The Best Discs of 2019 1st Half (2019年上半期ベスト) 

※ アーティスト名もしくはレーベル名のアルファベット順です。

DJ ANACONDA / ANACONDA TRAX vol.1

唐突にリリースされたCRZYKNYの変名。この名義では90年代のシカゴUC周辺のオマージュと思われるUSハードハウス(端的に言うとガバっぽいシカゴ・ゲットーハウス)をやっていてとにかくぶち上がる。昨年のアルバム『GVVVV』でも突如ストイックすぎるガバを世に送り出した氏の振れ幅のある活動に興味は尽きない。

Kenmochi Hidefumi / 沸騰 沸く 〜FOOTWORK〜
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Kenmochi Hidefumi 9年ぶりのソロ・アルバムは、タイトルの通りジューク/フットワークに焦点を当てたもの。"水曜日のカンパネラのケンモチヒデフミ" としての活動を経て手にしたユーモアやジョークの方ではなく、もう一方のベース・ミュージック以降のダンス・ミュージックの肉体性をフロントに押し出してきた。と言っても全くシリアスにはならず、流麗な叙情性やキッチュさを武器に、意外すぎるくらいにゲットー感をほとばしらせて最後まで一気に突っ走っている。

サカナクション / 834.194
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6年ぶりのオリジナル・アルバム。って言うか6年間の活動の集大成的なベスト・アルバム、と表現したほうがひょっとしたら正確かもしんない。新曲で見せたいわゆるシティポップ的な方向性も新たな武器となっているし、エレクトロニック・ミュージックの前衛をポップスの領域で押し広げんとする野心も健在。どの曲もベースがめっちゃ出てるのもスバラシイ。

xiangyu / はじめての◯◯図鑑
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Kenmochi Hidefumiがサウンド・プロデュースを行う "新人シンガーソングライター" の7曲入りEP。自身のアルバムとは対象的に、ユーモアもジョークも最新ダンス・ミュージックにインスパイアされたバラエティに富んだ音楽性も、すべてを飲み込んだ混沌と遊び心満載の作品となっている。xiangyuという新たな遊び場兼実験場を手に入れたからこそ、自身のソロでは1つのジャンルに良い意味で固執することができたのだろう。そういう意味で『はじめての◯◯図鑑』と『沸騰 沸く 〜FOOTWORK〜』はある種表裏一体の作品と言えよう。

DJ Zinc / Crack House Vol. 3
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UKベース・ミュージックのベテランDJによる、僕も大好きだった人気シリーズまさかの9年ぶりの新作。自ら名付けた "クラックハウス" なるスタイルでジャングル/ドラムンベースからベース・ハウスへと華麗に転身したものと思っていたが、今年6月の来日時のDJではベース・ハウスとジャングル/ドラムンベースのハイブリッドなめちゃくちゃかっこええプレイを聴かせてくれた。このひとの根っこにあるのはレイヴであり、ハウスだドラムンだといったジャンルやスタイルの違いは実にどうでもいいことだったのだと10年越しに目が覚めた。