Hardfloor - Two Guys Three Boxes (Hardfloor/2010) 

Hardfloor - Two Guys Three Boxes
Label: Hardfloor (hfcd 03)
Format: CD
Released: 2010
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80年代後半にシカゴで生まれたアシッドハウスは、90年代前半のヨーロッパのレイヴシーンでは既に忘れ去られた存在であった。その "いちど終わった音楽" の炉に再び火を炒れ燃え上がらせたのがウィンザー(カナダ)のRichie Hawtinと、そしてデュッセルドルフ(ドイツ)のHardfloorであった。特にHardfloorは、ジャーマントランス全盛だったレイヴ/クラブシーンに、シカゴのDJ Pierreが "発明" したアシッドハウスとワイルドピッチスタイルを組み合わせたニュースタイル・サウンドを投下した。Hardfloorの音楽は、当初トランスのフリをしてレイヴ/クラブシーンに瞬く間に広がったので、多くのフォロワーを得てシーンにアシッドリヴァイヴァルを興したものの、やがてシカゴハウス再評価とともに、フォロワーたちはジャーマントランスもろとも消え去っていった。前述のようにHardfloorのサウンドはジャーマントランスではなく実はシカゴアシッドの発展系だったので、シカゴハウス再評価でさらにその価値を高めた。と言うよりも、Hardfloorの登場が、シーンにシカゴハウス再評価を用意させたというのが本当のところだろう。
というのがHardfloorの1stアルバム『TB Resuscitation』から2ndアルバム『Respect』までのお話。その後のおよそ16年間、ハードミニマルに寄ってみたりブレイクビーツやってみたりしながら、いつしか自身の全盛期の自己パロディ的な芸風に収まるわけです。そんな彼らの3年振り8枚目のアルバム。
一聴して1st『TB Resuscitation』の頃のサウンドを踏襲したかのようなストレートなアシッドハウスのようですが、ビートプログラミングの手数の多い細やかさに目を見張る。それでいてざっくりとしたファンキーさを維持しており、そしてTB-303(めいた)アシッドサウンドは以前にも増して怪しげに蠢いている。おそらく今回もハードではなくソフトシンセで制作されているのだろうけど、これほどまでにファンキーな音を奏でることができるとは、流石ヴェテランだとしか言いようがないですな。周りがどんどん動いていく中で同じことをやり続ける(ように見せる)のって本当は難しいんだよ。
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