーなエレポップ・ディスコなんだけど。あ、キン○マが右に寄っちゃった~♪

(コホン)えーさて、今回出ると言うベスト盤については、まだ収録曲の発表もない状態なんですが、この人生全曲集である『Substance III』と『Substance V』の2枚さえ持ってたら、特に買う必要もないじゃんねえ、なんて思ってしまうわけです。ただし、曲順や曲間まで卓球先生自らの入魂の選曲らしいので、どんな仕上がりになってるかは気になるところ。
未発表のライヴ音源とかレアトラックが収録されたら間違いなく買っちゃう!
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ソウル・フラワー・モノノケ・サミット - アジール・チンドン (Soul Flower/Respect/1995) 

例の地震から、気付けば今日で11年。
昔も今も大阪に住んでいる私にとって阪神淡路大震災の被害といったら、部屋に積み上げられていたCDの山とスピーカーが倒れたぐらいのもので、それでも地震直後しばらくは家族でひとつの部屋に集まってTVの地震情報を注視したものでした。その後私は2度寝したのですが、改めて朝起きて、TVに写る神戸の街の惨状を初めて見たときの、背筋の凍るような感覚は今も鮮明に覚えています。
そして、この時期になると必ず聴きたくなる…と言うよりも、自然と頭の中に流れる歌があります。

ソウル・フラワー・ユニオンの「満月の夕」。

被災地で歌うため、電気楽器に依存しているロックバンドの限界にさっさと見切りをつけ、アンプラグドな楽器に持ち替えた彼らの面白いところは、アコースティックギターなどではなく三線やチンドンを手にしたところ。
そんな彼らの被災地を巡る活動の中で、心の底から生まれた煮えたぎる情念を、美しくもドライな、客観的な視点に昇華させた名曲が「満月の夕」だと思うのです。

と、ここまで書いておきながら、実はこのアルバム『アジール・チンドン』には「満月の夕」は収録されていないのですが、元々ロックバンドだったソウル・フラワー・ユニオンの面々が、被災地をドサ回りする別動チンドン・ユニット“ソウル・フラワー・モノノケ・サミット”としての活動を通じて、まさに絶望の土地の中で鍛え上げられたニホンの民謡やはやり歌、労働歌などのレパートリーの中から、ノリが良くてコミカルな部分も感じさせつつ、圧倒的な説得力と強さを持って迫って来る珠玉の9曲が纏められています。
何より、このアルバムを聴くと元気が湧いて来る、そんな1枚。

(※ このエントリを書いてるのは17日の夜ですが、地震の発生した“5:46”でUPしておきます。)
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Phuture and other classics from DJ Pierre - Trax Classix (Trax/2005) 

仕事でよく行く隣県のJR某S駅前に、いつの間にか新しく空港ができおり、そこにフランスに移籍したばかりの大黒が自家用ジェットで乗り付けて来るのを目撃しました。
私はそこで何をしていたのかと言うと、駅前のロータリーで、家族や昔の仲間たちとバーベキューや豚汁を作って屋外で宴会。私はちょっと暑くなってきたので酔い覚ましに宴席を離れ、駅の改札出てすぐの木のベンチに座ってたところ、大黒がジェット機から降りてこちらに歩いて来たのでした。
周りの人で大黒に気づいてる人はあまりいない様子でしたが、私は「大黒や、大黒や。」と心の中で思いながら仲間たちのほうを振り向くと、遠くの方で相変わらず宴たけなわ。
そうこうしてるうちに大黒は私の前を通って、バス乗場のほうへと去っていきました…。

…というわけのわからない夢を見たのですが、例によって夢判断は遠慮します。

昨年あたりから再発、リイシュー・ラッシュな感じのTrax Recordsですが、
CTXCD5007: Frankie Knuckles
CTXCD5011: Armando以前のレヴュー >>
CTXCD5012: Farley Jackmaster Funk以前のレヴュー >>
CTXCD5013: Joey Beltram以前のレヴュー >>
CTXCD5015: Master C & J featuring Liz Torres
に続くコンピレーション・シリーズ“Trax Classix”の新作は、DJ Pierre
言わずもがな、この世にアシッドハウスを生み落とした、ゴッドファーザー・オブ・アシッドハウス!
アシッドハウスは壊れたTB-303から偶然に誕生した、というあまりにも有名な逸話の真偽の程は定かではありませんが、彼の作ったウニョウニョビヨビヨした、到底この世のものとは思えないサイケデリックなハウス・トラックのデモテープは、シカゴのディスコDJロン・ハーディーによってヘヴィープレイされ続け、いつしか“ロン・ハーディーのアシッド・トラックス”と呼ばれるようになったのが1985年頃(よって昨年はアシッドハウス生誕20周年の年だったんですね!)。その後Traxから「Acid Trax」というタイトルでレコード化されたのが1987年、アシッドハウスがUKに飛び火したのが1988~89年で、その頃にはレイヴとも共振しながら、シカゴ発のアシッドハウス・エクスプロージョンはまたたく間に世界中に広まっていったのでした。

