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 2006年10月 

DJ Funk #1 - Pumpin' Tracks EP (Cosmic/1994) 

DJ Funk、正式名称 "ディージェー・ファンク・ナンバーワン" さんによるヒット・シングル。ロンドンのSteve Bicknellのレーベル "Cosmic" から。
このEP、多分ニホン国内だけでもかなりの枚数さばかれたと思われます。と言うのも、「Knock Knock」が卓球の『Mix-Up Vol.1』に使われて、「Pump It」がフミヤの『Mix-Up Vol.4』に使われて、それぞれヒットしましたからね~。
#A1「Low Energy」はRobert Armaniスタイルのシカゴハウス。Armaniよりも軽めのグルーヴが逆に良い。軽快で。
#A2「Knock Knock」は硬いパーカッションみたいなリズムが跳ねまくってる超ファンキーなトラックもの。初めて聴いたときはびっくりした。ゲットー感はほとんど希薄だけど、これは個人的にはDJ Funkの最高傑作!
#B1「Pump It」は"pump it!" ってヴォイスサンプルがひたすら連呼される。初めて聴いたときはびっくりした(笑)
#B2「Happy Feet」はチープなアシッドハウス。これもRobert Armaniスタイル(て言うかTraxmenスタイルか)。
このEPを聴くと、DJ FunkがRobert Armaniからいかに影響を受けているかがよくわかるなあ。

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Traxmen - Basement Traxx (Dance Mania/1994) 

シカゴ・ゲットー・サウンドと言えば、みんながまっ先に思い浮かべるレーベルがこの "Dance Mania" でしょう。1985年からリリースを開始し、そのカタログ数は本当に膨大で、全容を把握するのはきわめて困難です。
このDM 054のTraxmenは、Robert ArmaniとPaul Johnsonを中心とした流動的なメンバーで構成されているチーム。彼らは、ひたすらチープでひたすら粗悪でひたすらファンキーな最高のシットを数多く世に送り出すことに成功している。
このEPでは4曲をRobert Armaniが(Mark Bernerd=Robert Armaniだからね)、2曲をPaul Johnsonが担当。全編ドテドテとしたリズムがファンキーな、チープなアシッドハウス集。
かつてJeff Millsが使いまくった「Wet Floor」あたりは、聴いたことあるひとも多いはず。
価値あるゴミ・レコード!!

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Steve Poindexter - Work That Mutha Fucker (Muzique/1989) 

セイタカアワダチソウがきれいな季節、皆さんいかがお過ごしでしょうか。僕はブタクサと思われる花粉のせいで昨日からくしゃみが止まりましぇん。F**C花粉!!!

前回のエントリでシカゴ・クラシックスについて偉そうなことを書いたので、ついでに埋もれたシカゴ・クラシックスをいくつか取り上げよう、中古盤屋で叩き売りされている不遇のレコード達を救済しよう、と思ったのですが、よく考えると僕もシカゴ・クラシックスは比較的人気のある盤しか持っていないことに気付きました。と言う訳で、引き続きゲットー系シカゴハウスの重要盤(有名盤)をいくつか紹介していきます。

先ずはこれぞクラシック中のクラシック、というやつ。シカゴほぼ第1世代、"狂人" Steve Poindexterの代表作『Work That Mutha Fucker』(MR-001) です。故Armandoの主宰していたレーベル "Muzique Records" の第1弾リリース。
タイトル曲#A1「Work That Mutha Fucker」は、延々続く "work that m****r f****r" という男の声に、シャッフルの効いた刻まれるハットとズンドコ節のたたみかけるビートがめちゃくちゃファンキー。今は昔、まだ僕がシカゴ・アシッドも何も知らなかった頃、Cisco Osakaで突然このトラックがかかって、その場で購入したという思い出深い(?)1枚。
Steve Poindexterと言えば、色んなミックスCDやコンピに収録されまくってる#A2「Computer Madness」の方が有名かもしれない。こちらはミニマルなブリープ・シンセがアシッドに変化する様がイカレてる。
#B1「Chillin' With The "P"」と#B2「Born To Freak」は、ともに不穏な空気感に緊張を強いられるようなアシッドで、特に「Born To Freak」のドテドテしたファンキーなリズムとブチ切れたまま低空飛行するTB-303の絡み具合は正に狂人の音楽。
Muzique Recordsは最近Steve Poindexterの手により復活して、過去作品のEPをいくつかリリースしているけど、もう新作は出さないのかな?

