VA - TB or not TB 

Artist: VA
Title: TB or not TB
Label: acid303.net
Catalog#: tb-101
Format: CD
Released: 2011
[試聴]
[Amazon.co.jp] [iTunes Store]
パウダーさんことtecra氏主宰による "ハードオンリーの日本産アシッドコンピレーション" CD。
僕は言うまでもなくテクノ好きですが、こと制作環境については疎いのです。本作のように、わざわざハード縛りという条件を付けるということは、今はもうソフトウェアによる制作が大勢を占めてるということなんでしょうね。ま、そりゃそうか。今はDJでもPC使ってるひとがほとんどだもんな。それに、もしも今自分が高校生くらいだったとしたら、やはりPCでDJを始めるだろうし、おそらくソフトウェアだけで音楽作るだろうと思う。
そんなご時世にハード機材にこだわる理由は、もちろん音の良さや機材から出る音へのこだわりもあるんだろうけど、それとは別に、ある種のフェティシズムもあるんじゃないかしら。音作りをしない僕ですら、TB-303に対してはフェティッシュを感じる。それは90年代のアシッドリヴァイヴァルを経験したからだろうけど。
で、このコンピのジャケットは、そんなフェティシズムを上手く表現してる。こんなジャケットのコンピレーションがあったら、やっぱりMP3とJPGとかじゃなく、モノとして欲しいやん。ねえ?
と言うわけで、本CDは明日開催されるM3で販売されるそうです。M3って行ったことないしよく知らないけど、音楽版のコミケみたいなもんらしいです。コミケ自体もよく知らないけど。で、M3に行けないひとは特設サイトの通販で。こちらは909stateさんによる本作のリミックス盤『TB or not TB supplement』と、同じく909さんの『electric catantopidae human LP』とのセット。僕はこの通販で買いました。
実は、僕は先にプロモのMP3を送ってもらって聴いてたんだけど、アシッド好きにはたまらん格好良いトラックが満載。バッキンバッキンだったりトランシーだったり。みんなわかってるなー。あと(これ書いていいのかわからんけど)シークレット・トラック。こんな叙情的なアシッド久し振りに聴いた。アシッド好きを自認するひとは、このコンピは是非とも聴くべき。
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Acid Junkies - Part 1 

Artist: Acid Junkies
Title: Part 1
Label: Djax-Up-Beats
Catalog#: DJAX-UP-144
Format: 12"
Released: 1992
[試聴]
[Amazon.co.jp] [iTunes Store]
はい、思いつきで突発的に旧譜を取り上げるコーナー! DEATH!
90年代、オランダのDjax-Upの中でも特に人気の高かったテクノユニット、Acid JunkiesのデビューEP。彼らは90sアシッド・リヴァイヴァルの申し子みたいなもんですね。チープでエグいアシッドサウンドと、どこかかわいらしい雰囲気が特徴で、それは一連のスマイルマークのアートワークにも現れていると思う。
A面はストレートなオールドスクール・アシッド。もちろん原則として大好きなんだけれど、今回強く主張したいのはB面のほう。これが、今で言うシュランツみたいなBPM速めのゴリゴリのハードテクノ。しかも全編ラガ・テイスト。これ、やっぱり当時のレイヴ仕様ってことなんやろか。こんなにカッコ良いのに、このB面を評価しているひとを、俺は見たことがない。今はiTSだけではなくAmazonのMP3ダウンロードでも買えるので、いちどお試しあれ。
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砂原良徳 - liminal 

Artist: 砂原良徳
Title: liminal
Label: Ki/oon Records
Catalog#: KSCL 1666-7
Format: CD+DVD
Released: 2011
[試聴]
[Amazon.co.jp] [iTunes Store]
ゼロ年代の幕開けを告げた、と思われた前作『Lovebeat』は、実は90年代の幕引きを図った作品であった。
『Lovebeat』からほぼきっかり10年後に発表された本作『liminal』を聴くと、どうもそう思わざるを得ない。
1995年のソロデビュー作『Crossover』以降のまりんの作品を時系列に聴いていくと、本作は昨年のシングル『Subliminal』を経て、なお『Lovebeat』と地続きの作品であるように聴こえる。それは研ぎすまされた音色であったりぴんと張りつめた空気感のある空間処理だったりするのだが、同時に『Lovebeat』とは明らかに違っている部分がある。エッジの鋭く透明感のある純度の高い音像はさらに進化し、音楽の構造はより抽象的に、そしてより切迫した空気感に。果たしてここに希望の光はあるのだろうか。
こういうフォーマット然としない電子音楽って、少し前ならRaster-Notonとかから出ていてもおかしくないと思うけど、やはりKraftwerkの血は確実に感じるし、図太いエレクトロなビートのおかげで案外すんなりと聴かせて、そして聴き手に意識させないまま精神の内面を無慈悲にえぐり取っていく。
Cruise』(過去記事)のときに書いたとおり、現在の石野卓球は狭義のテクノとでも言うべき音楽をやっているが、今のまりんは広義のテクノとしか言いようがない音楽を、たった独りで押し進めている。
3・11以降の世界の、これはサウンドトラックになる。
(今から買うなら是非初回限定のDVD付を手に入れてほしい。まりん監督作品「LOVEBEAT (Live at Liquidroom 2009)」も良いのだけれど、「subliminal」のPVがかなりキてるので観ておこう。)
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田中知之 (FPM) - 渚音楽祭 presents In The Mix 

