水曜日のカンパネラ - 私を鬼ヶ島に連れてって 

Artist: 水曜日のカンパネラ
Title: 私を鬼ヶ島に連れてって
Label: Tsubasa Records
Catalog#: TRNW-0070
Format: File
Released: 2014/10/29
水曜日のカンパネラは、"主演/歌唱" 担当のコムアイ、"作曲/編曲" 担当のケンモチヒデフミ、"それ以外" 担当のDir.Fの3名からなるグループ…なんだけど、ライヴ等で表舞台に立つのはコムアイひとり、というちょっと変則的な形態のバンドだ。
『私を鬼ヶ島に連れてって』は水曜日のカンパネラ4枚めのミニアルバム(ミニアルバムって言っても、毎作8〜9曲は入ってるんですけど)。僕は今までdemoシリーズのシングルCDを買ったりはしてたけど、アルバムを聴くのは本作が初めて。

水曜日のカンパネラ以前はソロでバレアリックなブレイクビーツをやっていたケンモチヒデフミが作るトラックは、叙情的なテックハウスが中心で、そこにコムアイのちょっと浮き足立った感じの不安定なラップが乗るというのが基本的なスタイル。コムアイに歌われる歌詞には80年代90年代サブカルチャーからの引用が多く、韻を踏む=ダジャレだと信じて疑わないかのような情報の羅列のほとんども、実はケンモチヒデフミの手によるものだ。
ケンモチヒデフミとDir.Fは30代前半、コムアイに至ってはまだ22歳という若さであることを知ると、歌詞のモチーフとなる80年代90年代サブカルが上手く記号化されていることにも納得できる。これは、90年代サブカルを引きずっている世代(僕も含めて)にはなかなか難しいものだ。

僕は、このアルバムが目下ヘヴィーローテイション状態で、何度も何度も繰り返し再生ボタンをクリックしてしまう中毒性にやられてしまっている。
繰り出される冗談だけみたいな詞と、それが乗るメロディの瞬発力、そしてコムアイのヴォーカルの個性。何度も何度も聴きたくなるし、そして何度も何度も口に出してみたくなる。そんなフレーズがかなりのハイテンポでポンポン投げつけられるのは本当に小気味いい。
それは例えば「千利休」の "へそで茶がwack インスタントグリーンティーPack" や "新茶摘まない つまらないやつに 用はない" だったり、「桃太郎」に登場するキラーフレーズ "き・び・だーん!きびきびだーん!" だったり "魂の16連射!" だったり、はたまた「ドラキュラ」の "血〜す〜たろか〜" に至るまで、だ。
(それはそうと、「ドラキュラ」のトラックがいちばんカンパネラ以前のケンモチヒデフミの作風っぽいよなぁ。単純にギターが入ってるからそう感じるだけかもしれないけど。)

つかみどころのない異質なものに対して強烈な興味を抱いてしまった、というのが現在の僕のこのグループに対する状況なのかな。水曜日のカンパネラもケンモチヒデフミも、過去作品は配信で聴くことができるので(CDは買うことができる店舗が限られていたりするので)、このアルバムを聴いてしまってからと言うもの、過去作品にも順番に当たっているところでありますよ。
そして今いちばんライヴを体験してみたいバンドでもあります。俺全力で "キッヴィッダーンッ!" 言うよ。

私を鬼ヶ島に連れてって私を鬼ヶ島に連れてって
(2014)
水曜日のカンパネラ

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Tracklist
01. 千利休
02. 桃太郎
03. エンゲル
04. チャイコフスキー interlude ラモス
05. インカ
06. デーメーテール
07. ジャンヌダルク
08. ドラキュラ
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