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 2008年04月 

電気グルーヴ - J-POP (Ki/oon/2008) 

電気グルーヴ - J-POP
Label: Ki/oon Records (KSCL 1228-9)
Format: CD+DVD
Released: 2008
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皆さん今年はどこでお花見をしましたか。わが家はおとついの日曜日、友人家族の住む愛知県に遊びに行って、河原で桜と菜の花を愛でましたよ。今年は久しぶりに造幣局の桜の通り抜けにも行きたいなあ。

電気グルーヴ8年振りのニューアルバム!! しかし8年振りと言えど、その間2枚組ベスト2枚にライヴCD1枚、ライヴDVD2枚、スチャダラパーとの一連のコラボレーションに卓球ソロやミックスCD、それからInKなんかのリリースもあったので、正直そこまでブランクが開いたという印象はなかったのですが、それでも待ちわびた待望のリリースであることに変わりはない。
『J-POP』というアルバムタイトル、80'sニューウェーブっぽいジャケット、そして音圧のあるシンプルなサウンドも含めて、かつては変化球を好んで投げていた電気グルーヴも、今回ほぼ直球勝負に近いアルバムを投げて来た。この8年で電気も変わったし、またニュートラルな環境と心境で制作出来たということだろう(もっとも、このご時世に直球を投げるということが実は何よりも変化球になるということを、本人たちも意識的か無意識かは別として理解していたのかも知れない)。
アルバム前半にはエレポップ~ジャーマン・エレディスコ系のトラックがかためられている。歌詞の意味性は意図的に排され、ヴォーカルは言葉の響きそのもののみを重視して、曲の中の楽器のひとつのような役割を果たしている。言葉の響きや語感にフォーカスした曲作りは以前から電気が取り組んで来たことではあるが、今まではそれがうまく行ってるとは言い難い部分も感じられた。それが今回のアルバムではほぼ完成している。ヴォーカル曲からヴォーカルを取り除いたときに成立し得ない曲ばかり。本作でいちばん凶暴な#02「エキスポ ヒロシマ」なんかはその典型で、ヴォーカルも含めてビキビキな直線的グルーヴを作り上げている。これはクラブで聴きたいし、ニホン語を理解しない外国人にもウケると思う。
アルバム後半、#06「モノノケダンス (Album Mix)」以降はよりシンプルな響きのエレクトロニック・ミュージックに深化。「Dream Baby Dream」(※『Dove Loves Dub』収録・過去レビュー >>)を思わせる涅槃ライクな#07「アルペジ夫とオシ礼太」で深く沈み込んだ後、#09「スーパースター」以降の流れは電気グルーヴ初かも知れないポジティヴな雰囲気のトラックが並ぶ。「Snow and Dove」(※『Vitamin』収録)やKraftwerkを思わせるアンビエントの#11「シュチェチン」から、そして拍手で迎えられる#12「リンギンベル」で祝祭的なフィナーレ。ああ、何だかまりんの傑作アルバム『Take Off And Landing』を聴いているかのようだ。
1曲1曲が短めで、しかも珍しくミックスもされていない構成(ノン・ノンストップ?)はまさしくJ-POP的。コンパクトにまとまっていて何度も聴きやすいアルバムにもなっていると思う。このアルバムが自分にとって電気の最高傑作になるかどうかの評価にはまだもう少し時間がかかりそうだが、それでも結論を言うとこのアルバムはとんでもない。わかりやすく言うとヤバイ。そして仮にこれが電気のラストアルバムになってしまうと、ものすごくおさまりが良い。ただ、今年の秋にはもう新しいアルバムが出るそうなので(!)その感じ方は杞憂だとは思うけど。
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