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The DJ Fast Eddie - Jack To The Sound (DJ International/Westside/1988) 

061026_2.jpg月曜日からラマダン中のびびんばです。断ってるのはもっぱらアルコールのみです(休肝ウィークとも言う)。

突然ですが、シドイでしょ、このジャケ。裏面はもっとゴイスーですよ。ビシッとカッコつけちゃって。
シカゴ・クラシック、Fast Eddieの1stアルバム『Jack To The Sound』です。アーティスト・ネームは "The DJ Fast Eddie" ですよ。冠詞の意味がわかりません。
「Acid Thunder」や「Clap Your Hands」といったアシッドハウス・クラシックスが有名ですが、やはりこのアルバムのイチオシはヒップハウスのクラシックであり、おそらくゲットーハウスのルーツともなったであろう「Yo Yo Get Funky」でしょう!
80年代って、まだハウスとヒップホップの境界線が今と比べると曖昧で、互いのシーンの交流もあったわけですが、そんな中必然的に生まれたのがヒップハウス。ジャック・スタイルなどと呼ばれた当時のシカゴハウスのトラックにラップを乗っけたそのサウンドは、破壊力バツグン。ヨーロッパのレイヴカルチャーにも受け入れられ、ハードコアテクノの礎にもなったのであります。
ハウスとヒップホップのシーンが離れるにつれ、ヒップハウス自体も消えてなくなったのですが、実はハウスのBPMでラップできるラッパーがごくごく少なかった、という裏事情もあったそうです。
BPM早めのシカゴハウス・ビート、ブレイクビーツ、TB-303、ヴォイス・サンプル、そしてラップ、今聴くと新鮮すぎてめちゃくちゃカッコイイ!

特にニホンではデトロイト・クラシックスばかりをことさらありがたがる風潮が強いですが、テクノの歴史と成り立ちを考えると、シカゴ・クラシックスにももっと陽が当たるべきだと思います。誰か、ジャパンマネーで昔のシカゴハウスの再発を手がけてくれないだろうか。あっ、もしもこのFast EddieのアルバムをCD化するのなら、Double Troubleによるメガミックスを2つ収録したこのUK盤がオススメ。

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昼下がり、微笑みの貴公子を想う。 

遅れて来た韓流、nowhereのlunemusiqueさんより、ヨン様ツアーのお土産を頂きました。

あのヨン様靴下(レディース)を!!

"Yonsama" の文字がイカす。100パーセント、ニホン人しか買わねー。
使用例を同封してくれていたので、早速ヤッテミヨウ!

* びびぱんで1つずつはいてみる。

びびんば「おい、お前はけ。」
ぱんだ「いやや。」

...じゃあひとりではいてみるか。レディースなのでキツいな。

題名『残念なぺ・ヨンジュン』
(副題:ヨン様、ハムになる)

* 少し疲れた時にはいてみる。

最近少し疲れ気味だったから、ちょうど良かった(?)。えーっと...
先生、きゅうくつで、もっと疲れそうです!

* macのマウスにかぶせてみる。

先生、ポインタが動きません!

* 冬のソナタを見ながら、TVの横に置いて同時に眺める。

なるほど、メディアミックスですな(違う)。
よし、『冬ソナ』のDVDをセットして(何で持ってるねん)...。

ヨン様、しばらく見ない間にひげ濃くなったなあ。

ってこれミン・ジョンホやん! 『チャングム』やん! DVD間違えた!

* お料理の鍋つかみとして利用してみる。

ドーラえもーんー、ドーラえもーんー。

先生、つかめません!

...仕方がない。マングース@のだめにでもかぶせておくか。

lunemusiqueさん、ありがとうございました。この記事を持って、お礼と代えさせて頂きます。
(嘘です。約束のブツはきちんとお送りしますので気長に待ってて下さい!)