Artist: 田中知之 (FPM)
Title: 渚音楽祭 presents In The Mix
Label: Soul Works
Catalog#: SLWK-007
Format: CD
Released: 2011
[試聴]
[Amazon.co.jp] [iTunes Store]
東京ではすでに昨日行われましたが、大阪では今月の29日に開催される渚音楽祭2011春の公式ミックスCDを、FPMの田中はんが手がけました。当日CDの帯を持って行くと2,000円割引になるということなので、忘れずに持って行きたいと思います(同行者の分は前売券を購入済)。
さて、ミックスの内容ですが、意外やRobag Wruhmeという独アンダーグラウンド・テクノから始まって、ベースものやディスコ・テイストのトラックを経由して、アッパーなメジャーハウスやエレクトロに到達するという、田中はんらしい比較的レンジの広い選曲となっていて楽しめます。「Needin U」のカヴァーで涙!、とか。しかしCajmereの「Percolator」とか、田中はんこんなのもチェックしてるのか。
田中はんのミックスCDを聴くといつも、田中はんのこんなDJを生で聴きたいなぁと思うのだけれど、実際に現場に行くともっとアゲアゲ一辺倒の大味なプレイでどうしても食傷気味になってしまうのです。渚は野外だからさらにそんな可能性が高いのもわかってはいるのだけれど、それでも29日を楽しみに待ちたいと思います。ちなみに田中はんのほかには、テイトウワ、Buffalo Daughter、DJ Krush、A.Mochi、Yosa、Sugiurumnあたりが楽しみ。
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電気グルーヴ - ゴールデンヒッツ~Due To Contract 

Artist: 電気グルーヴ
Title: ゴールデンヒッツ~Due To Contract
Label: Ki/oon Records
Catalog#: KSCL 1775
Format: CD
Released: 2011
[試聴]
[Amazon.co.jp] [iTunes Store]
SINGLES and STRIKES』以来2作目となる電気グルーヴのベストアルバム。リリース情報を知ったときはカブってる収録曲も多いし、ほとんどが既発ヴァージョンの寄せ集めなので、さすがに買う必要を認めなかったわけですが、実は全曲まりんによるリマスタリング・ヴァージョンだという後出し情報のおかげで、今回もまんまと買ってしまった永遠の電気ファンの僕ちんです。
で、これが、全編に渡ってまりんの独自解釈による斬新なマスタリングにより!、と言うほどの代わり映えを感じることもなく(Cornelius『Fantasma』のまりんリマスタリングも未聴なもので)。まぁ、まりんはオリジナル・ヴァージョンを尊重するマスタリングという信条(?)らしいので。
いや、でも、「聖☆おじさん」ってこんなカッコ良かったっけ!? とかとか、リマスタリングのおかげで再発見もいくつか。
唐突ですが、個人的にまりんにいま一番リマスタリングしてほしい作品は、再生YMOの『Technodon』なんですね。あのおとなしめの音圧のアルバムを、クラブミュージック以降の音で鳴らしたのを大きい音で聴いてみたい。
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ヤン富田 - A.S.L. Space Agency 

110402.jpgArtist: ヤン富田
Title: A.S.L. Space Agency
Label: A.S.L. Research Service / Beams
Catalog#:
Format: Book + CD×2
Released: 2011
[試聴]
[Amazon.co.jp] [iTunes Store]
2009年1月11日に大阪のClub Noonで行われたヤンさんのコンサートの完全記録集。僕もこのコンサートには行きましたが(過去記事)、膨大な写真とテキストと資料、そして2枚のCDに渡る記録のおかげで僕の当時の記憶も鮮明によみがえってくる。
先ずおどろいたのは手書きのシリアルナンバーとヤンさんのサイン(僕のは223/300番でした)。そしてTuttleさんのテキストが沁みる。CDにはグダグダなMCやら何やらも含めて、コンサートの模様がほぼすべて収録されているのがまた凄い。終演前に会場を出てしまったため聴けなかったアンコールもこうして聴くことが出来て、感無量。それに「音楽の哲学とカラード・トーンを付与したバイオフィードバック解析」とか「X軸・Y軸・Z軸に於ける空間と音の考察」なんて、音楽の曲名とは思えないくらいかっこいい。
Marginal Recordsの店舗で、予約開始の前日に値段も確認せずに予約してしまったおかげで、先月も、そして今月も手元不如意なわけですが、多分値段を知っていても買っていたと思う。こいつは家宝にします。
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