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 2011年05月 

VA - Mothership 

Artist: VA
Title: Mothership
Label: Juice Records
Catalog#: JUICE cd1
Format: CD
Released: 1993
[試聴]
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オーストラリアのトランス・レーベルJuice Recordsによる1993年のコンピレーション。
トランス・レーベルとは書いたが、それは当時このレーベルがトランス・レーベルと呼ばれていたからであって、このレーベルの音源は今回紹介するこのコンピレーション以外聴いたことのなかった俺にとっては、このレーベルがトランス・レーベルと呼ばれることに対して正直言ってピンと来なかった。先日Juice Recordsの2作目のコンピレーションCD『Outpost』(1994年)を手に入れて、初めて、あぁトランス・レーベルだったんだな、と思い至った次第。
のちに同じくオーストラリアのハウス・レーベルDirty House Recordsで活躍することになるDJ HMCや、『電気グルーヴのオールナイトニッポン』最終回で紹介されたRotation(ラジオでかかった「Ricochet」は前述の2ndコンピ『Outpost』に収録)らのトラックが収録されているが、ここで聴けるのは、当時トランスと聞いて容易に想像することが出来た典型的なジャーマントランス系の音楽ではない。もちろん当然のように303は使われているがごく控えめに鳴っているし、むしろ今改めて聴いてみると、デトロイトっぽいエモーショナルでフリーキーなシンセ使いや、インテリジェントテクノ系の繊細なビート・ストラクチュアが心地良い。
つまり、このアルバムには実は、当時のインテリジェントテクノ(ベッドルーム)とトランス(ダンスフロア)の二極を繋ぎ合わせるという壮大な目論見があったんじゃないかと、今さらながらに妄想(永遠と名づけてデイドリーム)してしまうのです。
そういう前提でこのアルバムを捉えてみたところで、この後、テクノシーンはシカゴ・リヴァイヴァルからハードミニマル・エクスプロージョンに収束する訳で、そんな壮大な目論見は今思うとお寒い限りではあるが、そんな枝分かれしたシーンがどこかにあっても良かったんじゃないか、なんてことも思います。逆に、現時点で懐古趣味の対象となりにくい音楽である分、今でも新鮮に聴くことができるのは良い点でしょう。
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