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 2011年04月 

砂原良徳 - liminal 

Artist: 砂原良徳
Title: liminal
Label: Ki/oon Records
Catalog#: KSCL 1666-7
Format: CD+DVD
Released: 2011
[試聴]
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ゼロ年代の幕開けを告げた、と思われた前作『Lovebeat』は、実は90年代の幕引きを図った作品であった。
『Lovebeat』からほぼきっかり10年後に発表された本作『liminal』を聴くと、どうもそう思わざるを得ない。
1995年のソロデビュー作『Crossover』以降のまりんの作品を時系列に聴いていくと、本作は昨年のシングル『Subliminal』を経て、なお『Lovebeat』と地続きの作品であるように聴こえる。それは研ぎすまされた音色であったりぴんと張りつめた空気感のある空間処理だったりするのだが、同時に『Lovebeat』とは明らかに違っている部分がある。エッジの鋭く透明感のある純度の高い音像はさらに進化し、音楽の構造はより抽象的に、そしてより切迫した空気感に。果たしてここに希望の光はあるのだろうか。
こういうフォーマット然としない電子音楽って、少し前ならRaster-Notonとかから出ていてもおかしくないと思うけど、やはりKraftwerkの血は確実に感じるし、図太いエレクトロなビートのおかげで案外すんなりと聴かせて、そして聴き手に意識させないまま精神の内面を無慈悲にえぐり取っていく。
Cruise』(過去記事)のときに書いたとおり、現在の石野卓球は狭義のテクノとでも言うべき音楽をやっているが、今のまりんは広義のテクノとしか言いようがない音楽を、たった独りで押し進めている。
3・11以降の世界の、これはサウンドトラックになる。
(今から買うなら是非初回限定のDVD付を手に入れてほしい。まりん監督作品「LOVEBEAT (Live at Liquidroom 2009)」も良いのだけれど、「subliminal」のPVがかなりキてるので観ておこう。)
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