岡村靖幸 - yellow 

Artist: 岡村靖幸
Title: yellow
Label: Sony Music Direct (Japan) Inc.
Catalog#: MHCL 20138
Format: Blu-spec CD
Released: 2012/2/15
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※ 2012年2月にエチケット・プラスで初めて岡村靖幸を見てファンになった男によるディスクレビューです。昔からのベイベは、新しいファンはこういう感想を持つのか、という感じで読んでいただけるとありがたいです。

『yellow』は、1987年3月21日に発売された岡村靖幸の1stアルバム。
岡村靖幸はこれ以前に19歳で作曲家としてデビューしており、渡辺美里や吉川晃司らに楽曲を提供していた。渡辺美里のレコーディング中にスタジオで踊っていたところをディレクターに見初められ、自身もシンガーとしてデビューするきっかけになった。ということはよく知られた逸話だったが、さいきんの自身の発言からは、あらかじめシンガーとしてのデビューは予定されていたことが明らかになっており、おそらくデビューの際にプロフィールに箔を付ける目的もあって、レコード会社もしくは事務所があらかじめ作曲家としての活動をさせていたものと思われる。
そんな経緯はともあれ、岡村靖幸は1986年12月1日にシングル『Out of Blue』で21歳でシンガーとしてデビューする。デビュー・シングル発売の2ヶ月前からラジオのレギュラー番組を担当していたことから、レコード会社も売り出しに力を入れていたいわゆる "期待の新人" であったことが容易に想像出来る。
作詞、作曲、編曲、すべての楽器の演奏、そしてライヴ・パフォーマンスと、完璧主義者のマルチプレイヤーのイメージが強い岡村靖幸だが、このアルバムでは編曲に西平彰、一部の曲の作詞に神沢礼江が参加している。さすがに岡村靖幸と言えど、デビュー前のハタチそこそこの若者は、経験も技量もまだまだ満足いく内容のものを持ち合わせていなかったということだったのかも知れない。

01. Out of Blue
切迫した疾走感があるデビュー曲。アレンジには80年代風の古さが感じられ、逆に僕はそのテイストが新鮮で結構好き。岡村靖幸がよくやるジャカジャカとしたギターのストローク、そして「フォーッ!」という雄叫びがすでにこの時点で聴くことが出来る。今でもライヴのラストで歌われる定番曲だが、近年このアルバムからはこの曲以外演奏していないみたい。
02. Young oh!oh!
アルバムからシングルカットされた3rdシングル。ホーンが鳴り響くアメリカンロック調のパワーポップなんだけど、この曲はYouTubeで観ることが出来る尾崎豊とのライヴセッションの動画がいかにも楽しそうで最高。
http://youtu.be/bjg40a-fr5k
03. 冷たくされても
どうやら誰も指摘していないみたいなので僕が書く。この曲のイントロはシカゴハウスのジャッキンなテイストをアレンジに取り入れることを意図しているのでは? 楽曲全体としてはむしろ牧歌的な雰囲気すら漂うが。
04. Check Out Love
アルバムの先行シングルとして発売された2ndシングル。裏声で歌われるサビなんかを聴くと、数年後にはスロットル全開となる岡村靖幸のハレンチ路線の萌芽を感じる歌謡ファンク。
05. はじめて
ピアノで弾き語られる切ないバラード。中盤からのストリングスによる盛り上がりが美しい。
06. Water Bed
後の岡村靖幸の大きな特徴である、ほとばしる変態性愛がすでに先っちょだけ入ってる濃密なエレクトロファンク。ここで初めて岡村靖幸の語り(科白)芸が聴けるが、まだあまりハレンチさは感じない。
07. RAIN
大仰なストリングスとホーンが古さを感じるアレンジだが、「Out of Blue」と同じで僕はこのテイストは結構好き。もしかしてデビュー当時は、レコード会社は岡村靖幸に尾崎豊的なロック歌手路線の楽曲を求めていたのかしら。
08. 彼女は Science Teacher
というようなことは、「Young oh!oh!」と同系統のロックチューンであるこの曲を聴いても思う。歌詞はむしろ背伸びしたアーバンな大人の恋愛といった初期岡村靖幸の萌芽を感じるので全然尾崎っぽくはないんだけれど。
09. White courage
歌詞はまだまだ凡庸(岡村靖幸的なこじた部分がない)ではあるものの、美しく切ないバラード。

岡村靖幸のアルバムの中では比較的評価の高くない『yellow』ではあるものの、実はすでに "岡村靖幸的" な部分は存分に楽しめる。って言うか、まだ加減がわからないのでおそるおそるやってみたら、結果としてちょっと遠慮がちになってしまった、という感じだったのかも知れないし、他の作品と比べて他者の介在している割合が強いからなのかも知れない。これ以降の作品を順に聴いていくと、徐々にそういったアクセルのさじ加減が身に付いていくことがわかる。

yellowyellow
(2012/02/15)
岡村靖幸

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