とまあ、うんちくはこの辺にしといてこのCDを聴いた感想なんですが、「音、悪っ!!」。
当時のマスターテープなんて当然のように残ってなくてヴァイナルをマスターにしてるらしいですが、12インチってこんなに音悪かったっけ!?
それでも前述の「Acid Trax」(一応リマスター・ヴァージョンらしい…)の12分近くある基地外ロング・トリップは実にシンプルな構成のアシッドハウスの基本中の基本と言えるトラックなだけに、換言すれば、アシッドの全てはこの中にあると言っても過言ではないでしょう。
もし未聴のテクノファンがいたら、テクノの歴史を知るために…とかじゃなくて、ただただ自らの快楽原則に従ってのみ、聴いてくれ。

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Plastique de Rêve - Nekobus EP (Sweet Smelling Surfaces/2005) 

実は僕らの年代ってジブリ映画で育った第1世代だと思うんですが、例に違わず私もジブリ作品は大好きです。何なら宮崎駿原理主義と言ってしまっても良い。
何せ、『魔女の宅急便』の舞台が見たくてポルトガルまで行ったくらいですから!
(本当は、例の“海の見える街”の全体像がポルトガルのポルトをモデルにしたのは正解みたいですが、街のディテールなどはスウェーデンのストックホルムなどがモデルのようです。あと、キキが下宿してた“グーチョキパン店”そっくりのパン屋がオーストラリアのタスマニアにあるんだって!)

そんな私の見逃せないリリースをMusic Forestのmasayukiさんが取り上げてたので、こそっと便乗。
Sweet Smelling Surfaces (SSS) というフランスのネットレーベルの033番で、Plastique de Rêveのその名も『ネコバスEP』!
M1「To-To-Ro」が、EPのタイトルとジャケットからもわかるように『となりのトトロ』ネタのエレクトリックハウスなんだけど、まあ、これはそれなりの出来。
私が強くオススメしたいのは、M3の「Aow」というトラックで、これがエレクトロニックでハードエッジなテクノっぽいエレクトロで、カッコイイんですよ。
最近このテのテクノって少なくなったから、今こそ聴いてもらいたいですね。ちなみに、この曲はトトロネタでも何でもないです。

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VA - Sub Rosa vs. Kompakt (Sub Rosa/1999) 

結局俺の昨年の別れは、整骨院の俺担当の先生1人だけだったことが判明したびびんば改め“(ビビン”です。
本日は、2ヵ月ほど待たされた挙げ句、年の瀬の12月30日にようやくAmazon.co.jpから届いた、ベルギーのSub Rosaとドイツの●KOMPAKTによる1999年のレーベル対バン企画盤をご紹介します。

と言っても、トラックリストを見ても、M2、M5、M8、M9、M11が●KOMPAKTからの曲であることはわかるのですが、その他の“vs.”の付いた曲は、●KOMPAKTのアーティストの曲をSub Rosaのアーティストがリミックスしたということなのか、その逆にSub Rosaのアーティストの曲を●KOMPAKTのアーティストがリミックスしたのか、それとも●KOMPAKTのアーティストとSub Rosaのアーティストのコラボレーションなのか、イマイチ内容がよくわかりません。
なので、このコンピレーションについてご存知の方、教えて下さい。
何せ、●KOMPAKTは好きだけどSub Rosaについては全くフォローして来なかったもので。

ただ言えることは、●KOMPAKTのアーティストのソロ作品がやはり素晴らしいということ。
収録曲は●KOMPAKTの1stコンピ『Köln●Kompakt 1』(以前のレヴュー >>)とも2曲カブッてますが、Jürgen Paape、Freiland 2 (aka Wolfgang Voigt)、Michael Mayerあたりの曲は、最近のミニマルハウスのようなもっさり、まったりとしたグルーヴや、チャカポコしたヘンテコ電子音が今聴いても斬新。
テクノの歴史とモードをごくごくさりげなく塗り替えた、偉大なレーベルの最初期の空気が新鮮なまま真空パックされていることは間違いない。
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Ignition Technician - Social Services (Wedafuqawi/2004) 