Cajmere vs Green Velvet - Sessions (Ministry Of Sound/2006) 

そして、シカゴハウス再評価の波を決定的に認識させられたのが、この『Sessions presents Cajmere vs Green Velvet』。MOSからここまで直球ど真ん中なシカゴハウスがリリースされるなんて、この10年間なかったことですよ。こんな状況、1年前には想像しなかったなあ(淡い期待はしてても)。

1枚目はCajmereによるソウルフルかつエレクトロニックなハウス・ミックス。ハウス、と言っても絶対一般受けしませんよ、これは。変態性がにじみ出しています。
そして2枚目はGreen Velvetによる(って同じひとですが)シカゴアシッド~エレクトロディスコ・ミックス。変態性はさらに増して、仏恥義理です。夜露四苦。1曲目のかのPhuture「Acid Tracks」のリメイク、DJ Pierre & Green Velvet「AcidTraxx 2」でいきなりトップギア。モードなエレクトロハウスなんかでアッパーにつなぎつつも、フックとなるトラックはあくまでテクノ経由後の変態シカゴもの。自身のトラックも多用しつつ、ラストのX2「Zata 1」のオールドスクールな雰囲気でキメ。いや~スバラシイ。
このCD2枚には、90年代以降のシカゴハウスの過去、そして未来がある。

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DJ Sneak - House Of Om (Om Records/2005) 

サンフランシスコのOm Recordsからリリースされた "シカゴハウスの伝説" DJ SneakのミックスCD。これが『House Of Om』シリーズの第1弾なのだそうです。詳しくはレーベル・サイトからコピペした説明文↓を。

Celebrating a decade of future music, Om Records presents the "House of Om" mix cd series. To start things off on the good foot, Om gives Chicago house music legend DJ Sneak the honors of volume one.

一時期、シカゴハウス第2~3世代の大御所が次々メジャー化して行った中で、Sneakの作品もいつしかヴォーカルハウスばかりになってしまって興味を失っていたときがあったんですけど、ここ数年、またトラックもの中心に戻って来ているようで、このミックスCDも、Kaskadeに代表される甘いヴォーカルハウスといったOm Recordsのイメージからはかけ離れた(言い過ぎか?)、アシッドもジャズもおかまいなしに、モロにシカゴなごっついファンキー・ビートを繰り出しています。それもそのはず、このミックスではOm Recordsの音源は1曲も使われていないそうで。。。
シカゴハウスの魅力は、何回も書いてるけどやはりあの独特のがちっとしたリズムで、どんな小手先のテクニックでも真似の出来ないファンキーなグルーヴは、これはもう血で作ってる、と言うべき他ないんじゃないかと思う。
個人的にはMOSのミックスCDシリーズ『Sessions』にSneakが起用されたあたりからシカゴハウス再評価が急激に進んだように感じているのですが、如何なものでしょうか。

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Cassius - 15 Again (Virgin/2006) 

ビデオに録ってたドラマ版『のだめカンタービレ』第1話、ようやく観ましたが、のだめがかなりよく出来ていて(再現されていて)びっくり。上野樹里がんばってる! シュトレーゼマンが竹中直人なのも何だか正解のような気がして来た。何かその分、千秋先輩は残念な出来です。。。

90年代後半にフレンチ・ハウスが騒がれた頃、あまり熱心なリスナーじゃなかったけど、それでもMotorbass『Pansoul』(1996)、Daft Punk『Homework』(1997)、Bob Sinclar『Paradise』(1998)、VA『Super Discount』(1998) あたりは結構好きでよく聴いていた。そんな流れでCassiusの1stアルバム『1999』(1999) が出たものだから、やはりフィルター・ハウスを期待して聴いたものの、どうにもエレクトロ・ファンク成分が強すぎて、それ以降はAlex Gpher『You, My Baby & I』(1999) もEtienne De Crécy『Tempovision』(2000)もCassiusの2nd『Au Rêve』(2002)も、いちばん好きだったはずのBob Sinclarの『Champs Elysées』(2001) や『III』(2003) さえも、全く聴いていなかったのでした。

まあそんな前フリはどうでも良くて、今回のCassiusの3rdアルバム『15 Again』、何で聴く気になったかと言うと、アシッドをやってるから。アシッド好きの血が騒いだという、極々単純な理由です。
先行シングルの#01「Toop Toop」だけアッパーなエレクトロ・パンクでこのアルバムから浮いてる気がしますが、それ以降の曲は結構ディープ目のディスコ・ファンク。
注目は先に書いた通り、#09「Jackrock」、#10「Cactus」、#11「La Notte」のアルバム終盤のアシッド3連曲。TB-303風のビキビキッとしたシンセ(エミュレーターかな?)と黒いオールドスクールなリズムが結構格好良い出来です。
今年はシカゴハウス再評価が多方面から進んでいる感じがするのですが、これもその一端なのかなあ?

