Wolfgang Voigt - Freiland Klaviermusik (Profan/2010) 

Wolfgang Voigt - Freiland Klaviermusik
Label: Profan (PROFAN CD 9)
Format: CD/MP3
Released: 2010
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僕にとってのワールドカップ南アフリカ大会が終わりました。もちろんニホンがパラグアイに敗れたからではなく、ポルトガルがスペインに敗れたからです(非国民)。残念だけどスペインのほうが巧かった・・・。さて、4年後はファビオ・コエントラオンなんかがチームの中心になってるのかな。それはそれで楽しみです。

で、これがProfanの10年振りのアルバム。2008年にリリースされたProfanの復活作は同名の12"でした。そのときの5曲はすべてこのアルバムに再録。それにしても、いつの間にProfanって現代音楽のレーベルになったんだよ!?ってな具合の、ピアノの音を使用したミニマルなミュージック・コンクレート作品。ぺらっとした4つ打ちのキックが入ってる曲もあるけど、今日現在、未だこれをクラブミュージック/ダンスミュージックとは呼びにくい。しかし、かつてテクノシーンの極北として唯一無比の電子音楽を奏でていたWolfgang Voigt/Profanの音が、今や "テックハウス" や "ミニマル" という名前でテクノシーンの主流を占めている状況を振り返ると、もしかすると5年後10年後にはクラブでDJたちがミュージック・コンクレートやミニマル・ミュージックをスピンしてクラバーを踊らせているかも知れない。結局のところ未来はわからないし、しかしWolfgang Voigtのような実験家がいないことには新しい未来が開かれることはないのだ。
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Sog - Abweichung (Profan/2010) 

Sog - Abweichung
Label: Profan (PROFAN 032)
Format: 12"/MP3
Released: 2010
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独ケルンのKompaktの前身レーベルであるProfan(現在はKompaktのサブレーベル扱い)が2年ほど前に復活したのですが、このニュースは思いのほか話題になりませんでした。僕も自blogでは取り上げなかったし。と言うのも、このときリリースされたWolfgang Voigtの12"がピアノを使ったミニマルミュージック(ミニマルテクノではなく)だったので、正直に言ってよく理解できなかったんですね。かつてのProfanの持ち味は、なんと言ってもビザールな音色の電子音で組み立てられた、一風変わったダンストラック、しかも実験的、といったものでしたから。
で、今年に入ってからも12"が出たり、ついにはProfanのカタログとしては10年振りとなるアルバムが出たりして、さすがに、かつてProfanを中心としたケルン・ミニマリズム特集を行った当blogとしても無視できない状況となってきているので、ここ何回かProfanの作品を紹介しようかと思います。
先ずは、今年の春前に出たWolfgang Voigtの "Sog" 名義のシングル。新しい名義かと思ったら、既にKompakt Extraからシングル2枚出てるじゃあーりませんか。で、前2作はそーゆーわけで未聴ですが、本作はいちおう硬い4つ打ちのキックがスカスカの空間を打ち鳴らすディープ・テクノ。ただしストリングスやホーンのサンプルが不規則に闖入するウワものがトリッピー過ぎる。これが一定の時間軸に則した流れで別の時間軸を突如ねじ込んで意識の変容を狙うというVillalobos的なトリップ・ミュージックの手法を取り入れているものなのかどうかは現時点で未だ判断がつかないが、Villalobosよりもある意味暴力的なトリップであることは確か。Wolfgang Voigt、実験君は何年経っても実験君ですなー。
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【ワイン】 Cister Da Ribeira Douro Tinto DOC 2005 

いやっほうポルトガル勝ちましたー!! "7-0" って何の試合だよ(笑)
しかし前半29分までが長かった。表面上両チームは拮抗してるように見えましたからね(実際はそんなことなくて、ポルトガルは初戦よりもよく動いていたしパスも通っていたように見えたし、北朝鮮はボールキープが甘過ぎるように見えた)。TVの実況、解説、スタジオが皆北朝鮮寄りだったのは単に同じ東アジアの国だからなのかな? それともお金出てたりするのかしら(パチンコ業界あたりから)。ともかく楽しかった。ビールが旨いス!

で、と。これは確か2009年の正月にポルトで買ったワインだったと思います(まだ残してたのか)。ドウロの赤。先日のいわし祭の日に開けました。
すっと体の中に入ってくる浸透率の高さ。にもかかわらず樽が効いていて自己主張を忘れない。ということでこれは飲み過ぎてしまうワインですね。

【ビール】 アサヒ ゴールド 復刻版 

教えて下さい。5年前の小泉郵政選挙では自民党に投票し、昨年は民主党に投票したいわゆる "B層" の皆さんは、今回の参議院選挙ではいったいどこらに投票されるのですか?

