Rolando - 5 To 8 EP (Ostgut Ton/2011)

Label: Ostgut Ton (o-ton43)
Format: MP3
Released: 2011
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海外の某音楽系blogでJeff Mills『Contact Special』のエントリを見たのだが、ジャケ写が俺の私物(Jeffのサイン入り)だった。ググってみたところ、検索結果の1番上に俺のblogの画像ファイルが表示されるらしい。ま、だからどうってことはないんですけど。
どうしても未だに "元UR" という肩書きで語ってしまいがちなRolandoの新作が、何とベルリン地下ミニマルのOstgut Tonから登場。一聴したところ、エモーショナルでフューチャリスティックな典型的なデトロイトテクノからはかなり遠いところまで来たと感じる、レーベルカラーに則したストイックでモノトーンなミニマルという印象。も少し聴き込んでみると、「De Cago」は繰り返されるヴォイスサンプルがエフェクトで少しずつアシッドに歪んでいく様やクラップの使い方なんかがむしろシカゴハウスっぽい、ファンキーで荒々しさを感じるトラック。これなかなかカッコイイ。じわじわ来るワ。「Junie」のほうは、独特の浮遊感があるアンビエント調のロービート・トラック。浮遊感とは書いたが、これはふわぁっと天に昇るような感じでも、空中を緩やかに遊泳しているような感じでもない。例えるなら、高層ビルの高速エレベーターで降下したときに感じる、内蔵が少し浮き上がるような感覚にも似た気持ち悪さのある浮遊感だ。チルなんだけどバッド、といったところか。
- [2011/02/21 09:49]
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Kaito - Alive (●KOMPAKT/2008)

Label: ●KOMPAKT (●KOMPAKT 173)
Format: 12"/MP3
Released: 2008
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ワタナベヒロシ氏待望のニューシングルがリリースされましたー!!
#A「Everlasting Dub」はKaito名義初期の名曲「Everlasting」(1stアルバム『Special Life』収録)のDubヴァージョン。●KOMPAKT音源を使用したDJミックスCD『Contact To The Spirit』(過去レビュー >>)のために用意されたトラックに、さらに手を加えたもののようです。オリジナル・トラックにずっしりと重く力強いビートを投入し、シンセラインの上からかけられたエコーやディレイが、まるできらきらと乱反射しているかのようなサイケデリックな感覚を生み出している。
#B「Alive」は新曲。生っぽいベースやギターのサウンドのフレーズをフィーチュアした、夏らしい、と言うかイビサっぽくもある哀愁系メロディーのグッド・トラック。間違いなく、昨年の本名名義の1stアルバム『Genesis』(過去レビュー >>)以降のサウンドと言える。
今月には何と曽我部恵一を全編にフィーチュアした本名名義の2ndアルバム『Life, Love』をリリースするワタナベヒロシ氏ですが、近年は湿り気のあるメロディーを中心とした作風が多いことから、この先どんなところに向かって行くのだろうと楽しみ半分不安半分。願わくばクラブミュージックとの接点を持ち続けて欲しいし、例えば喜多郎や姫神のようないわゆるニューエイジ路線には走って欲しくないなあとも思います。
- [2008/05/23 14:01]
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Jeff Mills - One Man Spaceship (Axis/2006)

Label: Axis Records (AXCD-003)
Format: CD
Released: 2006
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昔からJeff Millsは非常にコンセプチュアルな作品を多くリリースするひとでしたが、ここ最近のアルバムは特に、やもすれば哲学的ともとらえかねないテーマを作品内に掲げています。前回のアルバム『Contact Special』(過去レビュー >>)のテーマは外部との接触(未知との遭遇)だったのに対し、今回のアルバム『One Man Spaceship』のテーマは自己の内面的なものなのだそうだ。しかもこの後『Belief System』という作品に繋がっていくのだそうで、『Contact Special』~『One Man Spaceship』~『Belief System』は三部作というか、どうも一連のものであるらしい。
しかしそれらの作品に限らず、Jeffの提示するテーマにはそれとなく自身のサイケデリック体験のメタファーであるかのように感じざるを得ない部分もあって、まあ、でも僕はそれも含めてJeffの作品と姿勢に全幅の信頼を置いているわけだけど・・・。
今回のアルバムは、音楽的には、ここ数年Jeffが響かせているディープだけどスペーシーなエレクトロニック・サウンドで、マインド・トリップにも似たジャーニーを今回も静かに繰り広げているのがすばらしい。ただ、音的な好みだけで言えば、僕は前作『Contact Special』のコズミックな感触の方が好きだったかなあ。
- [2007/01/25 23:00]
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Todd Bodine - Surfaces (Tresor/2006)