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Basement Jaxx - Crazy Itch Radio (XL/2006) 

僕がいまだにBasement Jaxxを聴き続けてるのって、間違いなく初期の「Fly Life」とか「Samba Magic」っていう神がかり的に素晴らしい曲達のトラウマを引きずってるからだと思うんですよね。
彼らは相変わらず精力的なリリースを続けているものの、近作はあまりにも下世話に過ぎるし俗っぽいし、彼らの魅力であろうごった煮感と情報量の多さも、僕には暑苦しく感じてしまって、個人的にはあまりしっくり来ない、というのが正直な感想です。
今作はラジオ仕立てのアルバムで、相変わらずディスコ、ファンク、R&Bといったハウスの枠からはみ出た、にぎやかで、おもちゃ箱をひっくり返したと思ったらそれはごみ箱だった、みたいな雑食性。グッとクる曲やおもしろいなあと思う曲もいくつかあるんだけど、やはり何回も聴き返したいかと聞かれれば、そんなことはないかなあ、というアルバムです。
彼らもアーティストとして、自分達のやりたい音楽性を追求しているのだと信じたいし、ここまで "俗" にこだわって音楽を作り続ける姿勢はさすがだなあとは思います。
悪くない、かも知れないけど。単に今の気分じゃない、ってことなのかなあ。
もっとシンプルな、昔のようなハウス・トラックはもう作ってくれないのかなあ。

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VA - Copenhagen Airport: Feel the Nordic Beat (Geneon Entertainment/2005) 

キャンベルカップ(日米対抗フィギュア2006)見ましたか? 真央ちゃんが縦に伸びてたのとミキティが横に縮んでたのにびっくりでした。
(いつもこのblogを見てくれているひとの中でフィギュアスケート・ファンは皆無っぽいので、今日のマクラ文は(も?)独り言です。)

8月に京都に行った時に王子に頂戴した北欧ラウンジ・ハウスのコンピレーション。
この『Copenhagen Airport』って、僕は知らなかったんですけどシリーズ化されているらしくて、これは過去の作品からのよりぬきベスト的なもので、ニホン独自編集盤みたいです。
あの普段はドロドロにサイケデリックな作風のJohn Dahlbackも含めて、ここにはジャズ風味やラウンジ風味で、だけど硬めの質感が気持ち良いテックハウス・トラックが満載。
クルマよりはおうち向き、かな。
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Karafuto and Yoshiki - Patch Works EP 1 (Torema/2006) 

● とれまレコード特集: TRM 026 (2006)

Tracklisting:
A1. i just meet
A2. leaving house
B1. nichie(y)
B2. in 32 games

とれまからは016番(過去レビュー >>)以来約10年振りのリリースとなるカラフト、今回は古くからのとれまクルーであるYoshikiとコラボレート。Yoshikiとしてはデビュー作に当たる、のかな? とれまのカタログに田中フミヤ以外の人間の名前が載るのもAkio Milan Paak(過去レビュー >>)以来約10年振りのこと。事件事件!

ヒジョーにスカスカな音数の少ないミニマル・トラックスなんですが、繊細でトリッキーなプログラミングが何ともヘンテコな空気感を醸し出しています。
フミヤの近作にしては珍しく、あまりねばっこいグルーヴは出していなくて、どちらかと言えばBasic Channelのような淡々としたグルーヴが感じられます。

Yoshikiはこのあとop.discからAkiko Kiyamaとのカップリングでシングルをリリースしたし、これからはトラックメイカーとして活動するのかな? 楽しみにしています。

そんなこんなでとれま特集はひとまずこれでおしまい。新しいリリースがあればまた紹介したいと思います。

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<< とれまレコード特集 INDEX

宇多田ヒカル - ぼくはくま (みんなのうた/2006) 


早くもわが家の2006年度下半期ベストヒット賞決定か!?
ここ数日ヘヴィーローテーションです。
って、相方がずっと歌ってるだけですが。

Message from Utada Hikaruに度々登場するくまちゃん(Made In Chinaなので本名チャン・くま)のうた。今月からNHK『みんなのうた』で放送されています。
なんかいいなあ、とか思ってたら、シングルも出るんですか。次のアルバムには入らないだろうから、聴きたきゃシングル買えってことですか、そうですか。買うなら当然絵本付きの方ですね。
でも発売日の11月22日にはすでに飽きてそうな悪寒も(笑)