アサヒゴールドというのはニホン初の缶ビールのブランドだそうです。今回飲んだのは、それの現在販売中の期間限定復刻版。オリジナルヴァージョンでは加熱処理していたようですが、本作では非加熱処理の生ビールとなっております(でも濾過したら大差ないんじゃないの)。
アサヒにしては(←偏見)わりとしっかりしたコクが楽しめるビールです。中盤で感じる若干の水っぽさが惜しいところ。
それにしても、ビール業界も相変わらず復刻(リイシュー)流行りですね。音楽業界と同じで不景気(であるがために新しいものを生み出す方面にお金をかけることが出来ず、過去の遺産で商売する状態)は続いているのでしょうか。勿論復刻(リイシュー)はそれはそれで意味のあることだとは思いますが、新しいチャレンジも期待したいところです(ビールの話だけじゃなくてね)。

【ビール】 青島 Stout 

石野卓球6年ぶりの(ミニ・)アルバムが出るそうな。年間80本のDJ活動をフィードバックしたテクノアルバムになるということですが、さっぱり音の想像がつかない。彼のDJを何年も聴いていないから当たり前と言えばその通りか。先日USTでは聴いたけど。

時にはネコのションベンなどとも揶揄される青島(チンタオ)ビールですが、これはそのヴァリエーションのスタウト。本来の上面発酵のスタウトなのか、それとも本当は下面発酵なのかはよくわかりませんでした(おい)。飲んだ感じはシュヴァルツっぽくも感じましたが。特有のコクや甘みと併存するピリピリした辛みは何だろう・・・。
アルコール度数が7.5パーセントとやや高めなので、いつもより早く酔ってしまったような気がします。

【ビール】 Red Horse Beer 

Wカップ(←と書いてたのは某小室哲哉氏だが、違う意味に見えて仕方がない・笑)では例によって第二の故郷であるポルトガルを絶賛応援中。試合中はユニフォームを着て、何故かピコピコハンマーを持ってTV観戦。

フィリピンのビール、レッドホース。アルコール度数は7%と、普通のピルスナーと比べるとやや高め。
飲んでみると最初に感じるのは、ピルスナーにしてはなかなか珍しいタイプの酸味。飲後にアルコール感のある甘みを感じることも出来るが、総じて印象はライトなビールです。

いしわたり淳治&砂原良徳+やくしまるえつこ - 神様のいうとおり (Ki/oon/2010) 

いしわたり淳治&砂原良徳+やくしまるえつこ - 神様のいうとおり
Label: Ki/oon Records (KSCL 1588)
Format: CD
Released: 2010
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砂原良徳が元スーパーカーのひと(よく知らない)と結成した新ユニットの第1弾シングル。ヴォーカリストとして相対性理論のひと(よく知らない)が参加。ということで、僕は砂原良徳の新曲として聴きました。
一聴して砂原のそれとわかる、透明感があり、なおかつエッジの鋭い音像。素晴らしく気持ち良過ぎる。メロディを補完するシンセラインと、何よりヴォーカルがなければもっと良いのに。ゼッパチ・ヴァージョン(砂原風チップチューン?)も面白い!
さて、来月にはいよいよ砂原良徳の本当の新作『Subliminal EP』がリリースです。アルバム『Lovebeat』(未レビュー)から9年・・・。長かった。本当に長かったよ。
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Andrew Hung - Vessel Guest Mix (Vessel/2010) 

Andrew Hung - Vessel Guest Mix
Label: Vessel
Format: MP3
Released: 2010
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昔、たぶん15年くらい前のことだが、今は亡きアメ村のタワレコでCDを見てたら(確かThe Orbのアルバムを手に取ってたと思う)知らないお姉さんに話しかけられてレイヴ情報を交換したということがあった。その頃はネットもなかったし、そういうイリーガル(?)なレイヴの情報は雑誌はもちろんレコ屋のフライヤーからも得られなかった(口コミのみ)。レコ屋の実店舗がなくなるということは、そういう出来事もなくなるということなんだなぁと今更ながら思った。

最近聴いたフリーのDJミックス音源の中で秀逸だと思ったのが、Fuck ButtonsのメンバーAndrew Hungによるこのミックス。
Fuck Buttonsの楽曲と同じようなシューゲイズやドローンの感覚を、テクノのクラシックをがんがんぶち込んで構築していくそのスリル満点のスタイルは、ちょっと他では聴いたことがない。まるで酩酊と覚醒が同時(もしくは交互)に襲ってくるような強烈なサイケデリア。こいつはヤバめ。
他のミックスのトラックリストとか見てると昔のJeff Millsとかも使ってたりするし、きっとこのひと(も)90年代のテクノが大好きなんだろうな。Fuck Buttonsの来日リベンジ(妄想)ついでにDJもしてくれないかしら。

