tofubeats - Don't Stop The Music 

Artist: tofubeats
Title: Don't Stop The Music
Label: unBORDE
Catalog#: WPZL-30767
Format: CD + Flexi-disc
Released: 2013/11/13
[Amazon.co.jp] [試聴]
僕が音楽を、レコードやCDではなく、主に音声ファイル(オーディオ・データ)を電磁的記録装置にダウンロードする方法により手に入れて聴くようになって数年が経つ。
データが優れていたのは、レコードやCDよりも安価で、レコードやCDと違って欲しいと思った瞬間に以前は自宅から、今は通信がつながる場所であればどこにいても直ちに手に入れることができ、そしてレコードやCDと違ってかさばらず部屋の床面積を占有することもない、という部分だった。それに加えて、特にテクノというジャンルはそうなのだが、所持せずに今に至って入手困難となった過去の名盤や隠れた良作であっても、データであれば手に入るケースが多い、という状況も関係している。
反面、データだとジャケットも盤自体も存在しないので当たり前ではあるが、手に触れることも匂いを嗅ぐこともなく、そもそも "音楽を所有する" 感覚が希薄だ。とは言え、上に書いた理由で(主には経済的事情であるが)僕はレコードやCDではなくデータを選び続けてきた。
さて、先日ふと気づいたことがある。僕は普段、音楽をクルマの運転中に聴くことがほとんどなので、いつものようにクルマに積み込むCDを選んでいたところ、結構な割合で "データ購入期" 以前の作品ばかりを手にしているのだ。もちろんデータで手に入れた音楽についても、気に入ったものはクルマで聴くためにCD-Rに焼いてジャケットを印刷してケースに入れてCDラックに収納しているので選択する際の条件としてはさほど変わらないはずなのにもかかわらず。
要は、データ購入期の音楽はそれ以前の音楽とくらべて自らの思い入れが希薄なのだ。これは、データが音楽を所有する感覚が希薄なのと関係しているように思う。
何を今さら、と思われるかも知れない。しかし言えることは、音楽を愛する僕のような人間にとって、自分の人生の一定期間に聴いてきた音楽に対して思い入れがほとんど持つことがないという事実は、きわめて悲しく重大な事象である。これは本当にまずい。
そんなわけで、僕は転向する。データでしか手に入らない音楽は別として、なるべく安価で手軽なデータではなく、レコードやCDを買うように心がけたい。実は、そのためにターンテーブルも買い替えた。なんともめんどくさい音楽を所有する感覚が、本当に僕の音楽自体への思い入れを生み出すのかどうか、それは今後自己観察していきたいとは思っているけれど。

tofubeatsのメジャー・デビュー・シングル。CDなのだが初回盤のジャケットは7インチ・サイズで、しかもフレキシ・ディスク(いわゆるソノシート)がついている。"音楽を所有する感覚" を満たすのに、こういうフェティッシュな感覚って大事。
リード曲「Don't Stop The Music」は、何と森高千里が歌う、キャッチーな歌メロの愛すべきポップス。近年の関西のクラブ事情を知っている者にとっては、「朝が来るまで終わる事の無いダンスを」と同じく、そこから無理矢理メッセージを紡ぎだしたくもなるが、それよりも何よりも、この作品がJ-POPであるにもかかわらず間奏で高らかに鳴り響くアシッド・サウンドに、僕は胸を熱くする。

Don't Stop The Music (初回限定盤:CD+ソノシート)Don't Stop The Music (初回限定盤:CD+ソノシート)
(2013/11/13)
tofubeats

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Don't Stop The Music (通常盤)Don't Stop The Music (通常盤)
(2013/11/13)
tofubeats

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Tracklist:
CD:
01. Don't Stop The Music feat. 森高千里
02. おしえて検索 feat. の子 (神聖かまってちゃん)
03. 神戸で逢えたら
04. In Real Life
05. Don't Stop The Music feat. 森高千里 (tofubeats URL mix)
06. Don't Stop The Music (Instrumental)
07. おしえて検索 (Instrumental)
08. 神戸で逢えたら (Instrumental)
Flexi-disc:
01. 朝が来るまで終わる事の無いダンスを (mix for Don't Stop The Music)
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コメント

最近CDやレコードをまた前みたいに買うようになったのは、そーゆーことがあったりする。
パソコンで音楽を聞くようになって、デジタルの便利さを感じたけど、私は無い物より有る物で妄想したりする方が性にあってるなーって最近やっと気付いたよ。ここ6、7年近くはデジタルで済ましてた。
やっぱね、手に取って見るってこと。それって感じ方は色々あるけど大事だよね。
ああ、この人はこんなこと考えて作ったんかな?とか、ジャケットとかクレジットとか見たり読んでると、音楽って耳から聞く見えないものだけど、視覚に触れられる唯一のものからまた違った発見があったりしてね。
それって、デジタルだけじゃ味わえないよね。
私ね、今更だけどデジタルで買ったのを現物として買い直したりしてるわ。でも探すのが楽しかったり、場所は取るしお金もかかるけど、その分楽しさは半端ないよ。
  • [2013/12/14 17:57]
  • |
  • lune@只今一人焼肉中with焼酎
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仕事が多忙を極めていた頃、音楽を聴くこと=iTunesにリッピングすることになっていたことがありまして。
その時の気持ちを思い起こさせる投稿にハッとさせられました。

そう、どこかに所有欲があることは否定できない。
ジャケ買いする楽しさもあるし。

レコード屋さんでクラフトワークやYMOのパロディジャケを発見しただけでワクワクする気持ち。
デジタル買いだけでは味わえないよ?w
  • [2013/12/14 21:34]
  • |
  • koh
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もともとディスクを回して聴いて来ましたが、何度か
試してみようとデータで聴いてみたんですが、何と逆にほとんどまともに聴いてない・・・BGM程度にはなってることありましたが・・・やはりレコードやCDでステレオでしっかり聴く機会が多いです。ジャケのアートワークや歌詞を読んだりもしますが、実物あった方が曲名を覚えてなくても感覚で曲や音を摑んだりしているようで、これは面白いなと思って、もっぱらCDです。
  • [2013/12/16 00:02]
  • |
  • 存在する音楽
  • [ 編集 ]
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>> luneさん

あとね、データを選んでた時期って、今から思うと、CDを買ったとしてもデータで聴くのと同じような聴き方しかしていなかったと思う。
音楽の聴き方がおざなりだったなぁ。

> デジタルで買ったのを現物として買い直したり

わかる。アナログでも持っておきたくなってきた、最近。
  • [2013/12/17 00:23]
  • |
  • びびんば
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>> kohさん

そう、僕も忙しかったのかなぁ。

ただ、今も昔のような音楽を聴く時間はあまりないけど、だからこそひとつひとつ聴く音楽を大事にしたいと思うようになったんだよね、
  • [2013/12/17 00:26]
  • |
  • びびんば
  • [ 編集 ]
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>> 存在する音楽さん

> 実物あった方が曲名を覚えてなくても感覚で曲や音を摑んだりしている

これもおっしゃるとおりですね。面白い。
ジャケットのデザインや色や質感や、色んな印象が音楽の記憶に上書きされているんですよね。
データだとこういうことは皆無です、確かに。
  • [2013/12/17 00:30]
  • |
  • びびんば
  • [ 編集 ]
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