ぼくはくま ぼくはくま
宇多田ヒカル (2006/11/22)
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Barem - Campo Madness EP (foundsound/2006) 

フィラデルフィアのSomeone Elseガラミのレーベルfoundsound records。アナログリリースと同時に各オンラインショップでMP3の販売もしているにもかかわらず、オフィシャルサイトからも常にMP3で無料でダウンロード出来るという、一応ネットレーベルと呼んで良いのだろうけど、かなり謎な行動をしでかしているレーベルです。
テクノ系のネットレーベルって何故かクリック/ミニマルが本当に多いように思いますが、このレーベルもご多分に漏れずクリック/ミニマル。しかしクォリティはめちゃくちゃ高くて、今んとこ10枚出ているEPにはいっさいハズレなし。
今回紹介するのはこのレーベルの1つ前のリリースであるBaremというひとの『Campo Madness EP』というシングル...の、アナログには収録されていないボートラ「Cilindro」のFusiphormってひとのリミックス・ヴァージョン。
この曲はねー、ボスボスとした無愛想なリズムとチャカポコとしたヘンテコな電子音の組み合わせが、昔Wolfgang Voigt (a.k.a. Mike Ink) が運営していたクリック/ミニマルの始祖とも言うべきProfanってレーベルの音を思い起こさせるハウシーなグルーヴの純テクノ。まあ、僕のトラウマを大いに刺激する僕好みのトラックってことで、タダで聴ける(&ゲトれる)のでいっぺん聴いてみてー。
オススメ。

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VA - Sacred Symbols Of Mu (Planet Mu/2006) 

Mike Paradinas (a.k.a. μ-Ziq) のPlanet Muから、お得なCD2枚組レーベル・サンプラー。これタワレコで税込1,040円っすよ、まさに生活応援価格ですよ。
ブレイクコア、グライム、ダブ・ステップ、ラガ・ジャングルといったブレイクビーツ・ミュージックの最前衛(極北ともいう)を余すことなく集められていて、もうお腹いっぱい。
まあ、僕の大好きなLuke Vibert (#1-07) とSoundMurderer & SK-1 (#2-05) が参加しているので買ったようなものでしたが、今回はShitmat (#1-02) のアーメン凶悪ハーコー・トラックに撃沈。
Shitmatすげーわ。

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Red Snapper - Reeled And Skinned (Flaw/Warp/SMEJ/1995) 

061011.jpg今日も@TOWER.JPとHMVからCDが届いたのですが、いつもの佐川急便のおっちゃんに「いつもありがとうございます。」って言われました。もう完全に覚えられたな...。いや、こちらこそいつも夜遅い時間指定ばかりでスイマセン。

これは1994年から1995年にかけてFlaw Recordingsよりリリースされた3枚のEPをまとめたRed Snapperの初期音源集。実は持ってなくて、先日ニホン盤を中古で手に入れました。
Red Snapperは一応純然たるジャズバンドではあるのだけど、ミニマルな構造のダンスミュージックを経過している辺りが他のバンドとは大きく違うところで、それはもう音を聴けば歴然。
ジャズを取り入れたクラブミュージックなんかは古今東西いろいろあるけど、ジャズバンドがそのバンドの構成をほとんど変えることなくクラブミュージックに接近して、しかもクラブシーンで大きく評価されたバンドって、なかなかいないんじゃないだろうか。
この編集版はさすが初期作品集だけあって、荒々しいサウンドにがっちりロックされてしまいます。
あと、今は亡きSabres Of Paradiseによるリミックスが収録されているあたりは、おっさんファンには泣けるところ。

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(なんかFC2ブログの管理者ページ見てると、"タイマー投稿" って新機能がついたみたい。試しにこの記事をタイマー投稿機能使ってUPしてみますね。)
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Doopees - フォーエバー・ヤン ミュージック・ミーム3 (ASL Research Service/2006) 

