宮S (MBC/2007/韓国) 

『宮S(クン・エス)』は、現在の韓国に皇室が存続しているという設定のもと、普通の女子高生から皇太子妃となったチェギョンと皇太子シンの恋愛模様(縦軸)やら宮中の覇権争い(横軸)やらを描いたドラマ『宮(クン)』(過去レビュー >>)の続編・・・ではなく、現在の韓国に皇室が存続していたら、という設定のみ再利用したパラレルワールド的な別の物語。
今度の主人公は仁川(インチョン)の中華料理屋の出前持ち、フ。彼には本人も知らない出生の秘密があり、実は皇位継承第一位の皇太弟だったことから宮中に呼び戻されることとなる。その結果皇位継承第二位へと繰り下がってしまったフのはとこにあたるジュンと、その周りのおとなたちの宮中を舞台にした皇太弟資格争いが巻き起こる。これが今回の横軸。そしてフと、フの幼なじみでたまたま宮中の女官となっていたスニの恋愛関係にジュンも加えた三角関係。これが縦軸。
物語の構造、セット、衣装、音楽、脇役のキャスト、小道具と、様々な面で前作『宮』と意識的にオーバーラップさせるよう作られている。と言うのはこの『宮S』、『宮』の制作会社から独立した人間が新たに立ち上げた会社が、『宮』の制作会社に無断で作ったドラマなんですね。いかにも韓国らしい逸話ですが、本国韓国でのTV放送は裁判沙汰の真っ最中に放送されていたらしく(裁判はその後和解)、その影響もあったのかなかったのか、大ヒットした前作には遠く及ばない低視聴率で放送を終える結果となったようです。ドラマの出来自体も、各所の評判を僕が知る限りあまり芳しくない。
でもでも、こうしてDVDを観た結果、僕はすごい面白かったけどなあ。全20話、最後まで一気に観ることが出来た。特に宮中の権力闘争の模様を描く横軸部分は前作よりも良く出来ていたと思う。前作よりも話数が少ない分、必要なエピソードが必要な箇所にコンパクトに纏められていて無駄がない。結果、進行がテンポ良く感じる。確かに縦軸部分の描き込みは少しぬるい気はするけど、まあこれは許容範囲内でしょ。『宮』が面白かったひとには『宮S』もオススメです。
ところで、以前オリジナルの『宮』の続編の話も流れていたけど、あれはその後どーなったのでしょーか。

宮S~Secret Prince宮S~Secret Prince
(2007/11/02)
SE7EN.ホ・イジェ.カンドゥ.パク・シネ

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