小沢健二 - 毎日の環境学 Ecology of Everyday Life (東芝EMI/2006) 

小沢健二の1stアルバム『犬は吠えるがキャラバンは進む』(現在は『dogs』と改題)が好きでした。
特に「天使達のシーン」という、とても詩的で、壮大で、そして切ない曲は、僕の中ではなにものにも代え難い1曲でした、たぶん今も。
LIFE』の頃の、王子様キャラで、まるで誰かへのあてつけかのようにTVに出まくってた頃は、無理してんなあ、と思いながらも、これからどこに向かおうとしてるのだろうと多少意地悪な興味を持って見続けていましたが、目的は達したのか飽きてしまったのか、メディアからは王子様キャラとともにさっさと姿をくらまし、『球体の奏でる音楽』でジャズに接近したかと思いきや、世の中はオザケンは“なかったもの”扱いでその姿も噂も目にすることはなくなり…。
僕もオザケンのことなんか忘れていた。
6年振りのアルバムだった前作『Eclectic』ではR&B的手法でドロドロと屈折した自らの内面をぶちまけていて、かつてのバカ騒ぎのことなんて遠い昔のような趣だった4年前…。

そんな小沢健二の新作が出ました。タイトルは『毎日の環境学』。
ヴォーカルレスのインストゥルメンタル作品という話題ばかりが先行してはおりますが、とても力の抜けたジャジーでラウンジーで、エレクトロニカも少々な、そんなリラックス出来る牧歌的な作品です。
歌ってなくてもその音の佇まいは明らかにオザケンなのが不思議。
遠回りせずにもっと早くこんな音楽、こんな芸風に着地してたらもっと良かったのに、とも思うが、気負いなくこういった音楽を作るのにそれだけの月日がかかったということなのかも。いやあ、いいですわ、このアルバム。

たぶん、おとなになったんだよ、オザケンも僕も。

(そうそう、オフィシャルサイトで連載(?)されているオザケンの小説は本当に素晴らしいので、ぜひ読んで欲しいのだけど、音楽をそれ以外のもので補完するということ自体は私はあまり好きではないので、レヴュー本文の中ではあえて触れませんでした。いっぺん、下のリンクから飛んでってみてください。)

Ecology of Everyday Life: Kenji Ozawa >>
Tracklisting >>
スポンサーサイト