昨日は相方と2006近畿フィギュアスケート選手権大会に行って来ました。いわゆるブロック大会というやつです。入場料はいらないし会場の駐車場も駐め放題、有名な選手も普通にロビーとかで見かけたしね(僕は太田由希奈選手を何回か見かけましたよ)。世の中本当にフィギュアブームなら、みんなこういう試合を狙えばいいのにさ。
いや、それにしても寒かった。先月同じ会場でプリンスアイスワールド2006があった時は満員の観客のおかげでジャージの上着で充分だったけど、相方の言う通り、会場の気温は大会の大きさと反比例するようで。
見応えがあったのはやはりシニアの男子で、みんな練習中から3Aバンバン跳んでた。殿(注:織田信成選手)のFSの新プロも初めて見ましたよ。でもシーズン初めだからかまだまだ隙間の多いプログラムだなあとか思ってたら、どうやらジャンプとかいくつかトバしてしまってたらしい。昨日のFSに限って言えば、ノリ様(注:神崎範之選手)の方が良かったかなあ、個人的には。

一旦7月に出ると言うアナウンスがあったものの、いつの間にか発売延期になって、すっかり音沙汰のなかったDoopeesの2ndアルバム『Doopee Time 2』なんですが、アルバムの前にシングルが出ましたよ、『フォーエバー・ヤン ミュージック・ミーム3』。
今度は11月29日発売予定という『Doopee Time 2』の先行シングル的な内容なのかと思いきや、1stアルバム『Doopee Time』から3曲をリテイクという内容。うーん、なかなか正体を見せないなあ『Doopee Time 2』。てか、本当に出るのか?(笑) なんか、このまま発売延期を続けてトンズラしそうな気がしないでもない...。
そう言えばヤンさん、昨日sonarsound tokyoでライヴやったんだよね? しかもいとうせいこう、高木完、大野由美子(!)、スージー・キム、小山田圭吾、PAにダブ・マスターXって、すげーメンツ。これ、確実に伝説行きでしょ。めちゃくちゃ見たかったなあ。見た人のblogとか、ぼちぼちUPされてるかも知れないな...。今から探しに行って来ます!

acid over the rainbow > ヤン富田特集 >>

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Susumu Yokota - Triple Time Dance (Koplatiko/2006) 

ハウスは4拍子だなんて、誰が決めた!?
テクノは4拍子だなんて、誰が決めた!?
クラブミュージックは4拍じゃないといけないだなんて、一体誰が決めたんだ!?

横田進の新作『Triple Time Dance』は、石野卓球のPlatikのサブレーベル、Koplatikoより。意外だったけど、横田と卓球って交流あったんだね。その辺のリリースにいたる経緯は、以下のインタビューを参照するよろし。

Cisco Records > Susumu Yokota - Triple Time Dance >>

で、問題なのはその内容。何と全曲3拍子のハウス/テクノ! 前作『Wonder Waltz』も全曲3拍子の作品だったけどあれはリスニング作品だったのに対し、この『Triple Time Dance』は100%ダンストラックス。過去のハウス/テクノ史において、3拍子のダンストラックもいくつか存在したけど、アルバム全編通して3拍子というのは、世界初史上初じゃあないだろうか。
実際ハウスやテクノが4拍子ではなく3拍子になると、そのグルーヴはすごい新鮮。クセになりますよ。前に『LO Compilation: Mix by Susumu Yokota』のレビューにも書いたけど、3拍だと1フレーズの展開が4拍子と比べて早くなるから、BPMは同じでもかなりスピーディーに感じるんですよね。その辺りがこの新しいグルーヴを持つ3拍子マジックかと。

サウンドメイク自体は非常にシンプルな、バキッとしたリズム主体のトラックもの。数曲でビキビキのアシッドをやっているのが、往年のファンにはとても嬉しい。

革新的、そしてユニーク。このアルバムは横田進の最高傑作にして、2006年ハウス/テクノ・シーンの最重要盤。迷わず聴くべき。

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ソウル・フラワー・モノノケ・サミット - デラシネ・チンドン (Soul Flower/2006) 

浅田舞が芸能活動引退だそうで。そうそう、その方がいいよ、あの演技力じゃあねえ…。

6月に出たソウル・フラワー・ユニオンの別動ちんどんユニット、ソウル・フラワー・モノノケ・サミット、実に9年振りの3rdアルバム。初の全曲スタジオ録音盤だそうです。
手に入れてからも、何故かしばらく聴いていなかったのですが、先日ようやく重い腰を上げて聴いてみたところ、ああ、いいなあ、思い出したこの感じ、これがモノノケ・サミットだった。

労働歌、民謡、はやり歌、お座敷歌などを、あ、軽~ぅく、しかし彼らの中にはメッセージがてんこ盛りでさ。
とにかく1曲目「ああわからない」を聴いただけで、もう痛快すぎて涙が出たよ。いや、愉快愉快。
これぞ現代プロレタリア音楽の前衛。
そしてそれ以上に、これはダンス・ミュージックなんだ。ストリート・ミュージックなんだよ。
老若男女、金持ちも貧乏人も、ヤマトンチュもウチナンチュもコリアンも、これ聴いて笑顔で踊れ!