おとついの晩、友達夫婦と4人でいつもの心斎橋のカジュアル・フレンチの店にご飯を食べに行って、気付けば昨日の昼過ぎまで友達夫婦の家で寝てました。どうもお邪魔しました&ごちそうさまでした。楽しかった。
そんなこんなで三連休も今日が最後です(涙)。

昨年のクリスマスにも心斎橋まで出かけたんですが、その時立ち寄ったCISCOでずっと欲しかったこのアルバムが再発されたのを見つけて、取りも直さずサクッと購入。
UserやKilla Bite以降のトライバル・ハードミニマル直系の重量感と疾走感のあるリズムに、シカゴ・ゲットーハウスなヴォイス・サンプルやラップを乗っけるという芸風のIgnition TechnicianによるCDアルバム。
ミックスされててドライヴ感も全開。
せっかくのCDメディアなのに45分弱という短さを除けば、様々なテクノDJがこぞって彼らのトラックをミックスCDに使うことも納得の、超お薦めハイクォリティ・ハードミニマル。

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DJ Exodus - For Tha Hardheadz: Recorded Live On Kryptic Radio (djexodus.net/2005) 

http://www.djexodus.net/hardheadz.mp3

DJ Exodus [dot] net >>

DJ Exodusと、このDJミックス音源については、先にこちらのエントリをどうぞ。

DJ Exodus - Hardhouse Generation (Underground Construction/Warlock/2005) 

幾度となくシカゴハウスを取り上げてる当“acid over the rainbow”ですが、Underground Construction (UC) については、名前は何回か挙げてるものの、作品を紹介するのはこれが初めてかも。

昨年末に連続して取り上げたCajual/ReliefやDance Mania以降の、シカゴ第三~第四世代の連中は、シカゴハウスにとどまらず、その音楽的触手を貪欲にあらゆる方面に伸ばし続けており、その結果として、当のシカゴ・ゲットーハウス・シーン自体は非常に手薄になってしまったというアンビバレンツな結果をもたらしてしまいました。
例えば、DJ Funkはゲットーテックへ、DJ Bam Bamはハードミニマル/ハードテクノへ、Frankie BonesやAngel Alanis(こいつらはNYの人間やけど)はDJ Rush直系のシカゴテクノへ、Badboy BillはJoey Beltramの敷いたハードディスコ路線へ、DJ IreneやChristian BはUKハードハウス/ユーロトランスへと…。
そんなシカゴ第三~第四世代をそもそも包括してたレーベルが、UCだったのです。

90年代に隆盛を誇ったUCもあえなく倒産し、今は亡きレーベルの仲間入りを果たしているわけですが、今回の2枚組CDは、そんなUCの音源を使用してDJ Exodusとかいうひとがミックスしたもの。
UCの音はシカゴハウスとは言いながらも、“USハードハウス”という、Robert Armaniの流れにあると思われるガバみたいな歪んだキックが特徴のハードコアっぽい音なんですが、実際、ガバ/ハードコアのシーンから見ると、UCみたいな音は“ハードスタイル”と呼ばれるそうです。
DJ ExodusもNYのハードコアDJらしくて、このミックスCDの序盤から中盤にかけては、パンピンでゲットーなハウス・テンポのハードスタイル・サウンドを聴かせてくれますが、終盤にかけてそのハードコアっぷりはどんどん増して行き、最後はYoji Biomehanikaばりのレイヴィーなハードダンス祭りへと様変わり。わけがわかりません。しかも2枚とも同様の展開です。アタマ悪そうです。
でもパワーありまっせ! 長いこと聴いてると少々うんざりしてくるのも確かですが。

DJ Exodusのハードスタイル~ハードコアなDJスタイルを体験したければ、こちらのDJミックス音源をどうぞ(ただし、かなりハードコア寄りですが)。
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Samantha Fox - 12 Inch Collection (BMG Japan/2004) 

昨日(5日)が仕事始めだったんですが、明日(7日)からさっそく三連休です。カレンダー通り(←めったにない)って素晴らしい! でもこれじゃ正月気分のままですよね。
皆さん年末年始はいかがお過ごしでしたか?
呑んだり、呑まれたり、アタマが痛くなって明日はもう呑まない!と心に決めたり、でも次の日にはすっかり忘れてまた呑んでしまったりしてましたか?(私のことではないですよ。)

