岡村靖幸w小出祐介 - 愛はおしゃれじゃない 

Artist: 岡村靖幸w小出祐介
Title: 愛はおしゃれじゃない
Label: V4 Records
Catalog#: XQME-1002
Format: File
Released: 2014/04/02
こうして岡村靖幸の新作がわずか半年という短いスパンでリリースされるなんてこと、1年前には考えもしなかったし、前作『ビバナミダ』(過去記事)が出たときもそんな期待はいっさい抱かなかった。しかもその新作が最高ときているから本当に始末に負えない。

岡村靖幸のニューシングル『愛はおしゃれじゃない』は、Base Ball Bearの小出祐介との共作・共演。
岡村靖幸は作曲、ヴォーカル、演奏、アレンジ、プロデュース、小出祐介は作詞とヴォーカルを担当している。

今の岡村靖幸は歌詞が書けない。
彼の新作が長らく表に出ない原因はそれなので、今新曲が出るとすれば、『ビバナミダ』と同様に作詞を他者に委ねるであろうことは充分に予想していたし、また、過去に他のアーティストに提供した楽曲のセルフカヴァー集をリリースすることでお茶をにごすこともあり得るだろうと思っていた。その予兆は『ビバナミダ (スペース☆ダンディ盤)』(過去記事)でもあったわけで。

それでも、ヴォーカルまで他者に半分委ねるなんてことは予想の斜め上(いや、斜め下か)で、最初にこのニュースに接したときは、正直言ってあまり好ましい印象を持つことは出来なかった。それは単純に、作品に他者が介在する割合が増えれば増えるほど、岡村靖幸の魅力である彼独特の粘度が希釈される方向に向かうだろうと感じたからなんだけど。

透明感のあるギターのカッティングに清涼感のあるハウスビートが重なるイントロからグッと気持ちを掴まれたと思う間もなくいきなり出てくるサビの役割も果たしているAメロで "モテたいんだ君にだけに いつもそればかり考えて" なんて岡村靖幸にしてみればストレート過ぎる歌詞なんだけどそれよりこのさわやかで高揚感のある神がかったメロディ何だこれお前天才か!

そんな心配なんてまるでなかったかのような、「愛はおしゃれじゃない」をラジオやYouTubeとかではなくちゃんと自前のスピーカーで聴いたときの僕のはじめての感想が今のになります。

他人に提供した曲でも岡村靖幸が作った曲は岡村靖幸の曲にしか聴こえないし、他人が作った曲でも岡村靖幸が歌った瞬間にその曲は岡村靖幸のものになる。仮に、最悪岡村靖幸がまったく歌わなかったとしても、これはまぎれもなく岡村靖幸の曲でしかあり得ない。それが岡村靖幸。

今回の「愛はおしゃれじゃない」も「ラブビデオ」も、今の岡村靖幸に、小出祐介の若さゆえの疾走感(ただしこの疾走感は若い頃の岡村靖幸は持ち得なかったものでもあるけど)が加わって、とても新鮮に聴こえる。
確かに岡村靖幸の粘度は若干希釈されてはいるけど、それを補い余る青春ポップチューンに仕上がっている。最後にもう1回書く。最高。

愛はおしゃれじゃない愛はおしゃれじゃない
(2014/04/02)
岡村靖幸 w 小出祐介、岡村靖幸 他

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Tracklist
01. 愛はおしゃれじゃない
02. ラブビデオ
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