それにしても、中川敬のコブシも、だいぶイタについてきましたねえ。
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Vladimir Shafranov Trio - White Nights (Jazz Alliance/1990//澤野工房 Atelier Sawano/1999) 

今日、昼メシにジャズの流れるラーメン屋に入ったんですよ。ジャズとラーメンの食い合わせの是非はひとまずおいといて、秋になるとめっきりジャズが恋しくなりますよね。最近は家でもクルマでも、これをよく聴いています。
さて、このblogには2回目の登場となるフィンランド在住のピアニスト、シャッフィー(旧姓ゴンチャロフさん)ことウラジミール・シャフラノフです(でも正しい通称は "ボバ" だそうです)。

このアルバムは元々、1990年1月4・5日にニューヨークで録音され、Jazz Allianceよりリリースされたシャフラノフの代表作。ニホンの何とか言う評論家だかが取り上げた所為で人気が出たそうです。1999年にピアノトリオ専門(?)の浪速の家内制手工業レーベル澤野工房から再発。

シャフラノフのピアノはやはり軽快にスウィングしていて、まるで軽やかに歌い上げているかのよう。かと言って浮き足立ってるような音ではなくて、地に足のついた、低空飛行のファンクネスがあります。そして、とてもライヴ感の感じられる演奏。ベースとドラムの駆け抜けるリズムも含めて、やあ、これは小気味良い。最高です、としか言いようがない。
秋の夜長にジャズピアノ、これは良いものですよ。

ちなみにシャフラノフは来月アトリエ澤野コンサート2006にやって来ますよ。吾が家はチケット取りました。いまから楽しみです。

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Deetron - In The Mix (Music Man/2002) 

一澤帆布が販売再開だそうです。が、心情的には、僕は一澤信三郎帆布を応援します。
そう言えば、僕がいつも使ってるウエストポーチ(ショルダーバッグ風に使ってます)がだいぶとくたってきたので、信三郎帆布でそれに代わる新しいのを買おうかと思ってるのですが、常に品薄状態らしく、買えるのはいつのことやら。店まで行っても買えなかったら意味ないしなあ。

何だか良質なハードミニマルが聴きたくなって、今日のクルマ用に選んだDeetronのDJミックス。こいつはハードミニマルとデトロイトテクノが絶妙なバランスでミックスされています。ミックスはどっちかって言うとスムースで、気付いたら違うトラックに変わってたってこと多し。アフロパーカッションが多用されているせいか、人と木のぬくもりを感じる。そしてベースラインはどこまでも重厚。
ま、こころとカラダのどちらにもにも効く、気持ち良く我を忘れて踊れるダンス・アルバムってことです。
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Cave vs. Ortin Cam - Live! (Spilo/2006) 

ネットの流れにオクレないよう(?)、僕もMySpace、プレオープンしてます。
http://www.myspace.com/bibinba
と言ってもnowhereのlunemusique aka miss luneさんやecritsのlapinさんみたいに活用出来ていなくてさ。楽しみ方もまだよくわかってない状態です。なかなかいじり倒す時間もなくてねえ。

ハードミニマル/ハードテクノが閉塞的状況にある、とは数年来くさるほど言われていることではありますが、そんなご時世、ハードテクノ界期待の星のひとり(?)と目されるCave初のCDアルバムは、Ortin Camとのコラボ、しかもライヴ音源。
Caveと言えばとにかく「Street Carnival」のイメージが強すぎて、ここでもラテン・トライバル全開のハードテクノがゴリゴリと繰り広げられているかと期待して聴いてみたら、何だコレ!?
トランス、と言い切ってしまうと激しく語弊があるが、これはそれに類するレイヴ・ミュージック(もしくはパーティー・ミュージック)で、フォーマットは確かにハードテクノのそれではあるが、使われている音や構成がちょっとメジャーすぎて僕の趣味ではない、て言うか少なくとも今の気分ではないっす。