先生からは、残ってる左の親不知の抜歯をススメられてるんですが(右の親不知は昨年抜いた)、正直気が進みませぬ…。いや、抜いた方がいいのは百も承知なんですけどね。あのイタイのはまだ当分いいです。
先日のCHaOSに来日したTodd Bodineは、惜しまれつつなくなってしまったTresorのクラブでレジデントを務めていたひとだそうで、この『Surface』は彼の2ndアルバム。
Daniel Bellを彷彿とさせるモノトーンでディープなブリープ・ミニマルなんですが、音数少なめで、音のひとつひとつの輪郭は結構しっかりしているので、クリック/ミニマルと言えどフロア強度はバツグン。
あと、特徴的なのはシカゴ・アシッドの血を引いているオールドスクールなサウンドの雰囲気が感じられるとこですかね。Neil Landstrummがいまクリック/ミニマルやってたらこんな感じだろうな、と思わせるような芸風でもあります。って、この例え、どのくらいのひとに訴求するんだろうか。わかってくれるひとにはドンピシャなハズなんだけど…。
それにしてもTresorからクリック/ミニマルのアルバムってことで一部で珍しがられてますけど、私は別に珍しくもなんともないと思っていて、TresorはStewart Walkerのライヴ盤なんかもライセンスしてるし、そもそも "Globus Mix" ってテックハウス系のミックスCDシリーズでは、前述のDaniel BellやBlake Baxter、それにHerbertもリリースしてますからね。
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- [2006/05/12 20:09]
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Jeff Mills - Blue Potential: Live with Montpellier Philharmonic Orchestra (Uncivilized World/ナウオンメディア/2006)

Jeff Millsによる、UR時代以来10数年振りのライヴ・パフォーマンスを収録したCD+DVD。しかも、フランスのポン・デュ・ガールのユネスコ世界遺産指定20周年記念行事の一貫として、モンペリエ国立管弦楽団と競演したという話題盤。
エレクトロニック・ミュージックのレゾンデートルとアイデンティティを考えるに、電子楽器というものをどのように捉えるかによって、その意味合いは大きく変わって来ると思われる。必要なのは、電子楽器とは他のすでに存在する楽器のコピーや模倣のための代用品などではなく、電子楽器でしか出すことの出来ない音や響き、雰囲気を表現するために使うべきものだという考え方で、そうしたとらまえ方をした場合、今回のJeffとオーケストラとのコラボレーションも別段不自然なものではないし、それぞれの立ち位置も明らかになるように思う。
特にJeff Millsは、エレクトロニック・ミュージックの中でも "テクノ" に意識的のみならず、その可能性を模索し続けて、または拡張を計り続けている。今回のテクノとクラシック・ミュージックの異種交配も、前作のアルバム『Contact Special』同様、未知との遭遇=人種問題の超克がテーマなのかも知れない。
音楽的には、正直聴くまでほとんど期待してませんでした。多分退屈なものだろうと。でも聴いてみると普通に面白かったですわ。
私とクラシックとの接点って『のだめカンタービレ』とフィギュアスケートしかないくらいクラシックは聴かないんですけど、聞き慣れたJeffのトラックはアレンジがどう変わろうとやはりJeffの曲に聴こえるんですよねえ。UR時代の超名曲「Amazon」なんてグッとクるものがあったし(曲前のMCでは、この曲とMad MikeについてJeffがしゃべってます)。でもまあ感じ方は人それぞれかも知れないなあ。退屈に感じる人もいるだろうし、でもこの作品を熱狂的に好きになる人も少ないかも。
私はDVD観てからCDの方を聴いたんですけど、CDの方が音だけに集中出来てこのライヴの魅力に迫れたので良かったです。CDの方を聴くのがオススメ。
Jeffの挑戦はこれからも続く…。
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- [2006/04/18 23:06]
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