小沢健二 春の空気に虹をかけ @ 大阪城ホール 2018/04/29 


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一昨年のツアー "魔法的"(過去記事)以降、3枚のシングル発売にフジロックや数々のテレビ出演と、近年になくその(商業的な)活動の密度を上げてきた小沢健二による、2018年の春に行われた東京・大阪の全4公演 "春の空気に虹をかけ"。
今回のライブのテーマが "36人編成ファンク交響楽" であることは当初から明かされていたことではあるのですが、僕は正直言ってその意味を掴みかねていました。
蓋を開ければそこには特に何のレトリックもなく、文字通り36人編成楽団によるファンク交響曲を中心に奏でられるまごうことなき小沢健二の世界だったのですが、僕を含め聴衆の誰しもが予想していなかったであろう、あるひとつの要素が加わることにより、今回のライブの意味性そのものが大きく変容したことはやはり大きな驚きと言えるでしょう。
それは、36人の楽団メンバーのひとりでもあり、開演から終演まで、常に小沢健二の傍らに寄り添いながら、ギターやパーカッションの演奏だけでなく、ヴォーカルやコーラスから照明やパフォーマンスまでをこなす、満島ひかりの存在。
最新シングル『アルペジオ』において競演を果たしていることから、彼女が登場すること自体は特段大きなサプライズではなかったのだけれど、それにしても全編に渡って小沢健二と満島ひかりのツインヴォーカルと言っても過言ではない様相を目の当たりにしてしまうと、今回のツアータイトルなどは、"小沢健二と満島ひかり 春の空気に虹をかけ" とするのが正確であり本来の姿ではなかったのかと思ってしまいます。
ところで、36人編成のうちざっと見て実に25人ほどが服部隆之率いるストリングスだったのですが、その重層的でゴージャスな音の響きは贅沢であり、特にライブ中盤の「フクロウの声が聞こえる」以降で奏でられた躍動的な音の塊、「戦場のボーイズ・ライフ / 愛し愛されて生きるのさ / 東京恋愛専科・または恋は言ってみりゃボディー・ブロー / 強い気持ち・強い愛」という煌めきと強さのある曲たちが次々と顕れては移り変わっていく交響詩には高揚感があり、「流動体について」は「ある光」のアンサーソングだとする僕の主張を証明するかのような「ある光」から「流動体について」への繋ぎなども含め、箱庭に囲まれたマジカルな世界は健在でした。
魔法的のときと同様に「生活に帰ろう。」という小沢健二からの最後の言葉によりマジカルな世界は雲散霧消するのですが、前回と違って突き放された感がなかったのは、小沢健二と満島ひかりの主役ふたりが終始楽しそうにしていた印象が大きかったからかもしれません。
この例えが正しいのかどうか僕にはよくわからないのですが、まるで披露宴のような幸せでちょっと浮わついた気持ちが残るようなライブだったなぁ、何故か。

小沢健二 春の空気に虹をかけ @ 大阪城ホール 2018/04/29 セットリスト
01. アルペジオ (きっと魔法のトンネル先)
02. シナモン (都市と家庭)
03. ラブリー
04. 僕らが旅に出る理由
05. いちょう並木のセレナーデ
06. 神秘的
07. いちごが染まる
08. あらし
09. フクロウの声が聞こえる
10. 戦場のボーイズ・ライフ / 愛し愛されて生きるのさ / 東京恋愛専科・または恋は言ってみりゃボディー・ブロー / 強い気持ち・強い愛
11. ある光
12. 流動体について
(アンコール)
13. 流星ビバップ
14. 春にして君を想う
15. ドアをノックするのは誰だ?
16. アルペジオ (きっと魔法のトンネル先)
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