まあこの疾走感は魅力的ではあるけどね。
Mauro Picottoとか好きなひとならオッケーでしょう。

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ゲド戦記 (監督:宮崎吾朗/制作:スタジオジブリ/2006) 

よおおおおおおうやく観ました、吾朗ちゃん第1回監督作品『ゲド戦記』。相方の職場の共済会のチケットの期限が9月いっぱいまでだったので。
色々と噂は耳にしていたので期待値0で観に行ったのですが、その期待値をさらに下回ることはあっても上回ることはありませんでした。
以下、今さら書くことじゃないかもしれないけど、ジブリファン、宮崎駿ファンとして、愛を込めて...。

ジブリ作品としては非常に珍しく、"虚無" を感じさせる、またそれを意識した映画でした。ただしストーリーや設定、世界観など、映画が始まった当初曖昧だった様々な物事が、結局最後まで曖昧なまま終わっており、とても気持ちが悪い。当然カタルシスは皆無。それなりの社会風刺やメッセージを込めたい気持ちもわかるがそれもものすごく中途半端。かといってエンターテイメントにもなっていない。
時間枠を意識して脚本を端折ったとか言う問題ではなく、作中における強固な世界観の構築がおろそかで、細部まで突き詰めつめられていない。吾朗ちゃんは一定の物事をとことん突き詰めて考え抜くという、クリエイターに必要な能力に欠けてるんじゃないか?
作画のクオリティも先祖帰りを起こしていて、これじゃ『ナウシカ』や『カリオストロの城』どころか『未来少年コナン』レベルだよ。
宮崎駿の息子の第1回監督作品、『ゲド戦記』のアニメ化という話題性で、スポンサーからの資金も興行収入も見込める企画だったのだろうけど、これでは僕は吾朗ちゃんの次回作を観たいとは全く思わない。

ジブリを一企業として捉えた場合、企業の生き残りのためにはやはり次世代の看板となる監督なりが必要な訳で、それが宮崎駿の息子という存在ならまず文句のないアイコンとなるだろう。鈴木敏夫プロデューサーとしては、吾朗ちゃんにさらにキャリアを積ませたいところだと思うので、第2回以降の監督作品は必然。しかし今回の『ゲド戦記』を観た観客の評価から、次回の興行収入は恐らく今回ほど期待出来ない。興行収入が期待出来ないとなると、スポンサーも資金を出さない。なので、鈴木プロデューサーとしては、吾朗ちゃん第2回監督作品の興行収入を見込めるあっと言う企画を用意しなければ次回作の資金も手に入れられなくなる訳で、苦しい状況だと思う。
そこで、僕がもしも鈴木プロデューサーだったらこんな企画を通す、というのを、映画を観ながら考えていた。

今回の『ゲド戦記』を観たらわかるように脚本がグダグダだったので、吾朗ちゃんのオリジナルの脚本は問題外。原作がしっかりと練られたものか、すでにある作品のリメイクが妥当なところだろう。話題性の面では、過去のジブリ作品のリメイク、もしくは続編なら版権も取りやすいし容易だ。そこで父である宮崎駿作品のリメイクもしくは続編であれば、吾朗ちゃんへの期待値の低い観客からも一定の興行収入が期待出来るのではないか。
そんな訳で、僕なら『風邪の谷のナウシカ』の続編を、吾朗ちゃん第2回監督作品として企画します。『ナウシカ』なら強固な世界観が構築されているし、原作では映画以降のストーリーも描かれている。また、ファンからは続編を期待する声も未だ大きい。
吾朗ちゃんが監督するにあたって以下の事項さえ守らせることが出来れば、そこそこのものは出来上がるのではないか。[1]原作の世界観、脚本を最大限重視すること。[2]監督のエゴで下手クソな新人を起用しない。

今回の映画を観て思ったことは、吾朗ちゃんってかなりエゴの強い人のようですねってこと。まあ、この映画も吾朗ちゃんからすれば、手嶌葵のプロモーションビデオみたいなもんなんですよ、きっと。

最後に、この記事をもしも関係者が目にすることがあれば、ムカつく前に自らを省みて、次作への糧として下さい。それがクリエイターの責任というものです。ファンとして、心よりお願い申し上げます。
そしてもしも本当に『ナウシカ』の続編なりリメイク作ったら、隅っこにちっちゃくでいいからエンドロールに僕の名前も載せてね(笑)