水曜日のカンパネラ - SUPERMAN 

Artist: 水曜日のカンパネラ
Title: SUPERMAN
Label: Warner Music Japan
Catalog#: WPCL-12464
Format: CD
Released: 2017/02/08
既発の「アラジン」「カメハメハ大王」(from『SUPERKID』/過去記事)「一休さん」(過去記事)を含む、水曜日のカンパネラ、メジャー初のフルアルバム。

前作EP『UMA』(過去記事)は外部プロデューサーを複数迎えた結果、メンバーでありサウンド・プロデューサーのケンモチヒデフミの手による楽曲が半数以下に抑えられたという経緯もあり、全曲ケンモチヒデフミ謹製のフルアルバムの発表は、僕も含め多くのカンパネラーたちが心待ちにしていたところであろう。特に『UMA』収録の「チュパカブラ」と「ツチノコ」が本当に素晴らしかったので、このクオリティの高いトラックで埋めつくされたアルバムを聴いてみたかったと、個人的にも『UMA』リリース時には実に残念な思いをしたものだった。

本作『SUPERMAN』のトラックに関しては、大きな跳躍を魅せた前作アルバム『ジパング』(過去記事)と同様にフューチャーベースを中心に、煌めきディスコテック、R&B/ガラージ、トロピカルハウス、そしてベースハウスといったバリエーションが彩りを添えている。このことはケンモチさん自身からも今作は前作の延長線上の音になるといった発言があった通りで、これは停滞ではなくむしろ円熟と発展であると捉えておきたい。期待通り最新&最高のエレクトロニック・ダンス・ミュージックであり、安定感すら感じる。
既発曲以外では、レイヴピアノ連打のエピックなベースハウス「オードリー」と、UKガラージにハードコアテクノのテイストを混ぜたような「オニャンコポン」が出色の出来。
そして全体を覆うのはダークサイドとは無縁に思われるポップでポジティブな空気感。これもメンバーの発言にあったとおり、バッドトリップ感のあった『UMA』からの反動なのだろう。本作『SUPERMAN』においては、これが虚構であることを声高に主張するかのように、どこまでもどこまでもキラキラとしている。

といった感じで、本作『SUPERMAN』の仕上がりは期待通り・想像通りで、大きな跳躍は見られないものの安定したクオリティを維持している。……というわけでは実はまったくなくて、個人的には想像もしていなかった大きな跳躍を再び魅せてくれた。それは何を隠そう、コムアイのボーカルである。
以前からコムアイのキャラクターの面白さやパフォーマーとしての才能に関しては揺るぎのない信頼を持ってはいたが、本作におけるコムアイのボーカルは、その唯一無比の声質と個性だけではなく、見事なまでの伸びやかさと表現力の豊かさを自らのものとしている。これには本当におどろいた。まさかコムアイがボーカリストとしてこれほどまでのポテンシャルを発揮して大化けするだなんて。

ケンモチさんの最強トラックに、コムアイさんの最強ボーカルが加わることにより、もはや現在の水曜日のカンパネラには全能感しか感じない。
他にも、練りに練られた歌詞の重箱の隅をつついたり「アマノウズメ」泣けるとかっていろいろ語りたいことはありすぎるくらいにあるのだが、本稿の論点がぼやけそうなのでまたの機会にするとしても、最後にこのことだけは言っておきたいてか言わせてくださいたのむ。

『SUPERMAN』は、間違いなく水カン史上最高傑作であると。



Tracklist
01. アラジン
02. 坂本龍馬
03. 一休さん
04. オニャンコポン
05. チンギス・ハン
06. チャップリン
07. オードリー
08. カメハメハ大王
09. 世阿弥
10. アマノウズメ



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