小沢健二 魔法的 Gターr ベasス Dラms キーeyズ @ Zepp Namba 2016/06/05 

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小沢健二は魔法使いだ。

魔法にはいくつかの種類がある。
そして小沢健二の使う魔法は、他のアーティストがあまり使うことのないタイプのものだったかもしれない。

小沢健二6年ぶりの全国ツアー、魔法的。大阪公演の2日目を見てまいりました。個人的にも6年ぶり、そして2度目の小沢健二のライヴでした。

過去記事:ひふみよ 小沢健二コンサートツアー二零一零年五月六月 @ 神戸国際会館 2010-06-06 (2010/06/09)

今回は、ツアーのサブタイトルの通りのシンプルなバンド編成で、ホーンセクションは無し。代わりにメンバー紹介の際に "アナログ機材" と称される、テルミン、電子パーカッション、チューブラーベルなどを操るバンドメンバーがいた(ちなみにそのひとはかつて「今夜はブギーバック」をカヴァーしたこともある某ユニットのメンバーである。こんなところでその姿を見ることになるとは思ってもみなかった)。

披露された全17曲のうち、7曲が新曲。
それらの新曲は歌詞がスクリーンに投影され、またアンコールにおける斬新な趣向の演出の効果もあり、初めて聴く曲ばかりであるにもかかわらず、馴染みにくさを感じることはごくごくわずかにおさえられた。
逆に、残りの10曲の既発曲は、今回のツアーのバンドに特化された新しいアレンジに改変されていることから、新鮮さと若干の戸惑いを持って目の前に現れた。
つまり新曲と旧曲がお互いに歩み寄りを見せることで、おおよその中間点に落ち着いてバランスし、それなりの統一感を持って観客に迎え入れられることに成功していた。

新曲は、1997年頃の一連のシングル作(『Buddy/恋しくて』『指さえも/ダイスを転がせ』『ある光』『春にして君を想う』 )などと似た空気感があり、なおかつそこに現在の、父親となった小沢健二から紡ぎだされる歌詞によってアップデートされた楽曲という印象。
20年近く行き先を迷いさまよった方向性が、紆余曲折を経て1997年と2016年がようよう直結した、という新曲群。これらは音源化するのかしないのか…。僕は、しないんじゃないかと思ってる。それか、もしもする場合はライヴ音源をそのまま出すとか。

エスノな頭飾りを身に着け、顔にペイントを施した小沢健二の声は、20数年前よりも太く、力強さを感じるものだった。
しかしその佇まいや一挙手一投足(両手を握りしめて胸の前でキュッとするポーズとか、ギターを弾きながらぴょんぴょん跳ねる動きとか)には可愛らしさと若々しさが全快の、"変わらない" 小沢健二そのものであった。青年47歳。

そんな至福の時間は、アンコールの最後の言葉によって唐突に終わる。
「これが最後のカウントダウンです。」「ごー、よん、さん、にー、いち…。」

「日常に帰ろう。」

魔法が、解けた。

こんな残酷で、観客を一気に突き放す言葉があるだろうか。
逆説的に言えば、この言葉によって初めて、僕達はライヴ中に小沢健二の魔法にかかっていたことを知るのだ。

小沢健二の帰る日常とはどんな景色なのだろう。
自分の日常も美しいものにしていかなければいけない。そんなことを思う。

しかし、今から思い返すと、本当はあの言葉で魔法が解けたのではなく、実はあの言葉で魔法にかけられたのかもしれない。
甘いライヴの時間を再び希求する気持ちと同様に、美しい日常を希求する意識を芽生えさせられたのかもしれない。次のライヴを観るまで。
そんなことも思う。

これが小沢健二が使った魔法の正体なのかもしれない。

ところで "Gターr ベasス Dラms キーeyズ" ってサブタイトルを見ると、どうしても真保☆タイディスコの "住m場syo着るmのからまって" を思い出してしまうのは僕だけ?

セットリスト
01. 昨日と今日
02. フクロウの声が聞こえる
03. シナモン (都市と家庭)
04. ホテルと嵐
05. 大人になれば
06. 涙は透明な血なのか? (サメが来ないうちに)
07. 1つの魔法 (終わりのない愛しさを与え)
08. それはちょっと
09. ドアをノックするのは誰だ?
10. 流動体について
11. さよならなんて云えないよ
12. 強い気持ち・強い愛
13. 超越者たち
14. 天使たちのシーン
15. 飛行する君と僕のために
16. ラブリー
17. その時、愛
(アンコール)
18. シナモン (都市と家庭)
19. フクロウの声が聞こえる
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