Carl Craig & Moritz von Oswald - ReComposed (Grammophon/2008) 

Carl Craig & Moritz von Oswald - ReComposed
Label: Deutsche Grammophon / Universal Music Classics & Jazz (476 6912 / 00289 4766912 8 )
Format: CD/MP3
Released: 2008
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円高は実はニホン人を豊かにするのだから、みんなもっと待望すべき(だって輸入盤とか安くなってるでしょ)。ただし外需依存型経済から脱却して内需経済に移行しなければね。

はい、持ってたけど聴いてなかったシリーズ。
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団演奏による、ラヴェル「ボレロ」(1985)、「スペイン狂詩曲」(1987)、ムソルグスキー「展覧会の絵」(ラヴェルの編曲)(1986) を、Carl CraigとMoritz von Oswaldが再編曲して、グラモフォンからリリースされた昨年の話題盤。
テクノ・ミュージックを前進・発展させようとするときに異種交配はひとつの手ではあるけれど、その相手がクラシック音楽やオーケストラであるというのは、発想としてちょっと安直に過ぎるのは否めないし、録音音源を解体・再構築するという手法も、ことさら革新的なわけではない。
ときびしいめに書いたのは、これをやっているのがテクノの前衛と言って良い2人の手によるものであるからで、そのことから逆に、この作品からは、力むことのない、ちょっとしたお遊びに興じるような2人の姿が感じ取れる。
そんな中でも、浮遊感のあるエフェクトやプログレッシヴなシンセ・サウンドにより、まごうことなきテクノ・ミュージックの前衛を更新しているのは、彼らのヴェテランならではのスキルの賜物。Villalobos「Fizheuer Zieheuer」(過去レビュー >>)あたりの影響を感じる音の構築方法もさることながら。この音楽をダンス・ミュージックか否かという問答は無意味であり、この音楽はまっことテクノでありエレクトロニック・ミュージックであると思うのです。
個人的にラヴェルの「ボレロ」は大好きなのですが、僕のいちばん好きなスネアの叩き込みがフィーチュアされている反面、有名なメロディをあえて使っていないあたりも得点高い。
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