Tracklisting:
01. Growing - Innit
02. Basic Channel - Enforcement
03. Koenig Cylinder - Carousel
04. D’Arcangelo - Diagram VII (80’s Mix)
05. Fourtet - Love Cry
06. V.V.V. - Red Light Down
07. DJ Koze - All The Time
08. Lemon Interrupt - Eclipse
09. Supermayer - Two Of Us
10. Wishmountain - Radio
11. Richie Hawtin - Minus Orange
12. The Knife - Silent Shout

ひふみよ 小沢健二コンサートツアー二零一零年五月六月 @ 神戸国際会館 2010-06-06 

ひふみよ 小沢健二 Official Site >>

僕は自分のことを小沢健二の熱狂的なファンだとは思っていなかった。そもそもパーフリは「恋とマシンガン」しか知らなかったし、彼が最も商業的に成功(?)していた2ndアルバム『LIFE』期は、1stアルバム『犬は吠えるがキャラバンは進む』(小沢自ら名付けた略称は『犬』)の頃とのキャラクターの落差に、僕はある種の偽称を感じてしまって諸手を上げて付いて行くことができなかったのだ。裏返せば、それだけ僕にとって『犬』は重要なアルバムだったと言うことも出来るけど。
今回のツアーは彼にとって13年振りのコンサートだということだったが、僕にとっては初めての小沢健二のコンサートであった。『LIFE』期の楽曲が中心ということで、世間のみんな同様、何で今になって?、という疑問符が常に頭の上に浮遊していた。世間のプラチナチケット化を他所目にさくっと手に入ったチケットは1階13列目という良席。懐メロ大会だったらがっかりだな、と思いながら会場に着きました。客はやはり年齢層ちょい高め、ベレー率、ボーダー率高し。
(ここから講演の核心に触れる記載が出て来るかも知れません。ネタバレを希望しない人は読まないで下さい。僕は不親切なので折りたたみません。)

暗闇の中で "ひ、ふ、ひ・ふ・み・よ!" のかけ声とともに「流星ビバップ」が始まる。途中で詩の朗読。ペンライトのような明かりでようやく小沢の姿がかすかに見える。2003年のニューヨークの大停電のときの感覚を共有するための暗闇であることが明かされる。暗闇のまま「ぼくらが旅に出る理由」が始まり、"♪遠くまで旅する~" のサビの部分でバッとステージに照明! オザケンデコヤバイ。
こんな感じで始まったコンサート。3時間という長丁場にもかかわらずその長さを全く感じさせない、とてつもなく多幸感に包まれた素晴らしいものでした。
曲の間に何度か散文詩的な朗読を挟むというスタイル。朗読のバックはラテンっぽい13拍子のインスト曲。これ新曲だそうだが、メンバーのキュートな振り付けが笑いを誘う。
「天使たちのシーン」は大幅にメロディーが変えられていて、「東京恋愛専科」のイントロのメロディーも微妙に変わっていて、「ラブリー」は新しい歌詞を練習させられるし、「天気読み」は人力エレクトロディスコの4つ打ちダンスヴァージョンになっててカッコ良すぎるし、「ドアをノックするのは誰だ?」では振り付けて踊ったし、まさか「カローラⅡ」や「ブギーバック」までやるなんて、まさか『Eclectic』の曲までやるなんて(「麝香」ね)・・・と躁状態で延々語りたくなるような本当に楽しいライヴだったのですよ。
新曲「時間軸を超えて」がとてもいい曲。「シッカショ節」は、まぁ遅かれ早かれみんな民謡に行く時期ってあるよね(くるりの新曲とか)、というくらいの感想。
で、おそらく間で挟まれる朗読が、今回オザケンがいちばん伝えたかったこと、やりたかったことなんじゃないかと僕は邪推してるのですが、内容は『うさぎ!』や以前エリザベス・コールと行ったワークショップの延長線上のもので、簡単に言うとアメリカ型文化のグローバリズム化批判もしくは啓発。言っていることには僕は共感するし正しいと思うけど、オザケンの場合 "お前が言うな" 的な欺瞞を感じてしまうのも確か。えーっと、どう言ったらいいかなぁ。黒柳徹子が宝石とかを全身にまとったものすごく着飾った格好で、アフリカの貧しい国とかにユニセフの活動で行っているのを見るときの感覚に近いとでも言うか。それでも自転車の話とかは面白かったけどね。