これは昨年聴いた書き残しその1。
80年代のイギリスのポルノスター&ディスコクイーンSamantha Foxの、当時のクラブ・ヴァージョンをコンパイルしたニホン企画盤。
いかにも80年代なDX7系のデジタルシンセのドラムの音が時代を感じさせるところですが、私が食いついたのは、何曲かでアシッドハウスを取り入れてるところ。
アシッドハウスは、当時、いわゆるポップスの領域までも浸食してたんですね。
電気グルーヴがライヴでカヴァー(?)した「I Only Wanna Be With You」も、オリジナル・アシッドハウス風味にリメイクされてます。
このCDはおととしのリリースなので入手は容易ですが、アシッドハウス目当てに買うと失敗するのであえてオススメはしません。でも、中古で500~600円とかで売ってたら手に取ってみてもいいかも。

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Pizzicato Five - Expo 2001 (Columbia Triad/1993) 

□□TUNE - IN□□のkinyaさんに「テクノのアニキ」呼ばわりの称号を頂いたので(笑)、今年は歴史に埋もれた、あまり語られることのなくなった名盤(あくまで私のフィルターを通した)なんかもちょっとづつ紹介して行きたいと思います。
と言うのも、最近は手に入れ難いブツなんかは紹介するの避ける傾向にあったわけですが、考えてみると、私がテクノ聴き始めた10数年前は雑誌のディスクレヴューなんかで入手困難なものも構わずばんばん紹介されてて、「あ、昔こんなの出てたんや~。」と思いながら、聴きたくても聴けなくて悶々と過ごしたりしとりました。
そんな何とも言えない気持ちを、より多くの人に味わってもらいたいです(笑)。

てなわけで、ピチカートファイヴの93年のリミックス・アルバムですが、いや、スイマセン、これは多分今でも比較的容易に手に入りそう。
鄭東和富家哲らNYハウス勢(当時)も良い仕事してますが、ここではやはり記念すべき二ホン初のアシッド・トランスである、石野卓球による「Twiggy Twiggy」のリミックスを紹介せずにはいられません。
そういえばこの頃はまだ"Takkyu"ではなくて"TackQ"と表記してましたね。人生(Zin-Säy!)の頃の名残ですね。なつかしいですね。

で、「Twiggy Twiggy」はアルバム『女性上位時代』(1991)に収録された、This isピチカートファイヴなブレイクビーツがかっちょいい代表曲だと思いますが、これを卓球先生は、モロ初期Hardfloorの影響下にある、TB-303ビッキビキのアシッドでドープなロング・トリップに作り変えてしまった。
原曲、残ってません。
はっきり言って、野宮真貴のヴォイスサンプルを使っただけの、卓球ソロの新曲。
しかしこれが素晴らしくカッコイイ!
そしてこのリミックスが、同年末に発表された電気グルーヴの革新的アルバム『Vitamin』に収録された、ジャパニーズ・アシッドの巨頭「新幹線」の原型にもなったのであります。

さて、このヴァージョンをコニタン(小西康陽)が気に入ったのか気に入らなかったのかは定かではありませんが、その後コニタンから卓球にお声がかかることはなかったのでした…。
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OST - There's Something About Mary (Capitol/1998) 

あけましておめでとうございます。
今年もテクノを中心に、私びびんばのフィルターを通したオススメレコード、名盤、奇盤、珍盤を紹介して行きたいと思います。
とか言いながら、2006年第一弾は、テクノとはほとんど無関係な映画のサントラです(スイマセン)。

大晦日の夜、『紅白』観るのも嫌だったので、DVDで『メリーに首ったけ』を観てました。
私、この映画大好きなんです。
もっさい、ほとんどストーカー寸前の男が最後には勝つという、とてもとても夢とロマンのある(?)映画ですが、その随所にちりばめられた、ちょっと頭の固い生真面目な人なら激怒しかねない、ギリギリのギャグがたまらなく好きです。
でも、音楽が良いからこそこの映画の魅力も引き立っているんだよな。
エンディングの「Build Me Up Buttercup」が流れる頃にはもう笑い泣き状態ですが、このエンディングテーマは映像とともに楽しむべき。
このエンディングがこの映画の全てと言ってしまっても良いかも!

とまあ、相変わらずこんな感じのレヴューですが、今年もよろしくお願いします。
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