Ryuken - Jiggle 

Artist: Ryuken
Title: Jiggle
Label: Cheap Thrills
Catalog#: CHEAP223
Format: File
Released: 2016/12/09
前回のレビューで取り上げたHervéのリミックスも良かった(過去記事)Cheap Thrillsの新鋭、Ryukenの(たぶん)最新シングル。

「Jiggle」というトラックがバージョン違いで2曲収録されており、まずオリジナルではオーセンティックなハウスビートにチャレンジしている。ドラムンベース由来のボヨボヨしたベースはやや控えめだが、全面にわたるラガっぽいボイス・サンプルとともに、ここでもUKベースハウスを引き継いでいることが見て取れる。

カップリングの "Back To 99 Mix" というバージョンについては推論の余地があるのだけれど、Ryukenが過去にCheap Thrillsからリリースしたシングルにはいずれもこの "Back To 99 Mix" というタイトルの別バージョンが収録されている。
この99という数字(または1999年という年代)が何を指し示しているのかはよくわからないが、当時のダッチハウスを彷彿させる跳ねた手数の多いビートに、まるでThomas Schumacherの名曲「When I Rock」を思わせる重戦車級のベース。このバージョンは往年のテクノファンにも聴いてほしい。



Tracklist
01. Jiggle
02. Jiggle (Back To 99 Mix)

Hervé feat. Phizzals - My Love 

Artist: Hervé feat. Phizzals
Title: My Love
Label: Skint Records
Catalog#: 4050538259445
Format: File
Released: 2016/12/09
もう1枚、ボーカルもののベースハウスで良かったやつを。
Hervéが2016年に出した3rdアルバム『Hallucinated Surf』から、Phizzalsなるボーカリストをフィーチュアしたトラックのシングルカット。

オリジナルはボーカルにエモさの、ブレイクビーツにレイヴ感の残るベースハウスだったが、Maximonoはベースマナーに忠実に、KC Lightsはアッパーなエレクトロハウスに、それぞれ独自性を持たせて料理している。
そしてそれら二者のリミックスもそれぞれ良かったのだが、さらに注目したいのがHervé主宰のCheap Thrillsからリリースする気鋭のRyukenによるリミックス。
スピードガラージを思わせる縦に刻まれるハイハットが疾駆するグルーヴと、ボヨボヨと弾むベースが最高にアガるベースハウスで、これは僕の好みの斜め上であると同時に、オールドスクールの掘り起こしはついに90年代後半のUKガラージまでたどり着いたのかという興奮をも隠せません。



Tracklist
01. My Love (Original Mix)
02. My Love (Maximono Remix)
03. My Love (KC Lights Remix)
04. My Love (Ryuken Remix)

DJ Zinc ft. Javeon - Magic 

Artist: DJ Zinc ft. Javeon
Title: Magic
Label: Bingo Bass
Catalog#: BBASS010
Format: File
Released: 2016/06/24
Shift K3Yのアルバム(過去記事)の流れでボーカルもののベースハウスをいくつか漁ったなかで良かった、DJ ZincがUKグライムのユニットCentral SpillzからJaveon "Shadz" McCarthyをボーカルに迎えたやつ。
途中まで聴いてるとラテン色強めのボーカル・ハウスなのかと思いきや、徐々にベースライン色が強くなっていき、中盤のブレイク以降、レイヴ色をさらに加えて爆発。
ラテンハウス+レイヴっていう意味のわからない組み合わせが最高にスリリングなベースハウス。クラックハウス以降のZinc御大あいかわらず外しませんなぁ。



Tracklist
01. Magic

水曜日のカンパネラ - 一休さん 

Artist: 水曜日のカンパネラ
Title: 一休さん
Label: Warner Music Japan
Catalog#:
Format: File
Released: 2017/01/09
1月9日、水曜日のカンパネラのメジャーデビューアルバム『SUPERMAN』より、「一休さん」の先行配信が始まった。一休(1月9日)の日…またしてもダジャレである。
リリックについてはカンパネラー(注:水カンファン)の皆さんがTwitter上で書きおこしやら謎解きやら今回も大いに盛り上がっているので、私はサウンド面について少しだけ。
トラックの基調は、ゆったりめのBPMの4つ打ちで、前作となるEP『UMA』(過去記事)収録の「ユニコ」同様、トロピカルハウスを軸としていることがわかる。特徴的なのは弾けるベースギターの音がフックとなっていることで、通常トロピカルハウスではアコースティックギターが使われることが多いが、この辺りにケンモチさんのオリジナリティとアイデンティティを感じずにいられない。
このベースギターの音って、ケンモチ楽曲の中でも重要な役割を果たしていることが多く、水カンの楽曲に限って言っても、「二階堂マリ」、「デーメーテール」、そして「メデューサ」と、枚挙に暇がない。
この楽曲がアルバムの中で一体どのような位置を占め、どのように聴こえるのか、今からもう楽しみで楽しみで。
水曜日のカンパネラのメジャーデビューアルバム『SUPERMAN』は、2月8日発売。



Tracklist
01. 一休さん

Shift K3Y ‎- NIT3 TALES 

Artist: Shift K3Y
Title: NIT3 TALES
Label: Sony Music Entertainment UK Limited
Catalog#:
Format: File
Released: 2016/11/25
2016年下半期ベスト(過去記事)に選んだ中から1枚。気鋭のUKガラージ・プロデューサーShift K3Y (Shift Key) ことLewis Shay Jankelによる1stフルレングス。
「I Know」や「Touch」といったヒット作から、ビーチ感のあるポップなガラージのイメージが強かった彼だが、本作ではベースハウスに大きく舵を切っている。
かつてフィジットハウスのブームの後、自ら "クラックハウス" を標榜し、ドラムンベース・サイドからハウスミュージックに大胆に接近したDJ Zincとの共作「Jumpstart」がまずは素晴らしく。ゴロゴロと転がり、あるいは跳ねまくるベースラインのアドレナリン出まくり感は、ベースハウスの快感原則のド真ん中。
多くのメジャー感あるゲストのおかげもあり、聴いた目の華やかなポップさに耳を奪われがちだが、根底に流れる凶悪なベースハウスやガラージの刺々しさにこそ僕は心を奪われてしまう。
表面上よそ行きにおしゃれに整えたとしても、根元のガラの悪さを隠し切れないような音楽、僕は基本的に大大大好きさ。

Tracklist
01. DJ Zinc x Shift K3Y - Jumpstart
02. MJ Cole x Shift K3Y - Rampage
03. Shift K3Y feat. KStewart - Natural
04. Shift K3Y - Me & You
05. Ray Sargent x Shift K3Y - Boom Riddim
06. Shift K3Y - Cut You Off
07. Shift K3Y x Chris Lorenzo - Let Go
08. Shift K3Y - Brandy & Coke
09. Shift K3Y feat. MNEK & Ryan Ashley - No Question
10. Shift K3Y - Forever
11. Shift K3Y - Hotel
12. Shift K3Y - NIT3 TALES MIX