まぁそういった諸々も含めて、最初に書いたようにとてつもない多幸感が与えられる、今どき珍しいエクスペリエンスでした。号泣してるひともいたらしい(相方情報)。
まだ体験していないひとは、難しいとは思うけど、残りの公演、どうにかしてもぐり込むべき。僕も出来たらもう1回観たいもん。
あと、全公演そうなのかわかりませんが、TVカメラ入ってました。録ってたのはエリザベス・コール女史で、ずっと僕の真後ろにカメラ立てて撮影していました。二次生産物として世に出るのか出ないのか知りませんが。
・・・何だか取り留めのないレポートになってしまったなぁ。正直、ひふみよについてはまだ冷静に書けるほどの時間を得ていないのです。

セットリストは↓で(他所様のblog等をいくつか参考にさせて頂きました)。
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The Megane~zu - The Megane~zu Adventures Beyond The Delicious World (/2010) 

The Megane~zu - The Megane~zu Adventures Beyond The Delicious World
Label:
Format: MP3
Released: 2010
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The めがね~ず(チームI'm Not A DJ、もしくは選曲係ユニット)で、90年代のテクノも満載のミックスを録りました。テクノでアシッドでミニマルでロックです。お耳汚しに聴いて下さい。

The Megane~zu Adventures Beyond The Delicious World by The Megane~zu

Tracklisting:
01. Captain Funk - O.Y.M. (Christopher Just Remix)
02. Buy Now - For Sale (Felix Da Housecat With Fan-ky Reredub Edit)
03. Bam Bam - Give It To Me
04. Motor - Flashback
05. Hardfloor - Acperience 5
06. Underworld - Kittens
07. Safri Duo - Rise
08. Orbital - Halcyon & On & On
09. Joey Beltram - Drome
10. The Stone Roses - Waterfall (Paul Oakenfold & Steve Osbourne Remix)
11. Phenomania - Strings Of Love
12. Karafuto - Shadow
13. Lo-Fi-Fnk - Marchin' In
14. René et Gaston - Conte de Fées
15. Kleerup - Until We Bleed (With Lykke Li)
16. Cortney Tidwell - Don't Let Stars Keep Us Tangled Up (Ewan Pearson Remix)
17. Pogo - Under A Spell
18. Fuck Buttons - Olympians
19. CoCoRosie - God Has a Voice, She Speaks Through Me
20. Kaito - We Are Living Here
21. Radiohead - Motion Picture Soundtrack

関連記事:
The Megane~zu MySpace > Drop!
nowhere > The Megane~zu Adventures Beyond The Delicious World

Cobblestone Jazz - The Modern Deep Left Quartet (Studio !K7/2010) 

Cobblestone Jazz - The Modern Deep Left Quartet
Label: Studio !K7 (!K7258CD)
Format: MP3
Released: 2010
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ミニマル(テクノ)にジャズのフレーヴァーを持ち込んだ、Mathew JonsonらによるCobblestone Jazzの2ndフル。古今東西テクノにジャズ、なんて珍しくも何ともない組み合わせではあるのだが、彼らの場合はもともとジャズ畑の出であるにもかかわらず、トラック構築にジャジーな要素を用いながらもミニマルとして成立している(要するに踊れる)点が素晴らしい。ジャズとミニマルのフュージョンは前作『23 Seconds』(過去レビュー >>)からさらに一歩も二歩も進んでいて、洗練の域に達している。紛う方無き今年のミニマルを代表する傑作ではないかと。
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Christian Prommer - Drumlesson Zwei (Studio !K7/2010) 

Christian Prommer - Drumlesson Zwei
Label: Studio !K7 (!K7257CD)
Format: MP3
Released: 2010
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テクノやハウスの有名曲をジャズでカヴァーして話題になったChristian PrommerのDrumlessonシリーズ第2弾にして最終章。第1弾過去レビュー >>)は本来ミニマルな構造のテクノやハウスを、生演奏のジャズでうまくスウィング感を出していた傑作でしたが、クラブジャズの総本山Schemaから出た前作『The Jazz Thing』(未レビュー)は凡庸なクラブジャズという感じだったし、共同製作者として関わったDJ Hellの最新アルバム『Teufelswerk』(未レビュー)も何だかとりとめのない内容で、Drumlessonシリーズ第2弾である本作には僕ははっきり言って期待薄だったのです。で、まぁ結果的に期待通りだったと言うか。今回はテクノやハウスのミニマルな構造に忠実になりすぎたことでジャズの持つダイナミズムを殺してしまっているような印象。これなら生演奏である必要がなかったと言うか、生演奏に聴こえないと言うか。踊れないし聴いていて特に楽しくもないし、うーんヒジョーに残念であります。
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